■レバノンはどうなっているか■デモクラシーナウ! 12 May 2008

米国に支援された親政府軍とヒズポラが衝突して レバノンで81人が死

にました。

「これは、米国が根本的に内戦を起こさせてそれに資金を供給している、

スーダン、パレスチナ、イラク、アフガニスタン、そしてソマリアで起

こっていることと非常によく類似している」と As'ad AbuKhalil教授は

言います。

本日のゲスト: As'ad AbuKhalil、カリフォルニア州立大学の政治学教

授で、 Angry Arab News Serviceというブログの創設者。

angryarab.blogspot.com

エイミー・グッドマン(以下、 AG):レバノンでは先週水曜からヒズボ

ラ率いる反対グループと米国支援の親政府軍との間の武力衝突が少なく

とも81人の死者を残し、多数が負傷しています。レバノン国軍に統制

手段を譲り渡す前、反対勢力が親政府民兵を圧倒して、先週末、首都ベ

イルートの大部分を占有しました。

週末にかけて戦闘はレバノンの北と東に移行しました、そして新たな衝

突が今朝、ベイルートで報告されています。その間に、アラブ同盟は各

方面からの指導者との対話にハイレベルの政治代表団を送ることで同意

しています。

生活費の高騰に抗議して労働組合の総連によって呼びかけられる先週の

ゼネスト期間中に勃発した内戦以来、暴力は最悪と説明されてきていま

す。

レバノンの力関係で「新時代」の幕開けと彼が呼んだものをはっきり示

すため、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスラッラーは木曜、ベイルート

で記者会見を開きました。ヒズボラの遠距離通信網を非合法化し、真偽

の疑わしい党との結びつきのせいで空港警備のボスを解雇するとのレバ

ノン内閣による決定を彼は非難しました。彼らの私設通信網は戦闘でき

わめて重大な道具だった、2006年7月のイスラエルとの戦争の間の

成功に決定的だったとナスラッラーは言いました。政府の断固たる措置

を「宣戦布告に等しい」と彼は説明しました。

ハッサン・ナスラッラー:この危機から逃れたいなら、この距離を置く

こと、この対峙から出たいなら、推論を誤った政府の決定を取り消す必

要があり、対話に訴える必要がある。それだけの話だ。頑固になりたけ

ればどこか他へ行くことだ。ゲームは非常に危険である。この国を保護

することに偽りなく熱心なら、彼らにはこの2つの解決策しかない。

AG:コンドリーザ・ライス国務長官はヒズボラを非難して、シニオラ首

相が率いるレバノン政権への米国支援を宣言しました。でも、戦闘から

4日後、シニオラは抵抗をやめて土曜日、ヒズボラの要求はいまレバノ

ン国軍の管理でお膳立てされるとみなす決定を発表しました。軍司令官

ミシェル・スレイマン将軍はレバノンの新大統領になるはずです。

レバノンにおける情況の分析で、カリフォルニア州立大学の政治学教授

As'ad AbuKhalilにカリフォルニアから電話で参加してもらいます。

ようこそ、デモクラシーナウ!へ

AS'AD ABUKHALIL:エイミー、どうもありがとう。

AG:たったいまレバノンがどうなっているか説明していただけますか?

AS'AD ABUKHALIL:それでは1980年代にさかのぼり、1982

年から84年まで軍を展開させた米国政府、ロナルド・レーガン政権の

2年間が人々の記憶にあればと私は考えます。そしてそれは内戦でした、

そして米国はレバノンの右翼のイスラエル民兵組織を支援していました。

彼らはレバノンの中央政府を支援するという話法を使いました。

同様のことがたったいまレバノンで実行されています、そしてこれはス

ーダン、パレスチナ、イラク、アフガニスタン、そしてソマリアで起こ

っていることと非常によく似ています。米国は根本的に、このどこでも

内戦をけしかけて、それに資金を提供し、武装させています。武装する

民兵を大目に見る国際社会の無力ということで私たちは批判をたくさん

聞かされます。もちろん、ヒズボラは武装民兵ですが、政府の親民兵も

またそうです。レバノンの国中くまなく民兵を作り出すことで、米国と

同盟国による骨折りを詳細に述べる記事が本日のロサンゼルスタイムズ

紙にあります。そしてワシントンポスト紙は、この米国の政府がレバノ

ンのシニオラ執行部を助けるのに14億ドル費やしたと指摘しました。

そして、ここ数日レバノンで起こったことは本質的に、裏の事情のわか

る立場から米国とサウジアラビアとイスラエルによって巧みに計画実行

され、ラフィク・ハリリ首相の暗殺を利用する、2005年にさかのぼ

る全面的なクーデターに応じた、不完全なクーデターです。

そして、アメリカが根本的にレバノンの依頼人よりもずっと原因である

ことから、事態がいざというときになっています。レバノンには対話と

いう考えがあり、物事がその方向に動いていました、ところがこれいか

に、突然、合衆国の近東国務次官補のデイヴィッド・ウェルチがレバノ

ンにあらわれて、彼は依頼人の決意を本質的に硬化させ、対話の可能性

のじゃまをしたがったのです。そしてそれから米国とサウジアラビアと

今日のレバノンの依頼人のひとり、 Walid Jumblattが、ヒズボラの武装

解除を争点にすると決めることでエスカレートさせます。ヒズボラは少

なくとも、ヒズボラ武装解除の争点は国内のレバノン人自身の対話に残

されるべきと同意する、レバノン人と米国の依頼人を含めるレバノンの

政党の半分に支持されます。

物事の終わりにさっそうと入るとはいえ、ブッシュ政権はどうもイラク

でも他の国でも長いことかわされてきている勝利を遂げたがっているよ

うです。レバノンのシーダー(ヒマラヤスギの一種)革命とやらを祝っ

ていた彼らは、ワシントンポスト紙のレバノン事件に興奮しすぎでした。

それはともかく、彼らはもっと目立たせようとしました、それがこの事

態です。これは専門家たちが国連に警告してきたことです。事態をあそ

こまで後押しすると、反対側が激しく非難することになる、そして彼ら

は激しく非難した、私のような人間でも、この民兵らと武装した凶悪犯

どもがベイルートの通りで衝突するシーンは好きではありません。でも、

本質的に私たちは、これが米国の外交政策の実行だと言わざるを得ない

し、これが中東でのブッシュ・ドクトリンの真のあつかましさです。

AG:たったいま、あなたが米国の役割はこうあるべきと感じる、米国に

ついて、全体的にお話しいただけますか?

AS'AD ABUKHALIL:去ること、重くかかわり合うなということです。

イラクのアンバル州とかイラクにいる民兵に資金供給することと武装さ

せることだけが米国の政策ではないと私たちが気づく必要があります、

アフガニスタン、軍閥、あるいはレバノン、さまざまな民兵という意味

です。だが、レバノンが一度も経験したことのないものに匹敵する、こ

の激しい緊張と争いと強い憎しみの度合いは、スンニ派対シーア派の争

いをけしかけるアメリカとサウジのたくらんだ政策の産物です。私のよ

うに、母がスンニ派、父がシーア派と、仲違いするバックグランドから

生まれた者でさえ、このようなものは経験したことがないという意味で

す。米国の全面的協力を有するサウジのメディアは3年におよびレバノ

ンの反対勢力を戦時体制にすることに従事してきています。他にないか

らです。もし愛国心が悪党の最後の隠れがなら、レバノンの宗派心(セ

クト主義)は米国とイスラエルの悪党どもの最後の隠れがだということ

です。ヒズボラに耐えられる民兵を生み出すために、彼らは重大な宣伝

をすることでシーア派からスンニ派を分離させることになっているので

す。

さて、米国によって支援され、サウジアラビアによって資金供給される

ヨルダンで訓練されたこの前首相ハリリの民兵は、根本的に続きません

でした。それはパレスチナ、ガザのダーラン団に非常によく似ています。

彼らには大義がありません。米国は彼らに武器と金は提供できます。ド

クトリンやイデオロギーを提供することはできません。そして無理やり

押し込めば彼らは逃げる。彼らは自分の命のために逃げます。2000

年にイスラエルが南レバノンを攻撃して屈辱的に去ったとき、まさにイ

スラエルの民兵が国境の彼方に逃げたようにです。

AG: AbuKhalil教授、30秒あります。次はなんでしょう?これがレバ

ノンの力関係の新時代であるとのハッサン・ナスラッラーのコメントを

どう理解しますか?

AS'AD ABUKHALIL:根本的に、レバノンでのサウジによる圧政的な

役割を彼らはもう許さない、そして現場での力のバランスを変えたいと、

彼は言っています。そのこと自体はレバノンの未来にとって吉兆ではあ

りません。レバノンのストリートでの勝利とやらで、ヒズボラが酔いし

れすぎるのではないかと私はびくびくします。そして彼らが反対側を挑

発することになる宗派心のアジェンダを断言するかもしれないとびくび

くします。私はレバノンのスンニ派の中の「聞こえない」一連の徴候が

心配です。

AG:ご一緒してくださったことに感謝したいと思います。

As'ad AbuKhalil教授は、カリフォルニア州立大学で政治学を教えてい

ます。 UCバークレーでは客員教授です。

http://www.democracynow.org/2008/5/12/81_dead_in_lebanon_as_hezbollah


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