米メディアは１２日未明（日本時間同日午後）、安倍晋三首相の辞意表

明を相次いで速報し、同首相は「指導力の弱さと人気の低落により、持

ちこたえられない立場に追い込まれていた」（ウォール・ストリート・

ジャーナル紙）などと分析した。

ニューヨーク・タイムズ紙は１２日午前０時３５分（同午後１時３５分）

すぎに読者向けの電子メール速報を配信し、「安倍首相辞任へ」と伝え

た。ＣＮＮテレビ（電子版）も速報の中で首相が陥っていた窮地を紹介

し、その１つとして、日本人拉致問題をめぐる北朝鮮との協議が暗礁に

乗り上げていた事実を指摘した。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙（電子版）は、民主党の反対によ

り自衛隊のインド洋での給油活動継続が危ぶまれていた点などに言及し、

最有力の後継首相候補は自民党の麻生太郎幹事長だと伝えた。

（時事通信２００７年９月１２日）

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■日本の首相 辞職■ BBC News 12 September 2007

７月の参議院選挙で自民党が大敗して以降、安倍氏は辞任せよとの要求

が増すのに直面してきた、そして彼がますます不人気なのを世論調査は

明らかにした。

目に見えて苦しむ彼は、満員の記者会見で「テロとの戦い」に対し、日

本は新しいリーダーが必要だと話した。

彼の党（自民党）は新しい首相を選ぶため来週にも総会を開くが、解説

者らは別の総選挙はありそうもないと言う。

前もって安倍氏は、現行の１１月期限切れを待たずに、米国主導のアフ

ガニスタン派遣任務への日本の海自支援活動の延長に彼の職を賭けてい

た。

テロ対策特別措置法の延長問題の国会論戦（衆議院本会議代表質問）直

前に入った辞職のニュースは、驚きを持って多くの解説者が報じた。

一年前に首相を引き継いだ安倍氏は、ナショナリスト（国家主義者）と

みなされている。５２歳の彼は日本の最も若い戦後政権かしらだった。

だが、年金と閣僚のものも含め一連の金銭スキャンダル騒ぎの真っ最中

に彼の支持率は急降下した。

政権党の自由民主党は新しい総裁を選ぶため、９月１９日両院議員総会

を開く予定で、その人物が自動的に首相になる。（若手議員から異論が

出て２３日に延びている。）

安全保障政策に関してタカ派的見解の大部分を共有するとみなされる、

近しい安倍の盟友、麻生太郎幹事長がどうやらそのポストに最も有望な

候補者らしい。

◇ヘビーブロー

安倍氏はいつ職を離れるか日にちを教えなかったが、党のリーダーらに

新しい首相を物色するように指図したと言った。

「いまの情況では、国民の支持と信頼の上に、力強く政策を推進するの

が困難になった」と彼は言った。

「私たちはこの局面を打開しないといけないとの判断に至った ...　支持

と信頼のできるリーダーが国民には必要」と彼は付け加えた。

閣僚レベルの辞任と最近の参議院選挙でのひどい敗北が、安倍の主要政

策のどれについてもはずみを得ることができない状態にした。

◇仰天させるタイミング

アフガニスタンの米国主導の作戦支援で、日本の海自の派遣任務を延長

する計画をめぐり、水曜日の本会議代表質問で安倍氏は答える予定にな

っていた。

日曜には、延長の議会承認を得られなければ職を辞すと誓約してたのに、

水曜には、彼の離脱が法案の通過を促すことになると示唆した。

「私の辞職が、新たな首相のもとでテロと戦うことを日本に続けさせる

ことになると考える」と彼は言った。

NLI リサーチ協会の主要エコノミスト、Koichi Haji もまた、この一手

は「大きな驚き」となったと述べた。

「反テロ法を通すことに職を賭ける覚悟だと言っておいて、なぜ努力を

する前に辞職しているのか、わからない。」と彼は言った。

▲ BBCでは、なにが安倍を辞任に導いたか、コメントを求めている。

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■トーキョーのこま割りマンガ■ The Guardian 13 September 2007

独自路線を行く小泉純一郎の一匹狼の志を継ぐことで、いつでも面倒な

ことになっていたが、彼のたどたどしい規格によっても、昨日、日本の

首相を辞職するとの意思を発表した安倍晋三はまったくのへまをした。

第二次世界大戦以降最も若い日本の首相は６０年の地域緊張を和らげる

のに都合よく運ぶ、中国と韓国の訪問でまずまず末頼もしいスタートを

切った。同じ独断的な意気で、まつられる御霊の中に１４名の A級戦犯

がいる靖国神社を訪れることでは、世間一般のプレッシャーに決して屈

服しなかった。

だが国内の活動範囲で、彼はあっといわせる常識のなさを見せた。一年

にも満たないのに安倍内閣の４人の閣僚が辞任、ひとりが自殺した。彼

は４ヵ月で３人の農林水産大臣を経験し、そのうちひとりが持ちこたえ

たのはわずか一週間だった。安倍氏には壮大なビジョンがあった、「美

しい国」日本という概念について彼は繰り返し語った、だが彼の有権者

が理解できる政策にそれをしっかり固定するのに失敗した。スキャンダ

ルと失態（へま）とで衰弱した安倍氏は続けるスタミナが不足した。

支配する自由民主党は２ヶ月に２度の危機に陥っている。辞任すべきと

き、自民党が参議院を制しきれなくなる７月の選挙後、安倍は辞任する

のを拒んだ。いま党の高官らは別の党首、別の首相を一週間以内に見つ

け出すため、あがくままに放置される。首相が務められるのを明らかに

している唯一の人物、小泉氏が世間一般の歓迎によって復帰するのを断

り、他の２人の主要候補者各々にも撤回がある。元財務大臣の谷垣氏は

可能性のある立場にあるが、必要とする指導力を党に提供することであ

まりにも不確かな人物とみなされた。

もうひとりの候補者はとても多彩な麻生太郎だ。３月、青い目とブロン

ドの髪なのでアメリカの外交官が中東の問題を解決することはないだろ

うと彼は言った。当時、彼は外務大臣だった。財務大臣としてはリッチ

なユダヤ人が住みたがる国に日本を変えたいと望んだ。ナショナリスト

のタカ派、彼は朝鮮半島での日本の残忍な植民地統治を賛美して、その

地域をいきり立たせている。それが彼らの責任だったなら、日本の戦傷

を受けた近隣国はどっちつかずを激しく攻撃することになり、そのたび

にうんざりすることになる。

日本の当選有望な政治指導者の資質と、国自体の貫禄、パワーとの間に

だれにもわかるひどい誤りがある。北朝鮮が孤立状態から長くて苦しい

歩行を始めるとき、中国と韓国の両方が日本に援助を期待する。未解決

の拉致という自国の重大局面を抱える日本は、６者会談で打ち出された

包括的和平協定よりまさる、北の体制との歴史に基づく二者問題を提出

しようと決めるなら、ぶちこわすことになりかねない。あるいは安倍氏

の辞任に至った論点、アフガニスタンに展開する米国主導の軍隊の支援

に関して、補給艦船での自衛隊派遣任務の延長という強く不人気な（賛

成・反対を問うアンケートでは７６％以上の国民が延長に反対）意向が

挙がる。日本が戦後の平和主義憲法の放棄に着手する勢いには、周辺地

域ばかりか世界全般において根深い影響があるはずだ。

日本に必要なのは、この前の金融破産から今なお損失を償っている社会

の懸念と取り組むことのできるリーダーだ。安倍氏の後継者の最初の課

題は、参議院を支配する民主党、最大野党の党首、小沢一郎との運営手

はずをうまくさばくことになるだろう。だが、世界の舞台をまたいで立

てるリーダーもまた日本は必要としている。

麻生氏はそんな男でありそうもない。彼の大好きな話題はマンガ本につ

いて話すことだ。彼が首相になるかもしれないおもわくで、昨日、マン

ガ本でつながった貢献が１３％に跳ね上がった。

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