■コーカサスの敵はサイバー戦争で格闘する■ BBC News

14 August 2008   By Neil Arun

低賃金しかもらえないポスト・ソビエトの若者たちが悪名高いハッカー

になったとアナリストたちは言う

コンピュータで武装した目に見えないハッカーの軍隊がコーカサスでの

衝突をあおっている。

軍隊と戦車によって現場で戦われる、戦闘のヴァーチャルな共鳴で、ロ

シアとグルジアのインターネットユーザーは互いに相手の国のきわめて

重大なウェブサイトを攻撃し合ってきている。

幾つかのグルジア政府のポータルサイトが、伝えられるところではロシ

アをベースにするハッカーによって読めなくされているか、オフライン

を余儀なくされている。

最近、グルジアのミハエル・サーカシビリ大統領のウェブサイトを訪問

した人は、大統領を現代のヒットラーとして描くページに行かされた。

グルジアの議会と外務省のサイトもまた、伝えられるところではハイジ

ャックされたコンピュータのネットワークから攻撃され、再三不能にさ

れてきている。

同時に、グルジアのハッカーはロシアのニュース放送局とロシアが支援

する南オセチアの分離主義者の政府のウェブサイトを標的にしていると

非難されてきている。

◇ゆすりや詐欺的行為が含まれる場合には金銭の手がかりを追跡するこ

とができるが、政治的に動かされる攻撃は、管理下に置くのはほとんど

不可能だーービル・トンプソン、テクノロジー評論家

コーカサスの分離主義者によってたきつけられる衝突がサイバースペー

スに漏れるのは避けられなかったとインターネットセキュリティの専門

家は述べる。

Eメールセキュリティ会社MessageLabsのアレックス・シップによると、

中国やブラジルと共に、旧ソ連の共和国はサイバー犯罪の重大な中心地

だ。

中国人が産業スパイを得意とし、ブラジル人がオンライン金融詐欺に精

通する一方、ロシアの犯罪者たちはアマチュアハッカーにぴったり合う

オンラインツールの市場を支配するとシップ氏は言う。

「幾つかのロシア人のサイトはサイバー犯罪者志望がダウンロードでき

るソフトウェアの販売を得意とする」と彼は言う。

・ダークサイド

ロシアのサイバー犯罪との関連は、旧ソ連の消滅までさかのぼる。その

できごとはおおよそ1990年代初頭のインターネット時代の始まりと

時を同じくした。

共産主義が崩壊したとき成年に達した何千もの若者たちにとって、コン

ピュータは新たな企業心を象徴した。

プログラミングを自己能力を与えるためのツールとみなす、この熱心な

アマチュアたちは、結局、熟練したソフトウェアエンジニアになった。

彼らはソビエト時代の華々しい開発者の初期世代から一部分その熟練の

技を学んだと、 BBC NEWS ウェブサイトのテクノロジー特派員マーク・

ワードは言う。

この年上のプログラマーたちは、強制的に使わされた耳ざわりな共産主

義者のコンピュータの欠点を回避するため、巧妙なソフトウェアを考案

してきていた。

ロシアの新しいエンジニアにはシリコンバレーの最もさえた知力に匹敵

するスキルがあったが、西側の仲間よりはるかに少額の金しか稼ぎがな

かった。

十分な支払いをされない、うんざりした多くが彼らの才能をハッキング

に向けた。

徐々に彼らは、繁栄するポスト・ソビエトのアンダーワールド界の金を

払って人を思いどおりに使う人を惹きつける。ギャングがハッカーのス

キルを動力源として利用するとき、サイバー犯罪からの収益が増大した。

テクノロジー評論家ビル・トンプソンによると、結果は今日の「シリコ

ンバレーのダークサイド」に似ているビジネスだ。

・ハッキングがラクになる

ロシアとのグルジア戦争で政府のウェブサイトを攻撃したかどで非難さ

れる人たちは、サイバー犯罪者によって道を開かれた多くの手法を活用

している。

しかしながら、利益というよりむしろ愛国心によって動かされるハッカ

ーを追跡することのほうがはるかに難しい。

◇まさに犯罪という概念は、法律があって、法律が適用されるところに

存在するだけだーーアントン・ノジック、ロシアのインターネット・パ

イオニア

「ゆすりや詐欺的行為が含まれる場合には金銭の手がかりを追跡するこ

とができる」とビル・トンプソンは言う。「だが、政治的に動かされる攻

撃は管理下に置くのはほとんど不可能だ。」

ハッキングのテクノロジーもまた、ますます入手可能になっている。

取り扱えるトラフィックを超えることでサイトを包囲して結局は強制的

にオフラインにさせる、最も一般的な攻撃のフォームは、ハイジャック

されたコンピュータか、 botnetsのネットワークを使う。

そのような「サービス拒否」攻撃はたいていアマチュアの仕業で、イン

ターネットからダウンロードした指図に従う。

エキスパートはもっと一般に安全なウェブサイト上のコンテンツを操作

する攻撃またはトラフィックを迂回させる、「ハッキングの価値を損なう

こと」に責任がある。

・無法スペース

ロシアのビジネスマンでインターネットのパイオニア、アントン・ノジ

ックによると、大部分のハッカーがブロードバンドのインターネットと

無限の時間を手にするティーンエイジャーになりがちだ。

比較的小さくて低開発のネットワークの国々で主催されるウェブサイト

が常に攻撃に最も脆弱であると彼は言う。

攻撃にさらされる状態を減らしたければ、グルジア政府はそのウェブサ

イトを米国または西ヨーロッパのプロバイダーに移すことを考慮すべき

だと彼は言う。

そうすることで、ここもまた頻繁にハッカーのターゲットにされる、ロ

シアのチェチェン共和国の分離独立派を支援するウェブサイトが示す例

にならうはずだ。

「チェチェンの闘士によって運営されるウェブサイトは、取り扱えるキ

ャパが大容量で回線を打ち切るのが容易でない、比較的大きくて安全な

ネットワークのある西ヨーロッパの国々で主催される」とノジック氏は

述べる。

だが、彼らにとってロシアは聖域のままなので、断固としたハッカーに

対する絶対確実な防衛はないと彼は警告する。

「まさに犯罪という概念は、法律があって、法律が適用されるところに

存在するだけなのだ」と彼は言う。

サイバースペースを取り仕切るグローバルな法律はまだ考案されていな

い。戦争をしきりに動かす国々で、それは一番適用されそうもない。

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■グルジア戦争はネオコンの選挙策略■サンフランシスコクロニクル紙

13 August 2008 by Robert Scheer

今回「オクトーバーサプライズ」が8月に試みられた可能性はないか?

そして、強国ロシアの支配から生き残りをかけて苦闘する、勇敢な小国

グルジアというくだらない論点が、米国の大統領選を左右するため火を

くべられた可能性はないか?

この可能性を簡単に片づける前に、共和党大統領候補ジョン・マケイン

上院議員の主席外交政策顧問、ランディ・シューネマンという人物の役

割についてよく考えてみてくれ。彼は4年におよび雇われたグルジア政

府のロビイストで、主席外交顧問になって数カ月後の今年3月に職務上

のロビー活動取引関係を終える。

これより前、彼が「アメリカの新世紀プロジェクト」の理事だったとき、

イラク戦争の進展を誘導し工作したネオコンのひとりとして彼は最もよ

く知られた。マケインの2000年大統領選挙戦で働いた後、米国のイ

ラク侵略の擁護者として働いた「イラク解放委員会」を率いたのがシュ

ーネマンだった。

最近のグルジア勃発で彼が同様の役割を演じた内実を暴露する証拠の痕

跡がある。なんとまた、ロシアの反撃を生むのを明確に覚悟した、南オ

セチアの分離地域への侵攻を指図することで、親しい友人であり元雇用

主のグルジア大統領ミハイル・サーカシビリの愚かさを説明したものだ。

米国が彼のかたきをとることになる、シューネマンのような彼が信頼す

る有力なアメリカ人からの保証なしに、サーカシビリがこの危険なエス

カレーション(段階的拡大)を引き起こしたとは信じられない。マケイ

ンの遊説のため彼が公式に外交政策を発表している前にも、シューネマ

ンはこれらの問題でマケインを長く指導した。

2005年、雇われたグルジアのロビイストとして効果を上げる中で、

シューネマンはグルジアの NATO加盟を後押しする議会決議案を立案す

るためマケインと一緒に働いた。一年後、まだグルジアに雇われている

間に、シューネマンはその国への往復でマケインに同行し、そこでサー

カシビリと会ってロシアのウラジミール・プーチンに対する好戦的な彼

の見方を支持した。

イラク戦争に向けた前段階の繰り返しで、共和党候補の外交政策のスタ

ンスを左右することになっているネオコングループの陰謀の中枢にシュ

ーネマンはいる。新たな冷戦の基礎を形成するため、この連中は常に外

敵を捜している、サダム・フセイン政権の崩壊で、ますます望みにぴっ

たり見合うようになったのがプーチンのロシアだった。

なるほど、悪魔のようにひどそうだが、それは戦争と平和の問題でマケ

イン選挙戦のデザインの重要性を評価する最も周到な方法かもしれない。

どうしても必要な、恐怖を覚えさせる敵を有してアメリカ軍国主義に油

を注ぐのに、候補者のプーチンの悪魔化が先のフセインの濫用よりも大

計画だとのあらゆる徴候がある。

もっと慎重な外交政策の姿勢を了解しようと急ぐ、民主党大統領選候補

バラク・オバマ上院議員が比較すると弱く見えてくるのに、マケインは

戦う新たな冷戦でタフに見えるようになる。この間に、イラクの大災害

から経済のメルトダウンまで、マケインが継承しているブッシュの恐ろ

しい結果は都合のよいことには無視されることだろう。だが、すでに世

界のその他の国のそれを併合するよりも大きな軍事予算をだましとるた

めの言い訳を、ネオコンの資金を手助けしてきている軍産複合体に提供

することになる。

ここで精を出すのが、ロシアが大規模軍縮をだましとる敵になり、プー

チンが新たな悩みの種のジョセフ・スターリンとして役を振り当てられ

る、旧ソ連のイメージを喚起するネオコンの自己達成的な予言だ。「報復

主義(失地奪回策)のロシア」はもう一度阻止されるべきだとマケイン

は非難している。プーチンはポスト共産主義のロシアで選挙で選ばれた

ものすごい人気のある指導者であったが、彼の DNAばかりかロシア国民

の DNAにも常に帝国主義が潜んでいるのは当然のことと想定される。

なんとも都合よく、スターリンがグルジア人だったのを忘れる、そして

現にロシア軍が脅迫されたグルジアの町ゴリを占領していたなら、ロシ

ア革命の統制を奪うことで地位を保持したゴリ生まれの彼らの息子が博

物館でいまも名誉を与えられていることに気づいたことだろう。それど

ころか、火曜日、ロシアの爆弾5発が、報じられるところではゴリのス

ターリン広場に落とされた。

ポスト共産主義者のグルジア人には、南オセチアとアブハジアで帝国の

もくろみがあることも触れられるべきだ。まったくの矛盾した行為とは、

セルビアからのコソボ独立を擁護して、いまは民族的に反抗的な州のグ

ルジアの侵攻を無視している米国の行為である。

マケインには選挙のあいだタフに見えるためにロシアを悪霊として描く

ことでシューネマンのネオコンのおはこをあまりに熱烈に採用するのは、

上院議員が年をとってもまだひどく無責任であるのを思い出させるもの

である。

▲ロバート・シェールは、新著「 The Pornography of Power: How

Defense Hawks Hijacked 9/11 and Weakened America(権力のポ

ルノグラフィ:国防のタカ派がいかに911をハイジャックしてアメリ

カをぐらつかせたか)」の作者です。


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