■無意味な戦争はイスラエルには事実上の敗北になっている■

ガーディアン紙社説  18 January 2009

歴史の点からみると、ガザのハマスに対するイスラエルの攻勢をその地区

の矛盾と相互の苦情の種という長い物語から分けるのは不可能だ。

地理学上の点からみると、土地をめぐる小さな策略に関する戦争は他の

国々、シリア、エジプト、アメリカ、イランの広範囲の関与と戦略的重要

性から分離するのは不可能だ。

たとえ一方的なイスラエルの停戦が持続しても、戦争が実際とても始まり

そうもなく、終わると判断するのをそのすべてが難しくさせる。

常に結果になりそうだった事実、もっぱらその事実がイスラエルにとって

軍事行動がなぜ敗北を意味するかを説明する。国の安全保障問題が一方的

な極度の力の行使によって解消させられるとの概念は、イスラエルの政治

家の中でしつこく固執する勘違いだ。この場合、問題はイスラエル南部に

撃ち込まれるハマスのロケット弾だと了解された。解決はハマスに対する

戦争だと判断された。その分析は、人口が密集したガザでの必然によるハ

マスに対する総力戦は一般市民の住民への攻撃だとの、きわめて重大な人

道にかなった認識の余裕をみておかなかった。

たとえ自分でやりたいようにやっても、軍事行動は失敗している。イスラ

エル当局はロケット攻撃に着手するハマスの能力を制限していると言い

張るだろう。だが、表向きの戦争のねらいはその能力を完ぺきに破壊する

ことだった。

イスラエルはまた、軍事行動が多くのアラブ人中心地のハマス支持不足を

暴いていると主張するだろう。ガザを支配する権力者としてのハマスの地

位がむしばまれてきていると。そしてシリアとイランによって活動準備を

整えられ、シリアとイランに代わって実行する、テロリストの代用となる

もの同然としてハマスは示されてきていると。

だが実体は、イスラエルの占領に対するパレスチナ人の抵抗の選抜された

仲介者として、ハマスのステータスは無差別の軍の襲撃という残忍な行為

によって高められてきている。

同時にそのステータスは、イスラエルの地へのロケット弾発射とテロ攻撃

を含める武装した反応という形での再燃を約束する。ハマスの軍事能力が

劇的に減じられることは可能だ。だが、イスラエルがガザの外部との境界

を完全支配していたときでも、そっと持ち込まれる兵器の交易を止めるこ

とはできなかった。不幸にも、停戦協定があってもなくてもハマスは再武

装することになる。

その間に、考慮すべきイランまたはシリアの強まるテロ後援は、イスラエ

ル軍によって示された異常なほどのパレスチナ一般市民の生命の軽視を

見て世界中が憤激するのに青ざめることだろう。イスラエル撤退は戦争犯

罪として起訴に値する行為の証拠を明かすことになると、今日、オブザー

バー紙が報じるように、絶対にその可能性はある。その申し立ては独立し

て調査されなければならない。

西側のイスラエルの同盟国、もっぱらアメリカは、独裁政権とテロリスト

によって包囲される民主国家を口実に、因習的にその国を擁護してきてい

る。だが、イスラエル市民は計り知れない政治的・社会的自由をエンジョ

イするのに、そのありがたみは自動的に国家が残虐行為を犯すのを妨げな

い。

イスラエルの民主主義の事実が、ハマスとの交渉を阻止するための理由に

ならない。それはこの無意味な、情け容赦のない戦争の前に真実であった

し、その後もそうであり続ける。


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