今年5月15日はイスラエルが建国されて60周年でした。イスラエル

人にとってはイスラエル国家誕生の祝賀日でしょうが、強制退去させら

れ、わが村、わが町を奪われた75万人以上のパレスチナ人にとっては、

「ナクバ」もしくは「大惨事」と呼ばれる日です。

民主党大統領候補のヒラリーもオバマも、最近のイスラエルの急襲を支

持すると表明しています。

同時に、イスラエルの金と支持がないとアメリカの大統領にはなれない

と言われます。

最近の BBCニュースに、ガザの女子生徒たちがイスラエルの基準に抗議

している記事がありました。彼女たちは、「乱打され、極貧に苦しめられ

るガザは、平和のパートナーにはなれない」と訴えます。

アムネスティインターナショナル、 Save the Children、Caford、ケア

インターナショナル、クリスチャンエイドが含まれる、 UKに拠点を置

く人権と発展の団体は、ガザの人道上の情況は、1967年にイスラエ

ルが自治区を占領して以来、最悪だと述べています。

=======================================

■恥ずべき人権犯罪行為■ ガーディアン紙 8 May 2008

ガザの人びとがあれほどまで無慈悲に扱われているのに、世界はのらく

らしたままでいるのをやめなければならない

by ジミー・カーター

世界はガザのひどい人権犯罪行為を目撃している。そこでは150万の

人間が外の世界と接触する手段をほとんど持たずに閉じこめられている。

全人口が容赦なく懲らしめられている。

2006年にパレスチナ当局(暫定自治政府)議会の議席の大部分でハ

マスを代表する候補者が勝利した後、ガザのパレスチナ人に対するこの

けったくそ悪い虐待は、米国を味方につけるイスラエルによって劇的に

エスカレートしてきた。この選挙は、あらゆる国際的なオブザーバーに

よって、異口同音に正直で公正であると判断された。

イスラエルと米国は、ハマスとファタハで一致団結の政府を形成するパ

レスチナ人の権利を受け入れることを拒否して、今は内部の争いの後に

ハマスが単独でガザを支配する。ヨルダン川西岸地区で暮らす、選挙に

当選した43人のハマス候補者のうち、41人がイスラエルによって投

獄されてきている、短命の連立政権で地位に着いた追加の10人がこれ

に足される。

占領されたパレスチナ自治領内のファタハとハマスとの党派闘争で人の

選択(ハマスを選んだ)におかまいなく、経済制裁と水、食料、電気、

燃料などの供給制限が、その約100万人が難民の、罪のない人びとの

間に極端な難儀を引き起こしていることを私たちは思い起こさねばなら

ない。

戦闘員(=闘士)と罪のない女性や子どもたちの双方で高い犠牲者を出

しているイスラエルの爆撃とミサイルが周期的にその地区を攻撃する。

大いに公表された先週の女性とその4人の子どもたちの殺害より前に、

B'Tselemからの報告によってこのパターンは明らかにされていた。

B'Tselemは2月27日と3月3日の間にパレスチナ人106人が殺され

たことで活動を開始したイスラエルのすぐれた人権団体だ。106人の

犠牲者の54人が一般市民だった、そして25人は18歳未満だった。

中東を巡る最近の旅で、私はこの危機に関していっそう多い理解を得た

いと試みた。私の訪問先のひとつは、近くのガザから発射されるロケッ

ト弾がよく着弾するイスラエル南部の2万人ほどのコミュニティ、スデ

ロットだった。過去7年間の13人の犠牲者の大部分が非戦闘員であっ

たうえは、言語道断なテロ行為として私はこれらの攻撃を非難した。

続いて私は、ガザの代表団とダマスカスの高官ら、ハマスの指導者たち

と会った。私は同じ非難を彼らに対してした、そして長期間ガザとガザ

周辺のすべての戦闘行為を終わらせるための合意をイスラエルと画作す

るか、または一方的な停戦を宣言するよう促した。

彼らによる過去のそのような行動は報われなかったと彼らは返答した、

そして以前にハマスが、イスラエルが拒否した停戦をガザとヨルダン川

西岸を含めるパレスチナ全域に迫ったことを私に想起させた。当時ハマ

スは停戦合意の人民提議をガザに限定させた、これもまたイスラエルが

拒否した。

双方の側から聞こえる、聖地に平和がないための非難を心配する熱烈な

議論がある。イスラエルはパレスチナ人の領土であるヨルダン川西岸を

占領して植民地にしてきている。国際社会によって認められるように、

そこはイスラエル国家のおよそ四分の一の大きさだ。あるイスラエルの

宗教派閥は、ヨルダン川の両側の土地の権利を主張する。他には「安全」

のために50万人の人口に205の入植地が欠かせないと主張する。

もしイスラエルが解決のカギとなる国連決議に従うなら、イスラエルを

認めることにすべてのアラブ諸国が同意してきている。パレスチナ当局

(暫定自治政府)アッバス議長とイスラエルのオルメルト首相とのあい

だで取り決められたどんな平和解決も受け入れることで、ハマスは同意

してきている。パレスチナの人びとの住民投票でそれが承認されたとの

条件で。

これには進歩の見込みがある、だが、昨年11月アナポリスでの和平協

議でそっけないファンファーレと前向きな声明にもかかわらず、和平プ

ロセスは後退している。9000戸の新たなイスラエル人住宅一式がパ

レスチナで発表されている。ヨルダン川西岸内の道路封鎖の数はますま

す増加している。そしてガザの締め付けは、きつくなっている。

ひとつには他の指導者たちが非常に重要な和平交渉で米国に譲歩するこ

とがあるが、罪のない人びとがあれほどまで無慈悲に扱われているのに

世界がのらくらしたままでいてはいけない。ヨーロッパ、米国、イスラ

エル、そしてどこか他の多数の声が、パレスチナ人に降りかかってきて

いる人権の悲劇をとがめ、これをはっきり遠慮なく話すときである。

▲米国の元大統領、ジミー・カーターはカーターセンター創設者です。

The Carter Center: project-syndicate.org


♯お知らせ♯

きままなブログを始めました。よりのんきでよりビジュアルな内容に

なっています。こちらもごひいきに。

http://tequilamama.blogspot.com/