■ウソつき外交■ Information Clearinghouse 27 October 2008

by John Pilger

1992年、イラクに対して責任のあるイギリス外務省職員マーク・ヒ

グソンが、サダム・フセインに違法に武器を売却したスキャンダルを取

り調べる査問会議に出廷した。イギリスの外交政策立案の核心で「ウソ

をつく文化」を彼は説明した。私は、どれくらい頻繁に大臣や職員が議

会に対してウソをついたか彼に尋ねた。

「それは組織的(わざと)です」と彼は言った。「私がさまざまな大臣の

ために書いた手紙の文案は、なにも変わっていなかった、イラクへの武

器販売禁止は同じだったとありました。」

「それは真実でしたか?」と私は尋ねた。

「いいえ、真実ではありませんでした。」

「そしてあなたの上司はそれが真実でないのを知っていましたか?」

「はい。」

「では、国民はどれくらい真実を知らされたのですか?」

「私たちがまっかなウソをついたと言い渡され、無理に絞り出すことが

できたと同じだけ、国民は真実を知りました。」

カンボジアでの大量虐殺のクメール・ルージュとイギリスとのかかわり

あいから、東ティモールで一般市民を爆撃しているのがわかっているイ

ンドネシアの独裁者スハルトへの戦闘機供給、イラクの子どもたちへの

ワクチンと他の人道支援の拒絶に至るまで、外務省との経験によって得

た私の知識は、ヒグソンが正しかったし、いまも正しいままである。

私がこれを書いたとき、インド洋のチャゴス諸島の強制退去させられた

島民たちがイギリス高等法院の決定を待つばかりの状態で、米軍基地に

道を譲るのに島民たちの情け容赦ない追放は「乱暴」で「違法」、「とて

も不快」との4人の先の判断の再現を期待する。外務省のせいで、島民

たちはまだ次の上告に耐えなければならない。1968年に外務省の法

律顧問、アンソニー・アイヴァル・オアーストなる人物(ナイト爵に列

せられる)が「ウソを維持する」ことに向かわせる極秘文書を書いた。

この文書は当時の労働党政権にチャゴス島民は「単なる浮動人口」だっ

たとの「作り話」を「主張」し説得するよう助言した。今日、住民の絶

えた主要な島、ユニオンジャックがなびくディエゴガルシアはアメリカ

の尋問と拷問センターとして「テロ戦争」に尽くす。

あなたがこのことを心に留めるとき、アメリカ大統領選は超現実的にな

る。バラク・オバマ大統領という至福にあずかることがすでに進んでい

る。彼は「私たちの本来の姿のよりすぐれた天使」をよみがえらせ奮い

起こすことをアメリカに要求する人物とローリングストーン誌は書き、

ガーディアン紙のライターの誘い言葉、「霊感のブレア」を暗示する。相

変わらず、オーウェルの反転判断基準が欠かせない。オバマは彼の多額

の選挙資金は少額の個々の献金者の結果だと主張する、それにもかかわ

らず、ウォール街の最も悪名高い略奪者からの献金も受け取ってきてい

る。しかも「ハト派」で「変化の候補者」は、繰り返しジョージ・W・

ブッシュの強欲な戦争に資金をつぎ込むことで賛成票を投じてきている。

そして今度はパキスタンを爆撃すると脅す間に、アフガニスタンでなお

いっそうの戦争を要求する。

米国によってふさがれる「空白」として、ラテンアメリカで人気のある

デモクラシーを簡単に片づけることで、「安全な避難所を求めて国境を越

えるテロリストたちを攻撃するコロンビアの権利」を彼は支持してきて

いる。これを通訳すると、ワシントンのために、著しく生意気な隣国の

ベネズエラに侵攻するコロンビアの犯罪的政権の「権利」という意味に

なる。全拷問の真相の90%以上に責任があるコロンビアのウリベ政権

を後押しするアングロアメリカン(英米)に関する調査をイギリスの人

権団体ジャスティス・フォー・コロンビアが発表したばかりだ。拷問の

主犯格、コロンビア「治安部隊」はアメリカ人とイギリス人によって訓

練される。外務省は「軍の人権の前科を改善して麻薬取引に奮闘してい

る」と返答する。調査はこれを裏書きするほんの少しの証拠も見いだせ

ない。労働組合リーダーの殺害に関係しているといった、野蛮な前科の

あるコロンビア当局者らがイギリスの「セミナー」に呼ばれ歓迎される。

世界の多数の地域でのように、イギリスの役目はワシントンの下請人で

あることだ。残虐でむごたらしい「コロンビア計画」は、最後の民主党

大統領でブレアとブラウンのニュー労働党の生みの親、ビル・クリント

ンの構想だった。クリントン政権は少なくともブッシュの政権と同じく

らい極端だった。1990年代のアングロアメリカン(米英)の経済制

裁の結果として50万人のイラクの子どもたちが死んだとするユニセフ

の報告書を見るがいい。

経験で教えられるのは、とりわけ、フランクリン・ルーズベルトが「銀

行人」と呼んだ、軍国主義化したシステムに彼を管理して褒美を与える

よう要求できるか要求しようとする連中、このアメリカの「銀行人」か

らの金で沈没すれすれでない民主党員の大統領候補はいないということ

だ。オバマの仕事は、中身の変化をなにも確実にしない間に、吉運と、

実のところアメリカの民主的な権利を国際的にも国内的にも蘇らせよう

とする進歩的な冷静さを呈示することだ。

安定した人生がほしくてたまらない普通のアメリカ人の間で、たとえブ

ッシュのために国連でウソをつき、今はオバマを支持するコリン・パウ

エルのそれと同様の色合いであっても、彼の肌の色はこの正当化されな

い「信用」を取りもどす助けになるかもしれない。残りの私たちはどう

かといえば、油断なく気を配り、さらにもう一度、ウソをつかれない私

たちの権利を行使するときではないかな?

www.johnpilger.com

▲10月27日にジョン・ピルジャーのドキュメンタリー映画に関する

「 Heroes: the Films of John Pilger (1970-2007)"」がDVD発売され

ました。

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■英下院外交委 チャゴス島民帰還を支持■しんぶん赤旗 

2008年7月8日

2008年7月6日、イギリス下院外交委員会は、米軍基地建設のため

に強制退去させられた英領チャゴス諸島の元島民の帰還権を基本的に支

持する報告書を発表した。

報告で委員会は、元島民の帰還を認め、支援することは、「強い道徳的な

正当性がある」と強調。島での生活を維持できないとして帰還を拒否す

るイギリス政府の主張は「説得力が弱い」として退けた。だが、元島民

帰還が諸島内のディエゴガルシア米軍基地の安全保障に影響を与えると

の政府の主張については今後検証していく姿勢を示した。

イギリスは1966年、インド洋にあるチャゴス諸島の60を超える島

のうち、最大のディエゴガルシアを2016年までの期限で米国に貸与。

イギリス政府は米軍の要求を受け、1968 ― 73年にかけてチャゴス

諸島の全住民約2000人を近隣の旧植民地モーリシャスなどに強制退

去させた。

島民の訴えを受け、英高等法院は2000年11月、強制退去を違法と

し、元島民に対し米軍基地のあるディエゴガルシア以外の諸島への帰還

権を認める判決を出した。だが、イギリス政府は2004年、安全保障

上の理由などを挙げ、英女王の枢密院令を使い、元島民の帰還を禁じた。

だが、高等法院はこれについても2006年5月に違法と断定した。

控訴院は2007年5月、政府側の控訴を棄却。イギリス政府は現在、

最高裁にあたる上院上訴委員会に上告している。下院外交委によると、

チャゴス諸島の元島民とその子孫のうち、3700人がモーリシャスに、

約1000人がイギリスに、500人がセーシェルに住んでいる。


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