■要塞に囲まれる 米国の悲劇■東亜日報 11 September 2007

「悲しいことだが、米国が直面した現実だ」

アメリカ国務省のある関係者が、最近イラクのバグダッドに建設中の新

しい米大使館の建物に対するマスコミの批判に対して出した非公式の論

評だ。同関係者が言った「悲しいこと」とは、米国が世界各地で要塞の

ように高くて厚い城壁に囲まれなければならない現実を意味している。

911テロ6周年(9月11日)を迎え、ワシントンでは2つの建設工

事が話題を呼んでいる。

史上最大規模の海外公館である駐イラク米国大使館と、鉄の壁のように

修復されているペンタゴン(国防総省)建物工事だ。いずれも「テロと

の闘い」まっただ中の米国の現実を改めて実感させる。

◇城の中の城、バグダッド大使館

バグダッド市内のチグリス川西方には、徹底したセキュリティの中で、

米国大使館の新築工事が最終段階に入っている。

川岸の公園だった土地の譲渡を受けて建設中の大使館の敷地は約42万

平方メートル、ニューヨーク国連代表部の6倍で、北京に建設中の米国

大使館の10倍、バチカン全体に匹敵する面積だ。

2.7メートルの高さの壁に囲まれた敷地内には、21の建物が立ち並

ぶ。発電所、上下水道処理施設、プール、映画館、ショッピング施設、

社交クラブなどなどだ。

メリーランド大学のジェーン・レフラー教授(建築史学)は、「フォー

リンポリシー」9・10月号の寄稿文で、「海外公館は、その地域社会

と交流しながら、米国の善意と民主主義の価値を宣揚する場所でなけれ

ばならない。しかし、大使館建設のコンセプトは、前哨基地の構築だ」

と指摘した。

さらにレフラー教授は、「米政府は、イラクの民主主義の将来に自信を

表明するが、長期間の大規模暴力の持続に備えて建てられた大使館から

は、イラクの未来に対する何の自信も見られない」と述べた。

◇要塞化する国防総省

ポトマック川の近郊にある国防総省の敷地内には、911テロで死亡し

た184人を追悼する記念館が来年完工する。しかし、記念館よりも大

きな変化は、国防総省全体の概念が、オフィスから一種の要塞に変わっ

たことだと、ワシントンポストは9日付で報じた。

建物の窓は、大規模な爆撃に耐える特殊ガラスに変わり、内部には先端

警報システムが設置された。1000人規模の警備・警察隊は、いかな

る化学、生物学、放射能の攻撃も阻止できるセキュリティ能力を備えた。

訪問者は、敷地外の駐車場に車を止め、建物に入るために、何重もの防

壁上の陸橋のような歩道を10分以上歩かなければならない。

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■イラン・イラク国境に米軍基地 国防総省が計画■時事通信

10 September 2007

10日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、国防

総省がイランとイラクの国境付近に米軍基地を建設する準備を進めてい

ると報じた。11月にも稼働させる方針。米政府が懸念を強めるイラン

からイラク国内のイスラム教シーア派民兵組織への武器供与を阻止し、

イラク駐留米軍に対する攻撃を防ぐのが狙い。

また同紙によると、国防総省は基地開設と同時に、イラン国境からバグ

ダッドまでの幹線道路に、仕掛け爆弾などにも耐えられる堅固な検問所

を複数設置する。このほか、イランからイラクへ入国する車両などを調

べる X線装置や爆弾探知器の導入も検討している。

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■米民主外交委員長「米軍増派、失敗が真実」■日本経済新聞

10 September 2007

米民主党のバイデン上院外交委員長は9日の NBCテレビで、イラク駐留

米軍のペトレアス司令官がイラク戦略で「治安の改善がみられた」との

考えを示していることについて「まったくの間違いだ。ブッシュ政権の

政策と米軍増派は失敗したというのが真実だ」と強く反発した。ペトレ

アス司令官は10、11両日にイラク政策の評価を議会に報告する予定

となっている。

一方、ブッシュ大統領はアジア太平洋経済協力会議( APEC)首脳会議

の帰途、立ち寄ったハワイで8日、記者団に「今こそが世界に平和をも

たらし、テロリストの安全地帯を許さず、中東で民主主義を進める困難

な仕事に取り組む時だ。私は成功を信じている」と述べ、イラク政策の

基本は変えず、米軍駐留を続けると表明した。

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■ペトレアス司令官 ホワイトハウスのために帳簿を操作■ AFP

10 September 2007

イラク情勢をめぐるデビッド・ペトレアス・イラク駐留多国籍軍司令官

とライアン・クロッカー駐イラク米大使の議会証言を翌日に控えた9日、

共和党員らは、「ペトレアス司令官を攻撃するための新たな PR戦略に躍

起になっている」として民主党を非難した。

ペトレアス司令官は、ブッシュ大統領が1月に発表した2万8500人

の米軍増派計画によりイラク国内の宗派間抗争は減少しており、増派の

必要性を証言するものとみられる。一方で、2008年初頭からの16

万8000人強の段階的兵力削減計画には異議を唱えない見込みだが、

「米兵3700人以上とイラク国民数万人の命を奪い、5000億ドル

(約56兆5500億円)を費やしているイラク戦争からの早期完全撤

退」を求める民主党が納得する可能性は極めて低い。

2008年大統領選に立候補している民主党のジョゼフ・バイデン上院

議員は NBCテレビで、「ペトレアス司令官を心から尊敬しているが、(増

派を続けるべきだとの)考えは完全な誤りだ」と語った。

また、民主党のジョン・ケリー上院議員は ABCテレビで、1967年に

上下両院でベトナム戦争について証言したウイリアム・ウェストモーラ

ンド将軍に触れ、イラク政策への固執は「ベトナム戦争でわれわれが窮

地に陥ったときと同じ発想だ」と語り、さらに、イラク戦争を「破滅的」

と評した。

米国では前週、イラク政府と治安部隊は「機能不全」に陥っているとす

る報告が発表された。また、米国の平和協会は9日、イラク駐留米軍を

3年以内に半減し、5年以内に完全撤退させるべきとの見解を示した。

リベラル派グループ「 MoveOn.org」は、10日付けニューヨーク・タ

イムズ紙に「ペトレアス司令官は裏切り者ーーホワイトハウスのために

帳簿を操作」と題する全面広告を掲載する予定だ。

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■おばあちゃん100人がイラク撤退訴え■日テレ24

10 September 2007

アメリカ政府は今週、イラク情勢についての報告書を議会に提出する。

これを前に、ニューヨークで9日、高齢者100人がイラクからの即時

撤退を訴え、ブルックリンブリッジを行進した。

「兵士たちをイラクから帰せ」 イラクからの即時撤退を訴えているの

は、通称「おばあちゃんたちの平和旅団」のメンバーら100人。マン

ハッタンに架かるブルックリンブリッジを渡って、グラウンドゼロまで

の4キロのコースを行進した。

イギリス軍がイラクからの撤退を始める中、先月下旬の「ギャロップ」

の世論調査によると、「アメリカ軍を来年4月までにイラクから撤退さ

せるべき」と答えたアメリカ国民は66%で、「させるべきでない」の

30%を大きく上回っている。

イラクでのアメリカ軍の犠牲者が3700人を超す中、アメリカ政府は

今週、イラク情勢についての最終報告書を議会に提出し、ブッシュ大統

領が今後のイラク政策について新たな方針を示す。おばあちゃんたちの

切実な声が耳に届くのかどうか注目される。


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