▼マリキ首相のリアクション▼バグダッド・バーニング
20 February 2007

予期した通り、アル・マリキ首相はレイプの申し立てはすべてウソだと
主張している。首相のシーア派従者が警官たちにサブリーン・アル・ジ
ャナービをレイプしたかどうか聞いただけで警官たちがノーと言ったと
いうことらしい。疑いが晴れて問題が片付いたのはよかったわ。

話変わって、シーア派が支配する警察の3人の警察官にレイプされたと
スンニ派の女性が言った後、マリキ首相はなんとしてもスキャンダルの
影響力を弱めようと迅速に動いた。

警官に味方して、申し立てを信用に値しないと試みる政府のレスポンス
は、なおさら激しい反発を招く恐れがあった。

マリキの官庁による声明、先週始まった進行中のバグダッド治安強化作
戦の最中に治安部隊を陰険な手段で傷つけようとの企てというでっちあ
げの主張が、「ある党」-おそらくスンニ派の政治家たち、を非難した。

月曜夜、マリキ首相が事件の調査を命じてわずか1時間後に声明は発せ
られた。

バグダッド西部のアミル近郊で日曜に警官の突撃隊が反乱者(暴徒)を
助けると彼女を訴えて収監した後、強姦されたと二十歳の既婚女性は述
べた。警察の駐屯地に連れて行かれ、レイプされたと彼女は言った。

「健康診断の後、その女性は何ら性的暴行にさらされていなかったこと
が明らかにされ、治安当局によって3つの未解決の逮捕状が彼女に対し
て出されている」と、政府の声明は詳細を与えずに述べた。

「申し立てがウソであることが立証された後、首相は非難された警官た
ちに褒美を与えた」と詳しく述べずに言った。

サブリーンがスンニ派かシーア派かアラブ人かクルド人かが重大である
かのように(アル・ジャナービという大家族はスンニ派、シーア派どち
らでも構成される)このひどく不快な事態(残虐行為)を別のスンニ・
シーアの大災害に変えてしまうので、わたしはメディアが大嫌いだし、
イラク政府が大嫌い。マリキ首相はその女性をウソつきにするだけでな
しに、彼女が非難した警官たちに褒美を与えている。それは暴虐無人で
腹立たしい。

こんな情況だから、どんな情況でもだ、イラク女性がレイプされたと偽
って公然と主張するわけがない。リスクがあまりにも大きすぎる。社交
を避けられるリスクがある。部族間の殺しの復讐と、終わりなき報復の
連鎖の始まりというリスクがある。公然とカミングアウトしてあまりに
もタブーの話題について話す不面目がある。彼女と夫はこの身の上話を
明かすことにより、評判を危うくするばかりか命を危険にさらしている。

単にバグダッド治安強化作戦に泥を塗るためだけに、このようなことで
誰がウソを言うだろう。事件のあった先週、何十人もの死をあてにする
だけでやすやすと泥を塗ることができる。あるいは無実の人間の大量の
拘留について、あるいはイラク人とアメリカ人の部隊が盗まないように、
人々がもう一度、彼らの貴重品をかくしていることについて書くだけで
泥は塗れる。

サブリーンの主張と、彼女が非難した人々にマリキが報いている時間の
間隔は14時間にも満たなかった。14時間でマリキは警官の無実を固
めるのみならず、彼個人のヒーローに変えてしまった。マリキはこの男
たちに自分の妻と娘の身の安全を任せるんだろうか。

これは他の囚人たちの希望をくじかせることを意味する、特にイラクと
アメリカの軍隊を非難する主張を進んでする女性の囚人たちを。もし彼
が情況を処理する自分の傲慢さと冷淡さが、イラク人がきれいさっぱり
忘れるのに効くと考えるなら、マリキは生存する最低の愚か者だわ(そ
うね、もちろんブッシュのほうが上だわね )。彼がやってることをやる
ことで、彼の統治、彼の政府に支配された自警団員の報いがうまくやる
唯一の道であることを彼はこれまで以上に明白にさせている。なぜ治安
部隊や警察に任せるの?復讐させるために民兵かギャングを雇えばいい
話じゃない。彼女に正当な扱いをしないと彼女の部族が暴力でもぎ取る
ことになるわよ。それにAl Janabis は侮りがたい勢力よ。

マリキは少なくとも、今日のイラクで若いイラク人女性のレイプがいま
だ不法行為のままのふりをすることはできた。

(23日のアメリカabc放送でこのレイプ事件について触れた。スンニ
派武装勢力が復讐を誓う声明を出したそうである。インターネットでは
報復したい300人の自爆志願者が名乗りを上げているそうだ。)

■ サブリーンのレイプ■バグダッド・バーニング
(リバーベンドのブログより)

最近はブログするのにたくさんのエネルギーと決意を必要とする。でも
今夜は書かなくちゃならなかった。

これを書いてるとき、チャンネル4では米人気トーク番組の司会者オプ
ラ・ウィンフリーが借金を返す方法をアメリカ人に教えている。収入と
財産を増やすことについて彼らアメリカ人がしゃべるとき、アルジャジ
ーラでは若いイラク人女性がイラク治安部隊に家から拉致されてレイプ
されたことを語っている。あなたには彼女の目しか見えない。話すとき
声はかすれ割れたままだ。とうとう彼女はもう話せないとリポーターに
告げて恥ずかしくて目を覆う。

彼女はこれまでで一番勇気あるイラク人女性かもしれない。アメリカ軍
とイラク治安部隊が女性(そして男性)をレイプしているのはみんな承
知でも、このことを公表して実名を使ってしゃべる女性はひょっとして
彼女が最初かもしれない。ある人は彼女のことをウソつきと呼ぶでしょ
うね。他には、戦争びいきのイラク人を含め、売春婦と呼ぶでしょう。
先に言っておくわ、恥を知れ、と。

彼女を連れ去ったとき、どんな言い訳を使ったのかしらね。 一般的な、
「テロリスト容疑者」という見出しで彼らが拘束する何千という人々の
なかのひとりというのが最もありそうな言い訳ね。CNN やBBC、ある
いはアルアラビヤで読む「イラク治安部隊によって拘束された13人の
暴徒」という小見出しのひとりだったかもしれない。彼女をレイプした
男たちは、ブッシュやコンディ(ライス国務長官)がそれは自慢する、
アメリカ人が訓練した連中ね、それとおんなじ治安部隊なのよ。これは
まさしくアメリカのイラク占領を詳細に記録する本で露見するひとつの
チャプター。レイプされ、妹と両親といっしょに燃やされた14歳の少
女アビールの顛末が書かれることになるチャプターです。

彼らはハイ・アル・アミルと呼ばれるバグダッド南部の地区にある彼女
の家から彼女を誘拐した。ギャングなんかじゃなかったのよ。イラク平
和維持かまたは治安部隊だったの、アメリカ人が訓練したのよね?どう
いう連中かはよく知ってるわよね。彼女は情け容赦なく集団レイプされ、
いま身に起こったことを教えている。彼女は身の安全だかプライヴァシ
ーを理由に顔半分を覆っている。彼女が言ったことを下記に翻訳しまし
た。

「何も持ってない(何もしていない)とわたしは彼に言いました。彼は
何も持ってないだと?と言いました。ひとりがわたしを床に投げ、頭が
タイルにあたりました。彼はそれをしたのです、わたしをレイプしたと
いうことです。2人目がやってきてレイプしました。3人目もレイプし
ました。彼らに許しを懇願してわたしは泣きました、するとひとりがわ
たしの口をふさぎました。別の人がやってきて、もう終わったか?オレ
たちも番を待ってるんだと言いました。すると彼らは、ダメだ、アメリ
カの委員が来たと答えました。彼らはわたしを判事のところに連れて行
きました。

アルジャジーラのアンカーウーマン:治安部隊のひとりが彼女を写真と
ビデオテープに撮り、レイプについて誰かに話したら殺すと脅されたと
サブリーン・アル・ジャナービは言いました。彼女が調査官に会った後
で別の将校が彼女をレイプしました。」

サブリーンが続けます。

「警官のひとりがわたしを武器のある部屋に連れて行きました。カラシ
ニコフがあって小さなベッドがありました、彼はそこにわたしを座らせ
ました。すると将校が来て彼に彼女を置いて行けと言ったのです。わた
しは彼に、予言者の光に誓ってああいうことはしません、と言いました。
ああいうことはしないだと?はい。

パイプのような黒いホースを手に取って、彼はきつくわたしの腿をぶち
ました。わたしに何をさせたいんです?わたしは売春婦ではないので、
できません、と彼に言いました。われわれは欲しいものをもらう、欲し
くないものは殺す。そういうことだと彼は言いました。(彼女がすすり
泣く)お願い、もうこれ以上は言えません、最後まで話せません。」

この女性を見て、わたしには激しい怒りだけしか感じることができない。
わたしたちが手に入れたのはなに?彼女を見て、外国人は心を通わせる
ことなんて絶対にできない。哀れんで、怒りも感じるかもしれないけど
彼女はわたしたちの一員ではないと感じるのでしょうね。ジーンズにT
シャツの子じゃないので漠然とした同情があるだけなんだろう。かわい
そうな第三世界の国々、そんなことを女性たちが我慢してるとは。以前
はこれをがまんする必要がなかったことだけ知っておいてよね。ストリ
ートでもイラクが安全だった時代があった。もう昔のこと。戦争の後、
少なくとも家ではささやかな安全があったという事実でわたしたちは自
分たちを慰めた。家は聖域だったわよね?それもまた消え去った。

彼女は、自分の家で、イラクの刑務所で、暴行された何百人と言う女性
たちのひとりにすぎない。彼女はわたしのいとこのように見える。友達
みたいに見える。ときどき通りでゴシップを話すため立ち止まっていた
隣人のようにも見える。彼女を見るイラク人はみな、いとこや友達、妹、
母親、おばなどを彼女のなかに見ている。

人権団体は来月3人のイラク人女性が処刑されることを警告して避けさ
せようとしている。彼女たちは「テロリズム」、つまりイラク抵抗組織
とつながっていると非難されている。それはイラクのレジスタンスに加
わっていると疑われる人々の親戚を意味することでもある。あるいは単
にまずいときにまずい場所にいただけのことでもあった。ひとりは刑務
所で出産した。彼女たちはいったいどんな類いの拷問に耐えてきたので
しょうね。イラク女性がアメリカの占領下で少なくとも平等は得なかっ
たなんて、誰にも言わせない、わたしたちはいまは処刑されるほど平等
なんです。

なお、イラク内外のイラク人にとっても、イラク内のアメリカ人にとっ
ても、情況が悪化し続けているときに、アメリカのアメリカ人たちはま
だ戦争と占領の情況について討論しています、勝ったのか負けたのか?
よくなったのか悪くなったのか、とね。

ぐずぐずとためらいながら疑う低能どものためにはっきりさせてあげる。
悪くなったのよ。終わりなの。あなたがたは負けた。あなたたちが呼ん
できた(輸入した)アメリカ仕込みのお猿さんどもの歓喜に応えてバグ
ダッドに戦車を乗り入れた日にアメリカは負けた。アメリカ兵が暴行を
加えた家の家族ひとりひとりに負けた。アブグレイブの写真が公表され
て、収容所の壁に隠れたアメリカ人の残虐行為がわたしたちイラク人が
通りで目にしたことと同じなのを立証したとき、健全で勇ましいイラク
人ことごとくにアメリカは負けた。殺人者、略奪者、ギャング、民兵の
頭に権力をもたらし、イラク初の民主主義政府として彼らを雇ったとき、
アメリカは負けた。

身の毛のよだつ処刑がアメリカが達成した最大のことと称されたとき、
アメリカは負けた。かつてあった尊敬と評判をアメリカは失ったのだ。
3000人以上の兵士をアメリカは失った。石油が、少なくとも失った
ものに相当することを願うわ。


♯お知らせ♯ きままなブログを始めました。
よりのんきでよりビジュアルな内容に なっています。
こちらもごひいきに。
http://tequilamama.blogspot.com/
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