■イスラエルは石油で汚れたレバノンを援助せよ■

インタープレスサーヴィス by タリフ・ディーン

02 November 2007

国連発、2006年7月にイスラエル空軍がレバノンの石油貯蔵タンク

どっさりと重要な発電所を破壊したとき、環境破壊は唖然とさせるもの

だと説明された。

そして15ヶ月以上経過したいま、国連はその石油流出によって人間の

健康、生物多様性、漁業、観光事業にもたらされる破壊的危害の広がり

を詳細に記述する報告書を発表している。

破壊は、絶えず問題に悩まされるその国の暮らしと経済に「重大な密接

な関係」があった。

貯蔵タンクと El-Jiyeh 発電所を破壊したイスラエルの爆撃は、レバノン

と隣国シリアの150キロの海岸線を汚染する結果になった地中海への

約1万5000トンの燃料オイルの放出を引き起こした。

ヒズボラとイスラエル間の激しい戦闘との特徴がある4週間の爆撃は、

その三分の一ほどが子どもの、1183人を超える死者で終わった。お

まけに4054人が負傷して97万人のレバノン人が自分の土地を追わ

れた。

経済的損害に関して評価した後、総合的な被害額は5億2700万ドル

と9億3100万ドルのあいだであり、平均して約7億2900万ドル、

または2006年のレバノンの国内総生産の約3.6%に達すると世界

銀行は述べた。

損害は森林、水、空気、ホテル、ビーチリゾート、公共の海岸、レスト

ラン、商用の魚釣りなどに影響を及ぼした。

石油流出での密接な関係は、世界保全同盟( IUCN)、国連開発計画

( UNDP)、国連環境計画、世界銀行、食品農業団体を含める半ダース

以上の国際的環境組織によって研究され評価されてきている。

IUCNによれば、海岸線生態系の多くがまったく化学的に汚染された。

石油流出は、レバノンで唯一の海洋保護エリア、パームアイランド自然

保護区といった、生物多様性ホットスポットとこわれやすい海洋生態系

に直接的な影響力があった。

目下の国連総会の会期のための報告で、バン・キムン国連事務総長は、

「レバノン政府に対する機敏で適切な賠償に責任を負うことに向けた必

要不可欠な行動をとるよう」イスラエル政府に迫る。

「レバノンはいまだに石油の除去、廃物処理、復旧の監視に従事させら

れている」ので、「レバノン国における石油層部分」と名付けた研究で、

レバノンを助けるための国際的努力はさらに強められるべきだと彼は述

べる。

「どの国際的な石油流出賠償基金によってもこの石油の流出は補償でき

るものでなく、このような特別な研究に値することもまた事実として認

められるべきである」と彼は注をつける。

14ページの報告によれば、財政援助と技術援助に関して言えば、クウ

ェート、ノルウェー、キプロス、デンマーク、フィンランド、フランス、

ドイツ、イタリー、モナコ、スペイン、スウェーデン、スイス、日本、

米国を含む十数カ国が行ってきている。

だが、イスラエルはその提供者リストから目立って欠けている。

現在までのところ、イスラエル政府はなお、レバノン政府に対する迅速

で適切な賠償のための責任を負わねばならないと報告書は述べる。

石油汚染に関連する多くの国際協定と地域協定を再検討した UNDP国連

開発計画は、すべての協定が「戦争行為(交戦状態)中にあてはまらな

い」のを発見した。

そのうえ、流出賠償に関連する協定は、陸地に基づく事件ではなくて海

のタンカー船からの石油流出にだけ関係する。

また国連の報告は、2006年7月、進行中の衝突のために石油流出が

起こったとき、「それは国の対応能力を圧倒した。イスラエルによるイ

ンフラと陸の破壊、空と海の封鎖、同時に起こったことが大規模な人道

上の対応を必要とする」と述べる。

これらの要因が国際的援助のための初期段階の努力を妨げもした。

イスラエル軍による4週間以上の地上と空からの爆撃の間中、その国の

インフラは「破滅的規模」で破壊をこうむったと、昨年公表された報告

でロンドンに拠点を置く人権団体アムネスティインターナショナルは報

じた。

イスラエル軍は粉々になるまで建物を猛撃した、そして住人たちが砲撃

から逃げ出したとき全近隣を瓦礫に至らせ、村々をゴーストタウンにし

た。幹線道路、橋、ガソリンスタンドは粉々に吹き飛んだ、とアムネス

ティインターナショナルは述べた。

全家族が、家屋に対しての空爆か村々への空襲を逃れる間にその乗物に

対しての空爆で殺された。

アムネスティインターナショナルによれば、イスラエルの爆撃が続いた

ことで赤十字や他の救助隊がそのエリアへ近づくのを止められたので、

多数が何週間も家屋の瓦礫の下に埋められたままおかれた。

「2006年7月12日から8月14日の間にイスラエル空軍はレバノ

ンの約7000の標的に7000以上の空爆を加えた。その間に海軍は

追加の2500の砲撃を行った」とアムネスティインターナショナルは

付け加えた。

当時の事務総長コフィ・アナンが「ひどく不釣り合いな軍事力の使用」

と呼んだレバノンにおける生命とインフラの破壊に関して、人道主義の

指導的立場にある国連とその救済機関は憤慨した。

ニューヨークが活動基盤のヒューマンライツウオッチ( HRW)は、レ

バノンの人が多くいるエリアでクラスター弾薬を爆発させる大砲を使用

したことでイスラエルを非難した。

「一般の民間人のまわりで使ったとき、クラスター弾薬は容認できない

ほど不正確であてにならない武器だ」と HRWの専務理事ケネス・ロス

は言った。「人が多くいるエリアではクラスター弾は絶対に使われるべ

きでない。」

当時の国連緊急救済調整官ヤン・エゲランドは、「伝えるところによれ

ば負傷者と殺された人の三分の一が子どもと女性であるのを考えると、

これは武装したグループ(ヒズボラ)と彼らがイスラエルの民間の全住

人に対してしてきたことへの報復の範囲をはるかに超えて進められた」

というのを引用した。

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■レバノンは劣化ウランの実験場■スコットランド・インディメディア

by ローレン・モレ

レバノン政府発表の、イスラエルの攻撃によってレバノン国内の目標が

どれほどの量とどんな種類の爆発物で攻撃され、インフラ(基礎基盤)

がどう破壊されているかを図で示したものがイタリアのジャーナリスト、

リリアナ・ボウルガニャから送られてきた。 7月のイタリア滞在中、私

が TV映像から観測していたのと同様の観察結果が元米陸軍軍医少佐ダ

グラス・ロッキ博士(現在アラバマ州ジャックソンヴィル州立大学教授)

から寄せられた。

破壊に使用された兵器の種類をここに示すことにする。

◇クラスター爆弾

イラクで「劣化ウラン弾」の後処理にあたったロッキ博士が、イスラエ

ルが使用している「クラスター爆弾」は「GBU ― 28(ママ)」と断

定。イスラエル戦闘爆撃機はベイルート市街、飛行場、レバノン南部で

対戦車攻撃に105〜120mm劣化ウラン弾を使用している(イタリ

アの他にBBCもこれについて報じている)。

◇イスラエルの地対空、空対地ミサイル

おそらくは劣化ウラン弾を装着している。

◇白リン兵器と「 Directed-Energy Weapons」

レバノン南部で使用されたとされる白リンの生物兵器は、人を即死させ

ないが、急性疾病を起こさせる。また遺体が「極度に萎縮した形態」を

示すとの医師団からの報告から、「 Directed-Energy Weapons」の使

用が疑われる。この DEW兵器として主に「マイクロ波」を発する兵器

が疑われる。レバノン南部で使用されたとされる生物兵器としては、白

リンの他に「糜爛性マスタード爆弾」が考えられる。

◇毒性化学物質

劣化ウランガス、放射性毒ガス

新たな戦争は「新兵器の実験場」であると同時に「旧式兵器の廃棄場」

にもなっている。現段階で地球の大気まるごとが、ユーゴスラビア、ア

フガニスタン、イラクで使用された「劣化ウラン」のガスで覆われてい

る。現在、わかっているのは、使用された「劣化ウランの雲」が、ほぼ

7〜9日前後で地球全体を覆うという事実である。それはイギリスの大

気調査で確実になっている。

「劣化ウランガス」は急速に世界の空を覆い、乾燥地帯特有の「砂嵐」

や「チリ嵐」はもちろん、熱帯地方の偏西風、貿易風、大循環によって

運ばれた。

地球というこの小さな惑星は、劣化ウランの毒性ガスが他の要因と重な

って、恐竜が死滅した時期を思わせる危機にある。アメリカとイギリス、

それにイスラエルが加わって、いまや地球全体を「アウシュヴィッツの

ガス室」を思わせる危機に追い込んでいる。

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■イスラエルがレバノンで濃縮ウラン入りの新型爆弾を使った■

インディペンデント紙(記事より抜粋)

昨年10月28日、英インディペンデント紙は、イスラエルが2006

年7月から8月にかけてレバノンを攻撃した際に、濃縮ウランを原料に

した新型爆弾を使用した可能性があると報じた。

イスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍の激戦地となったレバ

ノン南部のヒアムとアト・ティリの2カ所で、イスラエル軍に爆撃され

た現場から集めた土壌サンプルに基づき専門家が指摘している。

「欧州放射線リスク委員会」(欧州議会の決議に基づいて設置)のクリ

ス・バズビー事務局長は、土壌分析を基に暫定報告を出し、高度の放射

能が検知されたと指摘。新しい小型の核分裂装置による兵器が使われた

可能性とともに、地中貫通型爆弾「バンカーバスター」用として、劣化

ウランの代わりに濃縮ウランを使用した可能性を示唆した。

土壌サンプルは分析のために英オックスフォードシャーにあるハーウェ

ル原子力研究所に送られ、そこでも濃縮ウランが確認されたという。

バズビー氏は、地元住民の健康への影響について「非常に重大だと思わ

れる」と懸念。「除去作業を視野に入れつつ、兵器の痕跡についてさら

なる調査をするよう勧告する」と述べている。

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■イスラエルのレバノン侵略に関する声明■ IADL(国際民主法律家協

会) Jitendra Sharma 会長 ジャンヌ・ミラー事務総長

29 July 2006

IADLは、即時無条件停戦を要求しイスラエルの国家テロリズムと犯罪

を糾弾する。

IADLは、全世界に加盟国を持つ非政府組織であり、ECOSOCの諮問機

関である。われわれは、主権国家レバノンに対するイスラエルの継続的

な攻撃を国連憲章第2条をはじめとする国際法違反として徹底的に糾弾

する。

◇イスラエルは3週間以上にわたって、レバノン国民に対して容赦ない

攻撃を続けている。海上を封鎖し、首都ベイルートを壊滅させ、国際空

港や幹線道路など生活基盤も破壊した。現在は南部の村々を占拠している。

イスラエルの指導者たちは、レバノンへの攻撃は「慎重かつ限定的」で

市民を標的にはしていないと主張しているが、結果は見てのとおりだ。

7月24日現在、レバノン側の犠牲者はイスラエル側の約10倍であり、

大半は一般市民である。100万のレバノン国民の4分の3が家を追わ

れた。イスラエル軍が化学兵器を使っていることは医学的な証拠により

明らかである。ジュネーブ協定違反のクラスター爆弾や白リン弾も使用

している。

イスラエルの一般市民への攻撃は、ジュネーブ条約、 ICC ローマ協定

などの国際法に反する戦争犯罪である。イスラエルはいまやレバノンと

ガザにおいて人道的危機を引き起こしている。

◇ IADLは、2006年7月16日付の声明に加えて、即時停戦および

レバノンの独立主権国家としての立場を守る解決策を当事者主体で探る

ことを要求する。 IADLは、即時停戦を妨げる米国の介入を糾弾する。

ライス国務長官は即時停戦を「偽りの約束」としたが、それは米国とイ

スラエルの国益に反するという意味にすぎない。米国は、イスラエルが

少なくともあと一週間攻撃を続けることにゴーサインを出した。また、

イスラエル軍に武器を供給することによって明らかに攻撃に加担してい

る。この2、3日、イスラエルの要求に応えて精密誘導爆弾を送り込ん

でいる。米国のこのような行動は「新しい中東」をつくり出す作戦の一

つである。

◇ BBCが「忘れられた前線」と呼ぶガザへのイスラエルの侵攻には終止

符が打たれなければならない。しかし、イスラエルのレバノン侵攻以来

1カ月間に100人以上のパレスチナ人が命を落とし、その3分の1は

子どもである。

◇2人のイスラエル兵が捕虜というレバノン攻撃の当初の口実は、ほと

んど姿を消した。イスラエルと米国は、捕虜となったイスラエル兵をイ

スラエルに捕らえられた囚人と交換すべきだとする交渉の選択肢を拒否

し、無視している。

◇ IADLは、即時無条件停戦とレバノンの独立と主権を護るための解決

を求める。イスラエルは即刻レバノンの封鎖を解き、人命救済へのルー

トを開けよ。 IADLは、イスラエルが犯した戦争犯罪、国際人道法違反

について、国際的な取り調べを要求する。また、レバノン、西岸および

ガザの住民を守るための国連部隊の展開を求める。イスラエルは即時停

戦した上で、これら地域から撤退し、国連部隊の安全を保障しなければ

ならない。

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■命をおびやかすクラスター爆弾■アムネスティインターナショナル

イスラエル軍によって投下されたクラスター爆弾の不発弾が、レバノン

市民、特に子どもの生命をおびやかしている。

投下した衝撃では爆発しないクラスター爆弾の「子爆弾」。今回の紛争

でレバノン国内の400カ所以上にクラスター爆弾が投下され、不発弾

は10万個以上と言われている。不発弾は村のあちこち、ときには家の

中にまで散乱し、なにもわからないまま拾おうとした市民、特に幼い子

どもが次々と負傷している。

現時点でイスラエル政府は、クラスター爆弾による攻撃を行った地域の

地図を提出するよう求める、国連の要請に答えていない。

爆弾の除去作業を進め、これ以上の死傷者を出さないためには、イスラ

エルによる地図の提出が不可欠である。


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