■デモ禁止がボクたちを止めない■ガーディアン紙

06 October 2007 by ブライアン・イーノ

議会はイラクのことを忘れたいのかもしれないが、それを思い出させる

ため、ボクたちは月曜にデモ行進する

ボクたちがイラクから先に進んだらイギリスの指導者らは確実にハッピ

ーだろう。連中はもうこれ以上イラクについて語りたがらない。それは

実にひどい大失敗で、どれについても名誉とはならない。思うに、これ

が議会でその問題がなかなか討議されない理由だろう。国民の大多数が

常にその戦争に反対してきたとはいえ、国民が選挙で選んだ代表によっ

てこれが反映されなかった。政府は、ある意味で紛れもなく非民主的に

ふるまったが、保守党の満場一致の支援なしには計画全体が生じえなか

ったため、保守党はそのことで説明を求めたりしないだろう。

だが、いま都合よくイラクを忘れることは、戦争にあるかもしれない唯

一の恩恵、ボクたちを動きの取れない苦境に陥れた機能不全の政治シス

テムを再考するチャンスを失うことになる。もしこれをやらないと、こ

れまでよりずっと動きの取れない一連の苦境に陥るリスクがボクたちに

はある。イラクのいちかばちかの冒険は、中東に民主主義の目標となる

ものを根付かせるとして正当化された。それにすっかり失敗したばかり

か、ボクたちの民主主義も傷つけた。ボクたちの考え方よりもパラノイ

アにアピールするジョージ・ブッシュとトニー・ブレアは、発展させる

のに何世紀もかかった自由に対し制限を手に入れた。ボクたちの安全を

保証するのにこれらが欠かせないと2人は言った。記憶にないほど昔か

ら独裁主義の指導者によって利用される方便だ。

市民の特権は、それを必要とするまで決して重要には思えないものだ。

だが、それが得られなくなるのが現実だとはっきりさせる程度に、保証

政策のようなものはあらかじめ適切にしておく必要がある。歴史家セバ

スチャン・ハフナーは彼の本「 Defying Hitler:ものともしないヒット

ラー」の中で、ドイツがどのようにナチズムに滑り込んだか説明する。

まず第一に人々はヒットラーをおもしろがって法律のつまらない変化に

思えることにとりあえず協力した。大部分のドイツ人にとってそれはか

なり抽象的で、彼らはヒットラーが徐々に見えなくなって事態が正常に

戻るのを待ち受けていた。ただ彼は見えなくならなかった、そして市民

の特権は彼を止める手だてがないほど妥協させられていた。

ボクたちがイラクのことで立ち上がらないと、民主主義の熱心な福音伝

道というこのきわめて有害なうんざりする実験で、次の階段を黙って認

可することになる。その階段にはイラン攻撃が含まれそうだし、イラク

における占領軍の恒久化(おそらく常にこの意図がある)と中東での完

璧な軍備配置、復活する核万歳の将来が含まれそうだ。

StoptheWar連合は、ボクたちの多くがまだイラクのことを考えている

という事実に注意を引きつけるのと、イギリス部隊の即時撤退を要求す

るため、議会が再開される月曜日にトラファルガー広場から議会スクエ

アーまでデモ行進する予定だ。1839年ロンドン警視庁法という古い

時代からの生き残りの法律を使って、いまデモは禁止されている。なぜ

いまなのか?

StoptheWar連合はその手のデモをたくさん組織してきている、ボクが

知る限り、ひとりも痛めつけられていない。つまり、公衆の安全を危険

にさらすことはできない。

とんでもない、それは部屋のなかのゾウだ。この政府は公正な別の政府

だと見せたい、ゾウとカーペットに残っているきたないものには注意を

引きたくない。市民たちが感情を政府に伝達することで(ついでながら

民主主義と呼ばれるプロセスだ)もう少し手はずをそぐために古い法律

に頼る。

ゴードン・ブラウンには勇気を出して「この戦争は大失敗だった」と言

ってもらいたいものだ。さらにすごい勇気を奮い起こして、大失敗の根

源がその発端にあったことを認めてもらいたいものだ。有効なアイディ

アが不当に行われたのではなかった(ネオコンの最後の逃げ口上、「す

べて責任はラムズフェルドに負わせろ」)、不当なアイディアが不当に行

われたのだ。そしてことによると超人的な勇気を奮い起こして、「とこ

ろで、われわれは撤退すべきであり、この気の毒な国に賠償金を支払う

べきだ」と言ってもらいたいものだ。

どうなるかボクにはわからない。だが合法でも違法でも、デモは月曜だ。

イラクが議会の第一議題からすべり落ちても、まだボクたちに関係して

いることを代表に思い起こさせるのにボクたちの権利を行使するとき、

トニー・ベンが僕たちの先頭に立ってくれる。どうか一緒に加わって。

▲アンビエントの父、ミュージシャンでプロデューサーのブライアン・

イーノは、 Stopwar.org.ukに加わり、戦争を止める活動をしている。


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