■ピットブル、ペイリン■ CommonDreams.org 11 September 2008

by Paul Rogat Loeb

サラ・ペイリンが彼女自身と彼女のホッケーママ仲間のことを「口紅を

つけたピットブル」とジョークを言ったとき(共和党全国大会演説最後

のアドリブ部分)、彼女は意図した以上のことを明らかにしていたかも

しれない。見かけはよいが、タフでねばり強く、どんな犠牲を払っても

家族を守り抜く普通の母親として彼女自身と同輩を描くことで彼女はお

世辞を言った。だが、なんにでもかこつけて君たちの喉にしきりに噛み

つきたがるのが第一の特性の、大統領の可能性を秘めた人を、私たちは

ほんとうに望むのか?すでにいるではないか、ディック・チェイニーが。

英国、ノルウェー、フランスから、マイアミ、オハイオのヤングズタウ

ンとミズーリーのスプリングフィールドまで、その致命的な闘争性のゆ

えにピットブルが禁じられてきている理由がある。他の犬であれ子ども

であれ高齢の女性であれ、ピットブルは無差別に攻撃する、先週シアト

ル領域の女性2人が殺されかけた。「すばらしい、ピットブルが引っ越し

てきたってよ。ご近所にはけっこうなことだ。」とは言わない理由がある。

番犬がほしい人でも、普通はジャーマンシェパードのような他の犬種を

選ぶ、というのもピットブルが突然飼い主たちを攻撃する可能性がある

のを知っているからだ。

なかには彼らのねばり強さを、それが長所と認めても、他の犬たちもま

たねばり強い。彼らが遊んでいるソックスまたはボロクズ同然で彼らを

立ち上がらせることはできる。だが、隣の5歳の子に裂傷を負わせかね

ない大砲を自由にはさせない。君たちは君のブロックでピットブルに自

由に動き回って欲しくない、ましてや米国でなんてごめんだ。ピットブ

ル大統領任期はテロや地球温暖化や衰退する経済のような問題のために

は働かない。単に敵の脚を食い物にすることで、それらを解決すること

はできない。

廃品置き場の犬として、あるいは麻薬の売人のいつもそばにいる相棒と

してピットブルは用があるが、私たちのほとんどがわが家にはお断りだ。

この8年間、「私の流儀、またはわれわれはあんたらを滅ぼしてやる」の

アプローチがこの国に対して行ってきたことを私たちはあまりにもたく

さん見すぎてきた。ピットブルの一本気はおそらく重宝だろうが、損害

が大きく悲惨でもあるはずだ。ビンラディンからの脅威についてクリン

トン時代の報告を簡単に片づけていたときも、チェイニーのクルーには

イラク攻撃の妄想にこれがあった。彼らの敵を攻撃することにこれほど

集中していなければ、私たちは大災難のイラク戦争を始めることは決し

てなかったはずだ。

それでも、攻撃犬の血の趣味を有するサラ・ペイリンは、ピットブルの

役割を好むように思える。彼女のハイスクールのクラスメートは彼女を

サラ・バラクーダ(どう猛な魚)と呼んだ。彼女は最初の市長選を州の

共和党を無党派の論戦に引き入れることと、銃と妊娠中絶といかに真の

クリスチャンであるかに焦点を合わせること、そして通常は道路と下水

道に焦点を合わせる選挙戦に現職がいなかったことで勝利した。ある本

は禁止しなければならないかもしれないとの彼女の提案に抵抗したワシ

ラの司書と、彼女の立候補を支援しなかった警察署長を首にした。彼女

の元義理の弟を首にしようとしなかったアラスカ州のパトロール隊長を

彼女は首にした。けしからぬインタヴュアーが彼女の政敵のひとり(ガ

ンに打ち勝った仲間の共和党員)の体重をバカにしてその女性を「ビッ

チ」と「ガン」と呼んだのに、彼女は笑いながら座っていた。そして、

今度は彼女を勢いよくスーパースターダムへと投げ出した大会の演説が

ある。繰り返し真実をゆがめたのみならず、過去30年間引き受ける、

リチャード・ニクソン、スピロ・アグニュー、ジョージ・ウォーラス、

リー・アトウォーター、そしてカール・ローヴの偏向させる政治戦略か

らの暗殺のシナリオにすべての人物を組み入れ具体化した。そしてペイ

リンのカリスマ的パッケージにリップスティックで粉飾する。地域社会

のまとめ役をバカにしてあざわらったとき、市民が変化のために働くと

いうまさしくその考え方までも彼女は攻撃した。

世論調査を読めば、ペイリンのピットブルのアプローチはうまく機能し

てるのかもしれない。真実や米国の政治にとって、究極の私たちの国に

とって、損害がなんであれ、彼らの第一のゴールが標的を血でよごすこ

とであるとき、ことさらピットブル政治家らはすばらしい遊説者であり

かねない。だが、副大統領として私たちはほんとうにピットブルが欲し

いのか?

私たちはすでに十分悟るべきだ、私たちには過去8年間ピットブルがい

たのだから。ペイリンはもっと若く、もっと魅力的で、もっと射撃がう

まい。だが彼女には同類の冷酷さ、敵意に満ちた好戦性、そしてじゃま

になるやつは誰でも殺したがる激しさがある。彼女は同様の秘密主義者

で、好感を与える愛想のよさの下に説明義務に対する反感がある。アウ

トサイダーの改革家としてのイメージにもかかわらず、不正なアラスカ

のテッド・スティーブンス上院議員の政治活動委員会( PAC)の3人の

理事のひとりとして務めることから、政治的に擁護できなくなる前に

Bridge to Nowhere(人跡未踏の地に橋を)のために戦うことや、ステ

ィーブンスの元スタッフのボスだったばかりか、有罪と宣告されたひね

くれた共和党ロビイスト、ジャック・エイブラモフのためにも働いたロ

ビイストをワシラの市長のとき雇ったことまで、彼女には利益を与えて

言われたとおりにする pay-to-play政治にきづながある。そして、地球温

暖化からレイプ、近親相姦の犠牲者に対し妊娠中絶を禁ずるのを求める

ことまで、彼女はいかにも現実を否定する強硬な政治的右翼に恩義を受

けている。

共和党員すべてがピットブル価値観を具体化するわけではない。自分の

党から勇気づけられているときにも、細部まで正確に公正で、ルールに

従って行動している共和党の国務長官には票を入れるだろう。

また、私たちが人格破壊のカール・ローブやリー・アトウォーター政治

戦略からの背反だと思ったことで、党の輪郭を超えてかつて多くがジョ

ン・マケインを敬った。ブッシュ選対がキーティング S&L(貯蓄貸付組

合)スキャンダルでの彼の役割について攻撃し電話で票集めをすること

と、黒人の私生児が2人いるとウワサを広めることでサウスカロライナ

の予備選で彼を負かした後、その損失を彼は当然学んできていると私た

ちは決め込んだ。彼は拷問や金持ちのためのむこうみずな税の放棄には

反対だと、はっきり意見を述べたまれな現行の共和党員だった。いま彼

はこのすべてを自分は賛成しないと否認してきており、ブッシュ選対の

サウスカロライナの彼に対する攻撃の第一の設計者のひとりを、今とな

っては伝説的なペイリンの大会演説の準備を助けるために雇った。彼自

身の演説もまた繰り返される虚偽でいっぱいだった。私たちが拷問禁止

のような国際法を遵守するときアメリカは乗り越えると豪語するため、

オバマに向けた軽蔑のコーラスにも喜んで応じる。そしてペイリンの事

実の歪曲について、彼の激励は、国を超えて戦略をマケインが重んじる

ことを世界に伝える。

リップスティックがどんなに輝いて見えようが関係ない、今回はぐるり

とピットブルのアプローチを私たちが最終的に拒絶するのを期待しよう。

▲ Paul Rogat Loebは、ヒストリーチャンネルとアメリカ書籍協会によ

る2004年の第3位の政治本といわれる「 The Impossible Will Take a

Little While: A Citizen's Guide to Hope in a Time of Fear」の著者。

他の本についてはこちらをご覧ください。

www.paulloeb.org.


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