インディペンデント紙の一面は大きな活字で「WAR CRIME?」
いまでは瓦礫の山となったわが家の跡地に座り込み、悲痛な表情で手を
広げる母と子の写真。ガーディアン紙の一面は毛布にくるまれた複数の
遺体の写真。どちらもラファからのものだ。夜のニュースはどのチャン
ネルも平和的なデモ隊をねらったミサイル攻撃を報じていた。
イギリスでは新聞もテレビもラジオも、連日トップ扱いでイスラエル軍
のラファへの侵攻、「レインボー作戦」を取り上げている。
テレビの画面には見渡す限りの瓦礫の山。おそらくは死んでいる、道路
に横たわった男性を車の影から助け出そうと必死の男性、イスラエル軍
の戦車と軍用車の隊列が道路を進む様子。これが戦争ではなく、一方的
な破壊と虐殺だということは子供にでもわかる。
イギリスでは子供にもわかることが日本の大人にはわからないようだ。
朝日新聞衛星版を読むと、まるでどこかよその惑星の新聞のよう。いま
世界を揺るがせている問題の根源のひとつがパレスチナにあること、そ
してそこにいま激震が走っていることに気づかないのだろうか。
どうか、あなたの抗議を何度でもイスラエルに届けて下さい。パレスチ
ナの人々を孤立させないで。ロンドンでは19日から連日イスラエルへ
の抗議行動が行われている。ハイストリート・ケンジントンのイスラエ
ル大使館前で、ある時間帯には議会前で、また首相官邸前でも。
(ロンドン在住 Fujisawa Midori:MAGCHIMERA WARTIMEから抜粋。
http://www.chimerafilms.co.uk/children_mag00.html )

▼ラファでの家屋取り壊しに抗議▼Israel Voice for Peace 21 May

パレスチナ自治領、ガザ地区最南端ラファでの破壊が続いている。それ
には平和的な抗議者への発砲が含まれている。これらの事件が始まった
とき、イスラエルの平和団体 Gush Shalom は次のように言った。
「最近この近くで5人のイスラエル兵が殺されたのは口実です。 Gush
Shalom は、世界中の平和と正義の支持者に彼らの政府を動員すること
を求め、まだ少なくとも永久保存されてないこの戦争犯罪を公表して直
ちに行動するよう市民団体に求める。何百という家族をホームレスにす
る、前もって計画した大規模な家屋の破壊。そのほとんどがすでに一度
は住み慣れた土地と住居から追い立てられた難民家族なのです」
この破壊行為は、アメリカ製の、そしてアメリカ国民の税金で購入され
たキャタピラー・ブルドーザーで成し遂げられるのです。
Take Action!

▼こういうことだから捨て置けない▼

パレスチナ人の家屋取り壊しはイスラエル政府によって用いられるパレ
スチナ人に対する集団的懲罰という長年にわたる組織的方法なのです。
イスラエル家屋取り壊し反対委員会によると、1967年以降、パレス
チナ人の家屋9000戸が取り壊されており、5万人以上のパレスチナ
人がホームレスになっている。その多くが1948年と67年の戦争で
すでに難民になっていた人々なのである。
フィラデルフィ回廊地帯として知られる細長い土地によって特徴づけら
れるラファは、ガザとエジプトの国境に近接するせいで特に標的にされ
ている。先週、ラファ内部で行われた作戦は、パレスチナ人の死者数十
人(19日には20人)、何百という負傷者と何千ものホームレスを残
している。先週末、政府にラファの作戦をやめてガザから撤退するよう
求めて、15万人以上のイスラエル人がデモ行進した。
この3年間に、アメリカ人活動家レイチェル・コーリーがなんとか阻止
しようと抗議して亡くなった家も含め、ガザでの家屋取り壊しの大多数
がラファで起きていた。ラファで明らかになるエジプトからの「武器密
輸のトンネル」との主張だけで、これらの取り壊しが正当化されてきて
いる。これらのトンネルが確かに存在し、イスラエルに対し脅威を提出
するというのに、何年にもわたる家屋取り壊しと最近の作戦の家屋取り
壊しの大多数には武器密輸に関係するものはなにもなかった。実際、イ
スラエルの日刊紙Ha'aretzは、密輸計画におけるパレスチナ人の関与は
主として自治領のきびしい高失業率(70%にも)によるものと指摘す
る。武器密輸を止めるのにもっとずっと効率のよいやり方は、生計を立
てるためガザ居住者にもっとましな選択肢を与えることであるはずだ。
そうして街をくまなく倒壊しつくすというより、現時点の密輸トンネル
を標的にすることだろう。ラファのこの作戦期間中に発見されたトンネ
ルはたったひとつだと、今日イスラエル治安部隊IDF が伝えた。
イスラエルは一回の作戦で100戸以上の家屋を効果的に取り壊してい
る。実際の目的はイスラエルとエジプト間の回廊地帯を広げることにあ
る、そしてガザ撤退の大事件とガザをエジプトから完璧に切り離すこと
で、イスラエル軍にそこでパトロールをもっとやりやすくさせるのだ。
まるまるイスラエルへのアクセスがないのと合わさって、これはガザが
イスラエル撤退の大事件で完璧に孤立させられることを意味する。
高価な代償を支払っているのは、時には二度や三度も家を失っているパ
レスチナ市民である。この作戦でイスラエルは少なくとも13人の兵士
を失っている、そして正式に認められているパレスチナ人の死者の数は
80人を超えている。下記は、先週ガザでの作戦の報告である。
二日前に、パレスチナ人の装甲兵員輸送車への攻撃で5人のIDF 兵士が
殺されたフィラデルフィ・ルートに近接したラファの難民キャンプで、
金曜日(14日)イスラエル治安部隊が大規模な家屋取り壊しに着手し
た。目撃者によると、装甲ブルドーザーが20家屋を取り壊し、キャン
プにいる大勢の人々を脅している。パニックに襲われた居住者たちはな
んであれ持って逃げられる所持品をひっつかんで逃げた。ある者はイス
ラエル軍に近づいて白旗を振る、と目撃者は話した。
(Ha'aretz 14 May 2004)
http://www.haaretzdaily.com/hasen/spages/427462.html

パレスチナ難民を担当する国連機関のスポークスマン、ポール・マッキ
ャンは、イスラエルの政策を糾弾して深刻になる危機を警告した。
「これらの家のどれもが活動家をかくまうだのトンネルへの入口を隠す
などと信じるのは無理だ」とポール・マッキャンは言った。
ホームレスになった人々のために、イスラエルがパレスチナ人が新しい
家を見つけるのを援助するというイスラエルラジオの報道をマッキャン
は疑ったと言った。
「イスラエルはこれまで、パレスチナ自治領内での人道主義の争点に責
任はないとみてきている」とマッキャンは言った。
(BBC 14 May 2004)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/3713585.stm

白旗と所持品を持ってラファのパレスチナ人は装甲ブルドーザーの通り
道に逃げた。ブルドーザーは最初の襲撃で5つの家屋からなる2つの集
落を倒し、もっと多くの建造物を脅かしたと目撃者は言った。武装ヘリ
がキャンプにミサイル2発を撃ったせいで難民がパニックに駆られた。
「イスラエル兵が家を倒す前になんとか服と持ち運べるものはなんでも
持ち出そうとしている」と、32歳のMohammad al-Basiouni は言っ
た。彼の3階の建物には65人が住んでいた。過去3年半の戦闘で武器
密輸のトンネルを発見しようと試みるうちに、イスラエルはキャンプの
何百という建造物をすでに破壊してきている。
(ロイター通信 14 May 2004)

ガザのラファ難民キャンプで抗議する群衆めがけてIDF の戦車が砲弾を
撃った昨日の午後、8人のパレスチナ人が殺されて数十人が負傷した。
殺されたうちの4人は14歳以下の子供だった。病院に運ばれた負傷者
62人の半分が重体である。 (Ha'aretz 20 May 2004)
http://www.haaretz.com/hasen/spages/429687.html

ラファとガザ中いたるところのパレスチナ人にとり、生きてる境遇はす
でに恐ろしいものである。これ以上悪くさせないために、いま行動を。
(Israel Voice for Peace  キャンペーンは5月27日に終結)

イスラエル軍によるラファでの殺害に抗議するため、19日夜500人
がテルアビブのイスラエル国防省でデモをした。デモを率いるのはイス
ラエルの兵役拒否者を激励する組織Courage to Refuse とパレスチナ人
殺害の軍務を拒否して留置された空軍パイロットを励ますためのPilots'
Letter の署名者だ。このデモで8人が逮捕され、3人が負傷した。
私たちは明日またデモを準備している。Courage to Refuseのメンバー
はいまガザで行われていることに容易ならぬ責任を感じている。これは
私たちが加わった軍隊ではない、これらは私たちが遂行しようと計画し
た任務ではない。 今夜のデモは5月に入って行われた5回目のデモで、
前回より多くの人が参加した。 私たちは沈黙するつもりはない。私たち
の声は国中に届けられるはず。
自治領から撤退せよ!イスラエル治安部隊IDF の道義をわきまえた評判
を回復させよう!このばかげた流血の惨事を終わらせよう、子供たちを
国に連れ戻せ! (Refusing for Israel 19 May 2004)