中南米で暗躍する「死の部隊」など、暗殺・拷問を教えるアメリカの軍
隊学校SΟΑは、殺しの強者をたくさん輩出してきた。下記にあるのは
SΟΑをウオッチする組織に送られてきた手紙である。

▼アメリカよ、あなたのことは知り過ぎるくらいよく知っている▼
Toledo Blade 28 May 2004
http://www.soaw.org/new/article.php?id=784

ブッシュ大統領が述べた数々のウソのなかに、バグダッドのアブグレイ
ブ刑務所における虐待は、「私の知ってるアメリカ」の仕業ではないと
いうのがある。
無数のアメリカ先住民虐殺から始まリ、大西洋奴隷貿易を通じてアフリ
カ民衆への壊滅政策や政府と共謀する自警団が実行したテロ行為に至る
まで、私の知っているアメリカは多くの場合、政府公認の虐待・殺人の
歴史に終始していた。 1882年から1930年の間にアメリカ南部の
10州だけで2805 人がリンチ集団の犠牲になっているという記録、
これも私が知っている アメリカの一部だ。
私が知ってるアメリカは、こんなこともしでかしている。少年エメット
・ティルへのリンチ(エメット・ティル殺害事件は1955年、シカゴ
からミシシッピ州を訪れていた少年の無残なリンチ殺人で、当時の公民
権運動の触媒となった出来事)、ソンミ村大虐殺、ハイチ移民の黒人ア
ブネール・ルイマへの拷問(1997年、ニューヨークのナイトクラブ
の外で逮捕されたルイマは、警官によって打ちのめされ、ほうきの柄で
ソドミー、異常性行為を行われた)。
私の知っているアメリカは、かつてスクール・オブ・アメリカ(SOA)
として知られた悪名高き Western Hemisphere Institute for Security
Cooperation (西半球警備協同機関)に金をつぎ込んでいる。そこでは
合州国や中南米諸国での数多く記録に残る人権蹂躙に加担してきた兵隊
たちに拷問技術が教え込まれている。
2002年ブッシュ政権は、国連主催の拷問を禁止する国際会議で激し
く抵抗した。また、テキサス州知事時代には、ブッシュはアメリカ史上
例を見ないそれは多くの囚人を処刑してきている。
アブグレイブ刑務所での虐待は、私が知ってるアメリカで、過去に行わ
れ、現在も実行され続けている人権虐待を確かに映し出している。
Renoir Gaither

アメリカの他国での人権蹂躙行為はイラクだけではなく、世界中で行わ
れ、今も進行中だった。そのひとつ、国民が合法的に選んだ大統領をだ
まして誘拐したハイチから。

▼母の日におばあちゃんが海兵隊に逮捕された▼ 13 May 2004
http://www.aristide.org/release/annetteauguste.htm

ハイチからの報道によると、5月9日真夜中過ぎに合衆国海兵隊が伝説
的なエンターテイナーで地域社会の指導者、ソー・アンことアネット・
オーガストの家を襲った。海兵隊員は小さな子供である4人の孫を含め
彼女の家にいた全員を逮捕して留置した。家から護送された彼女あるい
は他のどの逮捕者にも告訴は起こされず、後に釈放される。オーガスト
は弁護士なしに、そして海兵隊員と彼女の他は誰もいないから、一晩中
尋問された。そうして、彼女をそのまま拘留するハイチの国家警察に引
き渡された。
家の急襲では、門が爆薬で破られ、番犬が撃たれて殺された。そしてあ
りもしない武器の捜索で家中くまなくかき回された。このすべてがアメ
リカ軍によって行われた。
クーデター以来、私たちの政府が直面している当惑にもかかわらず、ブ
ッシュ政権は、安定と穏やかな移行を確保するために海兵隊がハイチに
いるという話に固執する。海兵隊の行動と、この政権の言ってることは
明らかに違っている。
干渉主義のひとつとして、カリブ海とラテンアメリカでブッシュ政権の
実践すべき予定表を最近の報道が追認する。パウエル国務長官はキュー
バ政府とキューバの事がらに直接干渉をもくろむ大統領委員会を率いて
いた。なかでも、ヴェネズエラとエルサルヴァドルでの公然たる合衆国
の操作、資金供給、わが半球の隣国の選挙や国内事件における干渉が詳
細に報道される。中東のように、アフリカやラテンアメリカのように、
カリブ海でのブッシュの政策は政権交代という政策だ。
合衆国海兵隊が到着してからというもの、ハイチでは大勢のハイチ人が
殺されている、多くは海兵隊員の手にかかってだ。いつもの報道は政治
的迫害、暴力と殺害、失踪と拷問の結果だ。攻撃される人々の圧倒的多
数がアリステッド大統領派と彼の党ラヴァラ派の者たちである。この党
は暫定政権から締め出されており、解散して新しい党名で再結合するよ
う求められている。ラヴァラ党は最近、党員の迫害と殺害がなくなるま
で、いかなる政治プロセスにも参加しないと公然と申し立てた。
議員はもちろん、パウエル国務長官と国務省は、人権問題は残存しない
と言うこと、そしてハイチでは法の支配が回復してきていると断言する
ことで公に意見を述べていた。
それなら聞くが何が法律か?ハイチの憲法は真夜中の逮捕状の執行を禁
じている。ハイチの憲法は逮捕者の尋問の間中ずっと弁護人の出席を要
求する。オーガストは憲法上の権利を用いていなかった。目下の暫定政
府に対し、そしてアメリカのハイチ占領に対し、反対の考えを表す権利
が彼女にはない。彼女はなにも告訴されずに、そのまま留置される。
なぜオーガストが逮捕されたかは明らかだ。合衆国の右翼の盟友の祝福
を受けた右翼のエリートが、有罪を宣告された犯罪人の重要人物と死の
部隊の凶悪人に味方してハイチに戻ってきているのを理解して抗議する
ハイチ人たちの彼女は著名なリーダーなのだ。そしていま右翼のエリー
トには、武装した米国、フランス、カナダの支持がある。キューバやイ
ラクでのように、ブッシュ政権は選挙プロセスの成果を確実にする計画
を立てる、そして反体制の持論を持つ人々を嗅ぎまわるために、ハイチ
の大掃除において死の部隊のチンピラと犯罪人に加わっている。
このすべてが民主主義の名目でアメリカの税金を使って行われている。
これは私たちの名義で行われている。暫定傀儡政権とアメリカ国務省の
指導で、そっと密かにハイチ人たちが合衆国海兵隊員によって殺害され
威嚇されている。
トランスアフリカフォーラムで私たちは、アネット・オーガストの目下
の窮状を調査するよう合衆国の選ばれた議会に要求する。そしてアネッ
ト・オーガストと政治犯全員の釈放を要求するよう議会に呼びかける。
特に米国議会の黒人市民権運動家グループに、ラヴァラ党員と暫定政権
に異議を唱える他の代弁者の政治的迫害に関する米軍の役割について調
査を支援するよう呼びかける。
http://www.transafricaforum.org/newslettercurrent.html

▼ハイチにて▼23 May 2004 by アネット・オーガスト

今日、私は世界に向け、ハイチの「良心の囚人」として話をします。政
治的信念のために拘留されている良心の囚人としてです。
私は5月10日、ハイチの首都ポルトープランスの郊外ダルマで、アメ
リカ海兵隊員により拘束されました。海兵隊員は爆発物と大きな武器を
持って真夜中に私の家に野蛮な襲撃をかけ、中にいた全員、とりわけ私
の小さな孫たちを恐怖に陥れました。安全を守るために、私たちには2
匹の小型犬がいるだけでしたが、この2匹は海兵隊員が敷地内に入る際
にすぐさま殺されました。爆弾を使って家の表玄関を破ったあとに殺さ
れたのです。この男たちが、私の家族の幼くて傷つきやすい子供たちに
残したトラウマについては決して忘れることも許すこともできません。
その夜、拘束を逃れるためにバルコニーから飛び出した3人の十代の若
者のうち、一人は重傷を負い、緊急な医療処置が必要でした。ブッシュ
政権が、彼の言う「民主主義を構築する」という名目で、私の祖国に加
えている暴力行為のなかで、私たちが被った非人間的な扱いについて忘
れられる人など絶対にいないだろうと思います。
目の前の事実は、米国政府が私の家に暴力的に押し入り、私を拘束した
こと、そして米軍だけが私の入っている刑務所の監房の鍵を持っている
ことです。この事実をごまかすために、米国はハイチの司法制度を使う
ふりをしています。けれども、実際には私の家を侵略したのは米軍兵士
だけであり、この米軍兵士は逮捕状を持っておらず、米軍兵士が私に手
錠をかけてむりやり連れ去るとき、ハイチ警察は何もせずに通りの警察
のクルマの中に座っているだけでした。
ブッシュ政権の海兵隊は、私と私の家族に対するこの暴力行為に手を下
したのは、私が米軍への攻撃を計画し、私の祖国ハイチの治安と安定を
脅かしているからだと言いました。
2004年2月29日、私たちの憲法に則った大統領を強制的に排除し
たのが米国とフランス政府であったのをよく承知していながら、どうし
てここまでシニカルになれるのか?合法的な政府を追放するにあたり、
元ハイチ軍と「死の部隊」を訓練し、その武力を解き放つことでハイチ
の安全をなし崩しにしたのが彼らであることを知りながら、どうしてこ
こまでシニカルになれるのか?
米国政府が傀儡のラトゥルトゥー(実質的に首相として振舞う)とハイ
チの司法制度を操り、私にウソの罪状をかぶせたのは、海兵隊員が不法
に私を拘束してからのことです。このウソの罪状とは、アリスティドと
ラヴァラ党の立憲政府に対して2003年12月5日、デモを行なって
いた学生反対派と称する一団に、私が攻撃を仕組んだというものです。
こうした私に対する中傷がこの恥ずべき舞台の小さな行為に過ぎないの
は明らかです。
私が投獄されている間中ずっと、ラヴァラ党に対する弾圧と暗殺の止む
ことなきキャンペーンが続いていました。私たちの運動の中で信頼でき
る、名前を知られた指導的役割を果たしている戦闘的な人々は、MIF
(多国籍暫定部隊)の統制と司令の下に軍事化された警察に暗殺されて
います。MIFは実際のところアメリカ海兵隊の指揮下にあるのです。
私たちの運動の指導者たちは今も逮捕されたり、身を隠したりしていま
す。ジャン・ベルトラン・アリスティドを今も唯一の合法的に選ばれた
ハイチ大統領と見なす、ラヴァラ運動の屋台骨を崩そうという試みが進
行しているからです。
今もラヴァラがハイチの大部分を占める貧しい人々を代表すると考える
すべての人々に、米軍が私たちの祖国を最初に占領したときの教訓、そ
してハイチの偉大な殉教者シャルルマーニュ・ペラルトを思い出すよう
促したいと思います。ペラルトは誠意を持ってアメリカと和平を結び、
占領に反対する武装抵抗を解散しました。その結果、アメリカの嘘と悪
意の犠牲になったのです。彼は誘拐され、暗殺されました。今日、ハイ
チの主権と正義を信ずるラヴァラ運動の人々の多くに、同様の運命をた
どる危険があります。
ハイチの人々が苦しめられているこの不正に対して挙げられた多くの声
に私は希望を与えられています。アメリカのマキシーヌ・ウォーターズ
議員をはじめとする大勢の人々が、ハイチの人々との連帯に立ち上がり
流血を止め、外の世界に私たちがいま直面している真実と現実を知らし
めようと奮闘していることに感謝します。
彼らには私を投獄することはできても、私の魂が知っている真実を封じ
込めることはできません。最後の最後まで、私はハイチの正義と真実の
ために闘います。
(文中にあるラヴァラ党はラバラス党と書かれることがある)