イギリス在住のパキスタン人作家 社会主義活動家のタリク・アリ、アメ
リカ人言語学者ノーム・チョムスキー、ウルグアイ人作家 ジャーナリス
トのエドアルド・ガリアーノ、アメリカ人歴史家ハワード・ジン、イギ
リス人映画監督ケン・ローチ、イギリス人美術評論家ジョン・バージャ
ー、そしてインド人作家アルンダティ・ロイ、世界で影響力のある7人
の文化人が UK ガーディアン紙に手紙で投稿しました。

http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,,1835915,00.html

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▼戦争犯罪とレバノン▼ガーディアン紙 03 August 2006

米国に支援されたイスラエルによるレバノン攻撃は、同国を麻痺状態に
陥れ、くすぶる煙でおおって、怒りを駆り立てました。カナの大虐殺と
人命の損失は、単なる「やり過ぎ」ではすまされないことです。現存す
る国際法に従えば、それは戦争犯罪です。

イスラエル空軍が意図的かつ計画的に行ったレバノンのインフラの破壊
もまた戦争犯罪であって、これはレバノンをイスラエルと米国の属国の
地位に貶めようとして企図されたものであります。

この企ては裏目に出ました。世界中の人々があきれ返って注視している
からです。レバノンに関して言えば、現在人口の87%がヒズボラの抵抗
を支持しており、その中にはキリスト教徒とドルーズ派の80%、スンニ
派の89%が含まれます。その一方、米国がレバノンを支持すると信じる
ものは8%に過ぎません。

ですが、このような攻撃が、「国際社会」が設置するどのような法廷に
おいても裁かれることはないでしょう。これらのおぞましい犯罪を犯し
た、あるいはそれに加担した、米国とその同盟国がそのような裁判をさ
せないからです。

ヒズボラを一掃するためのレバノン攻撃は、かなり前から準備されてい
たものであることが今では明らかになっております。米国と、常に米国
に忠誠を尽くす同盟国 英国とが、イスラエルの犯行にゴーサインを出し
たのです。英国では圧倒的多数がブレア首相に反対しているのにです。

レバノンが享受した短い平和は終りを告げ、機能不全にさせられたこの
国は、忘れようとしていた過去の一時期を否が応でも思い出す羽目にな
っております。「国際社会」が手出しをせずに黙って見ているなかで、
レバノンに向けられた国家テロがパレスチナのガザのゲットーで繰り返
されています。この間、パレスチナの残りの国土が米国の直接的関与と
米国や同盟国の暗黙の了解のもとで、イスラエルに併合され解体されて
いるのです。

この蛮行の犠牲者に、また蛮行に対してレジスタンスを開始した人びと
に、私たちは連帯と支持を表明いたします。私たち自身はそれぞれ自国
の政府がこれらの犯罪に加担していることを、可能なすべての手段を使
って暴露いたします。パレスチナおよびイラクの占領、そして一時的に
「中断」されているレバノンへの爆撃が続く限り、中東に平和はないの
です。

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▼ ベイルートアピール▼グローバル ピース ムーヴメント

8月12日をパレスチナ、レバノン戦争に対する国際反戦デーにしようと
の呼びかけがネット上で広く流されました。

この3日間、レバンノの諸政党・諸団体・諸運動体と会合を持った私た
ちレバノン連帯国際派遣団は、以下のように宣言します。

・私たちは、レバノン・ガザ爆撃を直ちに、そして無条件に、停止する
 よう求めます
・私たちは、アメリカ・イスラエルのレバノン侵略を糾弾します
・私たちは、2006年8月12日を上記2項目を支持する「国際共同行動
 デー」とするよう呼びかけます。

連帯国際派遣団の署名:
ギリシャ派遣団を代表して、タソス・コロナコス
フランス派遣団を代表して、ナーラ・シャハル(フランス緑の党派遣団
は保留)
オーストリア社会フォーラムを代表して、レオ・ガブリエル、
南アフリカ諸組織を代表して、ダニス・ブルータス

上の行動日は初めての象徴的な世界共通の日である。他方、各国での連
日行動は続けなければならない。また、大派遣団を世界各地からレバノ
ンに送るべきである。

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▼ トルコの7/28付ZAMAN紙国際面の記事▼
(7/27のインタビューより)

イスラエルのレバノン侵攻に対して、複数のユダヤ人団体が反対の意思
表示をし始めた。ベルギー進歩的ユダヤ人協会(Union of Belgian Jewish
Progressives)のジャック・ラヴドヴィッチ会長は、イスラエルはレバ
ノンで戦争犯罪を犯していると述べた。

Zaman 紙ブリュッセル支局とのインタビューで同会長は、前シャロン
首相は間接的に戦争犯罪を犯したが、現オルメルト首相は疑いようのな
い戦争犯罪者であると述べた。

会長は、かつてホロコーストにさらされたユダヤ人が今日他国民に対し
て同じことを行っているのは恥ずべきことだと述べた。

ラブドヴィッチ博士によると、ユダヤ人排斥はイスラエルの政治家によ
って常に悪用されてきたが、最近激しさを増したイスラエルによるレバ
ノン攻撃により、イスラエルに対する憎悪が深まっている。

同ユダヤ人協会はEUならびにベルギー政府に対して、イスラエルの攻撃
停止に向け努力するよう要請している。

また、EUと米国の声明(「自衛権の行使」云々)にかかわらず、イスラ
エルは戦争犯罪を犯していると非難している。

博士は、ユダヤ人の中にはいまだに「大イスラエル」の夢を抱いている
ものがおり、イスラエル政府は頑なに交渉を拒み、自己の利益のみを解
決策と称して押し付けようと攻撃的対応に終始していると述べている。

ディアスペラ(バビロン捕囚後のユダヤ人の離散)後のユダヤの大義に
対する裏切り者とみなされている博士は、「平和はイスラエルが 1967
年の国境線まで退くことなしには確保できない。イスラエルはレバノン
の破壊を停止すべきである。東エルサレムはパレスチナ人に返し、エル
サレムを両者の共通の首都として承認するべきだ。交渉のテーブルにつ
き対話を始めるべきだ。」と述べている。

博士はイスラエルの攻撃を恥ずべきものと呼び、「パレスチナとレバノ
ンにおけるレジスタンスには正当性がある。イスラエルこそが侵略者な
のだ。ハマスが罪のない人々を殺害することは支持しないが、同時に、
侵略が起こった場合のレジスタンスは擁護する。イスラエルがレバノン
に対して加えているのはテロ攻撃に他ならない。」と述べた。

博士は、西側諸国、特に欧州はイスラエルを批判することを恐れている
と非難して「EUはイスラエルとパレスチナを平等に扱ってきたというが
侵略者と被侵略者に平等に対応できるものだろうか?当協会はEUに対し
てイスラエルとのパートナーシップ協定を破棄するよう求めてきたが、
レスポンスはない。」と言う。

博士によれば、EUの態度はホロコーストに対していまだに罪悪感を抱い
ていることを示しているが、イスラエルはそのかつてのユダヤ人排斥を
利用していると指摘した。

彼はユダヤ人排斥(反ユダヤ主義)と反シオニズムは別の概念であると
指摘した。「反シオニズムは一つの政治的立場だ。たとえば、人が英国
を批判したからといって反イギリスと評されるべきではない。同様に、
イスラエルを批判したからといって、反ユダヤ主義者ということにはな
らない。」

最後に博士は、現情勢を米国のベトナムにおける失敗にたとえ、今回の
レバノン攻撃の成果は、イスラエルへの憎悪が10倍にも高まったこと
だけであり、イスラエルの目標の達成は不可能だと話した。

▲ レバノンの最新の世論調査結果:
ヒズボラ支持は国民の 87%(2月から29%増)
ヒズボラはシーア派イスラム教徒だが、非シーア派の人々の間で支持が
急増している。
回答者のうちキリスト教徒の80%、ドゥルーズ派イスラム教徒の80%、
スンニ派イスラム教徒の89%が支持。
(Beirut Center for Research and Information)