■ショーン・ペンの戦争:腰巾着メディアはイラクの混乱を支援■

ABCNews 20 March 2008 byスーザン・ドナルドソン・ジェームズ

米国のイラクでの困難な状況を告発する新作ドキュメンタリーで俳優が

ナレーターをつとめる

ケネディ以降、米国の大統領は戦争を行うため国民を操作してきている

という、新しい反戦ドキュメンタリー映画のナレーターを政治活動家に

なった俳優・監督、ショーン・ペンがつとめる。

気持ちをたかぶらせるドキュメンタリーは、米国のイラク侵略5周年と

同時に現れ、主流メディアが戦争のチアリーダーだったと断言する。今

週の国防省の数字によれば、その戦争は3980人の命を犠牲にしてき

ている。

2003年の映画「ミスティックリヴァー」で最優秀主演男優賞を受賞

したスターは率直な戦争批判者で、よく戦争のことを「ダンテの地獄編」

と呼んできた。

「 War Made Easy(戦争が簡単になった):大統領とお偉方がいかに私

たちを死へと転がし続けるか」は、今週、家庭のエンターテイメント、

アマゾンや Best BuyやNetflixといった配給業者向けに発売されている。

映画は土曜日、ニューヨークシティでプレミア上映される。

47歳のショーン・ペンは二度イラクに行っている。2002年12月、

ブッシュ政権が声を大にして戦争を唱えて進み出る直前と、サンフラン

シスコ・クロニクル紙の特派員としてだ。

ロレッタ・アルファーとジェレミー・アープによって書かれ監督された

映画は、第二次世界大戦からイラク戦争までの公記録にある場面で組み

立てられる。2005年、公共精密度協会の創始者で専務理事のノーマ

ン・ソロモンによって書かれた同名の本をベースにしている。

・ほかにはだれも行くガッツがない

「ほかに行くガッツがある人がいなかったとき、私はだしぬけにショー

ン・ペンを招待した」と、ソロモンは ABCNEWS.comに語った。「映画

の仕事をしてたとき、彼に連絡すると彼はまったくためらわなかった。

彼の時間と仕事と評判を寄贈してくれた。」

ショーン・ペンは、ハーヴェイ・ミルクの人生にまつわる映画の製作に

加わっているためコメントは入手できなかった。彼の宣伝係、 IDパブリ

ックリレーションズのレイチェル・カルテンが ABCNEWS.comに語っ

た。俳優は、ガス・ヴァン・サンドが監督する伝記映画でサンフランシ

スコの1970年代のゲイ政治家を演じることに本腰を入れて向かい合

っている。

ハリウッドで、ショーン・ペンは強さを増す政治的影響力を持つ人物だ。

ショーン・ペンのルーツを考慮に入れると、これは驚くにはあたらない。

彼の父親、俳優で監督のレオ・ペンはヨゼフ・スターリン支持のせいで

1950年代ブラックリストに載せられた。

1982年の映画「初体験リッジモント・ハイ」でアホを演ずる青春時

代から、1995年「デッドマンウォーキング」での死刑囚、1998

年反戦映画「シンレッドライン」でのエディ・ウォルシュ軍曹のように、

ショーン・ペンはもっと大いに議論を呼び起こしそうな役柄を演じてき

てる。

2005年ハリケーン・カトリーナの最中、ニューオーリンズでの救助

の求めにショーン・ペンは応えて、文字取り人々を水から引っ張り上げ

た。一年前、ブッシュ大統領と彼の戦争の取扱いに批判的だったカリフ

ォルニアでのタウンミーティングをペンが主導して、世間の称賛と嘲笑

の両方を引き起こした。

UASトゥデイの報告によると、戦争を批判するワシントンポスト紙の広

告にペンは5万6000ドル払ったことがあった。彼はまた、カトリー

ナの取扱いとイランに向けた「扇動的なレトリック」に対してブッシュ

にけしかけ困らせた。

「あなたとあなたのお世辞たらたらで鼻につくお偉方ーそしてあなたが

思うとおりに使うお偉方ーは、あなたの戦争をわがものとし、無理やり

押し進めることができる」と当時、ペンはサンフランシスコクロニクル

紙に語った。「この戦争を止めるのみならず、またこの政権に説明する責

任があると主張することで団結しよう。」

映画を製作して世界中に配給しているメディア養成財団の天賦の才のあ

る理事アディ・ビーマクによると、「戦争が簡単になった」に対する反応

は順調だ。

プロジェクトはまた、俳優マット・デイモンからも支援を受けている。

彼は映画のクレジットで財団の「友人」として列挙される。

「私たちの作品を支援してくれている友人全員に感謝します、そして支

援とは実際にネットワーキング、イベント主催、寄付をするなど、あら

ゆる種類の手段を意味します。」とビーマクは言った。

・遺憾な代価(犠牲)または死者、負傷者

サダム・フセイン政権を駆逐するためのアメリカの作戦「衝撃と畏怖」

から5年、防衛省によれば、今なおイラクには15万9000人の部隊

がいる。軍人の死者に加え、概算2万9275人が負傷してきている。

だが最大の犠牲は、ブルッキング研究所によると8万1964人から8

万9448人が死んだ、一般のイラク人市民である。

映画によると、最大の戦争の代価のひとつは、その政権に真実を話す能

力があるかで世間の信頼の喪失と、御しやすい法人メディアの世間の信

頼の喪失だった。

ノーマン・ソロモンの細部まで正確な調査と、第二次世界大戦からヴェ

トナム戦争、パナマ侵攻、グレナダ侵攻、ボスニア戦争、そして二つの

湾岸戦争と、めったに見られない公記録のニュースフィルムが、政治家

の戦争の正当化をメディアが反芻する状態を分析する。

ジョン・F・ケネディからロナルド・レーガン、ジョージH・W・ブッ

シュ、ビル・クリントン、ジョージW・ブッシュまで、ジミー・カータ

ーを除くすべての大統領が、彼らの戦争レトリックのせいで非難を受け

ることになった。だが、ソロモンは、政府の戦争のスローガンを大声で

広く吹聴したニュースメディアにいっそうきびしかった。

CBSがヴェトナムで任務を帯びた飛行での取材記者の感応を場面の記録

にとどめたとき、ソロモンが「ジャーナリズムの守護聖人」と呼ぶウォ

ルター・クロンカイトでさえ攻撃を免れなかった。クロンカイトは兵器

類と米軍の優勢に驚嘆する。

イラク戦争のプレス報道を分析するソロモンは、ドナルド・ラムズフェ

ルド国防長官が部隊で抱き込むように取り囲むことを500人のジャー

ナリストに求めたとき、ラムズフェルドによる良好な関係を促進するた

めの広報活動の主人風を吹かせる横柄な使用目的を指摘する。そうする

ことで報道機関は、犠牲者ではなく、「攻撃者」の見方だけを説明した。

自分は反戦論者ではないとソロモンは強く主張する。「戦争が正当だった

なら、それについて政府はウソをつく必要はない。」

イラクには大量破壊兵器があるとの、今はウソを暴かれるブッシュが唱

えたマントラを観客に思い起こさせる、映画のなかのソロモンによると、

「非常に長く続いても国民は第二次世界大戦を支援した、というのも国

民は戦争がウソに基づくものだとは一度も感じなかったからだ」

映画の思わず動かされるシーンのひとつは一度も見たことがない911

の3日後の場面でカリフォルニア選出の民主党下院議員バーバラ・リー

がアフガニスタンで差し迫った戦争に反対してはっきりしゃべる。テロ

リスト攻撃の感情的余波のなかで、彼女は議会で権限を授与することに

反対するたったひとつの票を投じた。

・速記者としてのジャーナリスト

アメリカ人が「メディアに堪能であること」を学べ、ニュースに関して

より批判的な消費者になって主流の情報源以外にも視線を向けられるこ

とを期待して、「戦争が簡単になった」は国のあちこちの学校に配給され

ると映画の配給会社は主張する。

また、権力の制御に挑む手堅い調査報道に戻れとソロモンはメディアを

激励する。今日、彼らはただの「ワシントンの戦争屋の速記者」だと彼

は言った。

「ジャーナリストはごまかし(策略)に勝りたがるが、のっぴきならな

い危険な立場にはなりたがらないしプロとしてのリスクを覚悟でやって

みない」とソロモンは言った。どの時代にも偉大な記者はいるが、一般

に認められた分別の海に圧倒されて手も足も出なくなる優良なジャーナ

リズムという島なのだ。」

「戦争に対する正真正銘の代案(他に採りうる道)を与えられることが

デモクラシーへのアピールだ」と彼は言った。「ジャーナリストは反撃す

る必要があり、社会は社会そのものに挑戦する必要がある。」

しかしながら、メディアリサーチセンターの研究専門管理者リッチ・ノ

イエスは、プレス報道は次第にイラク戦争へと導くものというのに、そ

うではないと判断する。彼は3大ネットワークに関する5年の研究を発

表したばかりだ。

「戦争の流れを止めるのにメディアは十分でなかったと左派は主張して

いる」と彼は ABCNEWS.comに語った。「だが、聞かれた質問、書かれ

た記事、放送されたニュースにさかのぼるなら、きわだった懐疑論、反

対者の報道取材の規模、敵対するニュース報道取材さえもある。」

最も果敢な(すごくいい)のは ABCニュースのピーター・ジェニングス

だったとノイエスは言った。「私たちにはその文章の一節、引用文の一節

がある。」

メディアの攻撃にもかかわらず、メディアは歴史的に「リベラル偏向」

だとノイエスは言った。

ノイエスによると、戦争開始以降、メディアはより反政府でもあった。

アブグレイブ刑務所での虐待のようなスキャンダルの報道取材がある、

2004年までには、ネガティブな記事が「名誉勲章の受勲者や銀星章

の報道取材をずっと上回った」と彼は言った。

「報道取材範囲のおびただしい数が、匿名としての兵士たち、もしくは

悪事をしでかす政策か悪行の犠牲者を見せた」とノイエスは言った。

「この種のバッドニュースは国のモラルを傷つけた。」

ノースイースタン大学のジャーナリズムの准教授アラン・シュローダー

は、マスコミ(記者)独自の調査による報道は今日、活力に満ちていな

いし、十分でないと ABCNEWS.comに述べた。法人勢力が独立系メデ

ィアを大量に失わせてきていると彼は心配する。

「独自の調査による報道にはうんと時間がかかる、毎日のニュースを生

産しないし、財政上の投資を必要とする」と彼は言った。「ジャーナリズ

ムはビジネスであり、市場(中心地)のあわただしさ全体に服従する。」


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