■航空母艦の配備はイランに思い出させるための合図だと、ゲイツ■

UKガーディアン紙 1 May 2008   by Julian Borger

ロバート・ゲイツ米国防長官は昨日、湾岸への2隻目の航空母艦の配備

は、湾岸地域の利益を守るとのアメリカの決意をイランに思い出させる

合図として役割にかなうものだと述べた。

新たな母艦の到着がエスカレーションを意味するのをゲイツは否定して

湾岸における米海軍の兵力はおきまりの海軍配備で絶えず増減すると

指摘するが、イラクの反乱行為でのイランの役割についてワシントンか

らのレトリックは絶頂となる。

次には、暴徒から押収されているといわれる真偽の疑わしい最近のイラ

ン製武器を、展示して見せる覚悟がバグダッドの米国当局者らに求めら

れる。

CBSニュースは、ペンタゴンが司令官らにイラン攻撃のための新たなオ

プションを探れと命じてきており、国務省がイラクに武器を密輸するの

を止めろとのイランへの最後通牒を公式化してきていると報じた。

ここ数日、政府高官らはイラクでのイラン人の役割についてあてつけた

一連の批判をしてきている。ゲイツ自身はこう主張した。「イラン人たち

がしていることは、イラク内の米兵と女性を殺すことだ。」

メキシコ訪問中に国防長官は、空母配備がワシントンからのレトリック

と互いに整合的に作用されたものかどうか尋ねられた。彼はこう返答し

た。「エスカレーションとはみなさない。もっとも、思い出させる合図と

みなされてよいものだと思う。」

ウラン濃縮でその作業を一時停止するイランへの譲歩を話し合う、国連

安保理の常任理事国5カ国とドイツの大臣らの会合直前に、このイラン

への不愉快な脅し文句が出てくる。

譲歩に集中するのは、安保理にはイランに対するさらなる制裁に十分な

支持がないとのロンドンとワシントンでの認識を反映する。しかしなが

ら、軍事応用しないテクノロジーに基づく核エネルギー計画の樹立を手

助けし、戦略的問題という範疇で米国を直接口説き落とそうとしない、

経済的譲歩が含まれる新たなパッケージは、目下検討中のものから異な

る見込みはありそうもない。

安保理当局者らは昨日、高めるというよりはむしろ「リフレッシュ」さ

れる譲歩に置き換えて話した。これまで課された制裁以上のインパクト

があると考える外交オブザーバーはほとんどいない。

核計画は純粋に平和的なエネルギー産出に指定されるとテヘランは強調

し、開発を追求するための権利内にあるものだと主張する。今月初頭、

イランのマフムード・アフマディネジャド大統領は、パキスタンから購

入した以前のモデルより速くウラニウムを濃縮することができる新たに

アップグレードした遠心分離器、 IR-2を視察するため、Natanzにある国

の核施設を訪れることで安保理に大胆な彼の抵抗を表示した。

公式の映像で、イランの Mostafa Mohammad-Najjar国防大臣がこのツ

アーに参加するのを見ることができる。彼の参与は、計画はまったく平

和目的のみだとのイランの主張と矛盾すると非難した、ある西側当局者

によって強調された。

元 CIA上級職員で現証券アナリストのVincent Cannistraroは、2003

年以降イランの核兵器計画がずっと休止状態にあったとの昨年の NIE

( National Intelligence Estimate )の公表で解決されてきていない、

ワシントンからもたらされる相争うシグナルは、ブッシュ政権の長年に

わたる分裂を反映すると言った。ブッシュ大統領と、政権の相変わらず

のタカ派をいまも率いるディック・チェイニー副大統領によって、 NIE

は非公式に権威を認められていなかった。

「政権を離れる前に、この政権はイランに対して軍事行動を取らねばな

らないとチェイニーは考える。ゲイツは、公然とレトリックをそのまま

繰り返すが、彼はチェイニーの態度を支持しない」と Cannistraroは言

った。

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■戦争は石油で起こっている■ The Huffington Post   24 May 2008

by ジョー・ローリア

世界の文明人は石油を支えとする。世界は石油を使い果たしている。

われわれがどれほど終わりに近づいているか、石油会社や政府は真実を

伝えていない。チェイニーは、ハリバートンの CEOとしてロンドン石油

学会で演説した1999年当時に、石油のピーク時の供給について承知

していた。2010年にそれが来ると彼は予言した。そのあと、石油を

使い尽くすのは時間の問題だ。残存する石油を支配する者が、誰が生き

て誰が死ぬかに決着をつける。

この石油の60%がカンサス州の大きさの中東三角地帯内の領域にある。

スピーチでチェイニーは言った。「世界の石油、しかも原価の安い石油の

三分の二を有する中東は、究極の貴重な目的物がまだ眠るところだ」と。

この小さな中東のトライアングルは、クウェート、カタールとその首長

国といっしょに、サウジアラビア北東の油田とイラク、イラン南西部を

一周して取り囲む。米国はすでにイラクを支配する。他の国々は愛想の

よい友好的政府だ。

イランは例外だ。米国はいまイランを包囲する。

カンサスの大きさの地域を支配するのは米軍にとって難問であるはずが

ない。ただし、そこは人口が密集している地域で、三角地帯の人びとの

多くがアメリカ人にいて欲しくないので戦うつもりでいることを除いて

の話だ。

アメリカに代替エネルギー源が必要なことは、少なくともこの30年、

よく知られてきている。だが、ほかのもっとましなエネルギー計画の代

わりに、われわれは、死にゆくビジネスに執着するオイルメンによって

イラクに侵攻させられる。そして最後の一滴にしがみつくため、多数の

人びとを殺すのをいとわない。米国はその地域から決して離れていない、

またはイラクから一度も撤退していない。居つづけることではマケイン

は正しい、だが100年は長すぎる。石油は100年も長く続かない。

次はイランだ。リーバーマンは先週、ペトレイアスにつけいって、イラ

ンが支援するグループがイラクで何百とアメリカ人兵士を殺してきてい

ると証言させた。金曜日、ゲイツはイラクでのイランの影響力を「有害」

と呼んだ、そしてブッシュは、もしイランがイラクにちょっかいを出し

続けるなら「そのときはわれわれが彼らを処罰する。」と言った。彼らは

上院と国連での決議を用いた戦争の事情をでっちあげている。米国が占

領しなければならないのはイラクとの国境から150マイル入ったイラ

ン西部だけのはずだ。そこにイランの石油はある。だが、イラン革命後

30年のテヘランに傀儡みたいなイラン国王を復活させたにしろ、米国

はイランで卑劣な戦闘をもてあますことになるだろう。

サウジはイラン政権が消え失せるのを平気で見ているはずだ。だが、サ

ウジもまたリストに挙がるかもしれない。米国はいつかそのうちサウジ

アラビアもまた不安定にさせ支配を必要とするかもしれない。1970

年代のニクソン政権下で、キッシンジャーにサウジ油田の米国の侵略と

占領を立案する計画があったのを、数年前にウォールストリートジャー

ナル紙が暴いた。それらの計画が久しぶりに取り上げられかねない。

アメリカの石油戦争は、強みではなく、弱みから着手されてきている。

アメリカ経済はぐらついてきており、残存する石油の支配なしには崩壊

してしまう。アメリカのエリートにだけ十分な石油が残るとき、どんな

場合でも大規模なカオスになるはずだ。

どちらも核兵器を所有し、代替エネルギーを持たない、石油で餓死する

中国とインドをアメリカに屈服させるか戦争を始めさせることになる。

それはもう欲深いとかの話ではない。生き残りをかけて起きている。こ

の国の指導者らはあまりにも欲張りすぎて、石油からソーラー、風力、

地熱、他の再生可能な代替エネルギーに移行できないできた。おそらく

今となっては遅すぎる。イラク侵略と占領に注がれた何兆ドルもの大金

を他の再生可能な代替エネルギーに投入していたら、世界にはかすかな

望みがあったかもしれなかった。今となっては確信からはほど遠い。

確かなのは、これらの戦争が民主主義で起きるのではないことだ。大量

破壊兵器で起きるのではない。来るべき戦争もまったくイランの核兵器

プロジェクトで起きるのではない。石油で起きるのだ、バカが。

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