■地中海の海賊■ICH 01 July 2009
by イヴォンヌ・リドリー

イスラエルの傲慢はまったく驚くべきだ。

人権濫用と胡散臭がられる戦争犯罪について公表された最も地獄に
落とす報告の前夜、イスラエルは海賊行為を犯した。

西側海軍艦隊がアフリカの沿岸沖をパトロールしているとはいえ、
地中海では海賊行為がごく普通に行われている。

だが、海で誘拐され、銃撃されて、ハイジャックされる人々の大半
が、ガザ出身のパレスチナ人の漁師であるから、国際社会の指導者
たちは気にもかけない。

しかしながら、昨日、援助と平和活動家らをガザまで運ぶボートに
発砲して乗り込んだ後、イスラエルは一線を越えた。

アメリカの元下院議員シンシア・マッキニーとノーベル賞受賞者の
マイリード・マグワイアを含める21人の乗客は、月曜、機関銃搭
載哨戒艇がフリーガザ運動の救援ボート「スピリットオブヒューマ
ニティ号」を包囲して没収した後、イスラエル海軍によって捕虜に
とられた。

助けとなる援助は没収された、そして彼らの携帯電話は没収されて、
間違いなくイスラエルの違法行為を捕らえたカメラもまた消えた。

「これは私たちに対する常軌を逸した国際法違反です。私たちのボ
ートはイスラエルの海域にいませんでしたし、私たちはガザ地区に
人権派遣目的の最中でした」と、緑の党の2008年米大統領候補、
シンシア・マッキニーは言った。

「オバマ大統領が人道的補給と再建補給を通すよう、イスラエルに
明言したところでした。そして私たちがしようとしたことがまさに
それです。私たちが行程を再開できるように、私たちの釈放を要求
するよう国際社会に求めています。」

昔は、ボートがイスラエルの領海に入って地中海東部イスラエルの
海の一部を侵害したと、イスラエル海軍は主張してきている。

しかしながら、30時間以上もインターネットやGPS、Twitter、
その他さまざまなコミュニケーション手段によってフリーガザ運動
のボート「スピリットオブヒューマニティ号」のはかどりをフォロ
ーした世界中の何千人には、ボートが公海で違法に止められたのは
確かだとわかっている。

これは海賊行為。それ以上でも、以下でもない。

医療品、セメント、オリーブの樹、そして子どものおもちゃの慈愛
の積荷がどうなるかは、だれにもわからないことだ。

だが、私たちがバラク・オバマとゴードン・ブラウン(少なくとも
あのボートには半ダースのイギリス人が乗っている)にしてもらい
たいのは、イスラエルが謝罪してボートと乗客にガザへの行程を続
けさせる強い指導力だ。

イスラエル軍がガザでしたことや、シオニズムの軍隊が逮捕される
のを恐れてたいていのヨーロッパ諸国に行くのをできなくさせるこ
とを実行した戦争犯罪を、G8指導者みなが知っている。

英国と米国によって兵器を提供される軍隊、世界第4位の軍事力が
5万戸の家屋、800カ所の工業資産、200校の学校を破壊した
のを私たちは知っている。

輸送船団Viva Palestinaとの最近のガザへの刺激的体験の間に、私
は爆撃された多数のモスクを見た、孤児院でさえ標的にされていた。
最終的な結果は、何百という子どもたちを含める1400人以上の
一般市民の虐殺だった。

イスラエルはいつまで好き勝手にやりたいようにふるまうのを許さ
れることになっているのか?

破壊した家々のラウンジの壁に走り書きした、去ったイスラエル兵
による侮辱的にあざけった、よくよく残虐的なメッセージを、私は
信じられぬ思いで見た。ある兵士は「不平だらけ」のEメールを残し
さえした。

トニー・ブレアがタリバーンを世界で最も凶悪で残忍な政権と呼ん
だとき、タリバーンは子どもたちが凧を飛ばすのも許さなかったと
言って彼がこの声明を正当化したのを思い出す。

彼は子どもたちにそこまでつらく当たる政権のメンタリティを見て
驚いた。

それは2001年11月のことだった。チェリーやキウィフルーツ
やチョコレートがガザの子どもたちの手に届くのを妨げる政権につ
いて彼はどう考えるのかしらと私はいぶかしく思う。そう、これは
このシオニズムの政権がいかに凶悪かということ... このかわいそ
うな子たちがちょっとしたおいしいおやつを受け取るという考えを
分担することもできないのだ。
 
イスラエル治安部隊の「自治領における政府活動に関するコーディ
ネーター(COGAT)」部隊から約10人の職員が、毎週、ガザ地
区の150万人の住人たちがどのような食べ物を食べてもよいかを
決めるため集まる。

Moshe Levi 大佐、Alex Rosenzweig 大佐、Doron Segal 大佐、
このぞっとする男性3人組を名指して呼んで、侮辱しよう。数日前、
アプリコット、プラム、グレープ、アボガド、チェリー、キウィフ
ルーツ、グリーンアーモンド、ザクロ、チョコレートは「美味(ご
ちそう)」で、それ故に特別に禁じられていると、3人みなで決め
た。

後日、私はこの恥ずかしい兵士どもに戻るつもりだが、私の見解で
は、さらにもう一度国際的な海賊行為に乗り出すことでイスラエル
を無法者国家として再確認している、今日の大事件に戻ることにし
よう。この記事のトップが地中海の海賊2と呼ばれるのに気づくは
ずだ。それは、別のフリーガザ運動のボート、SS Dignity号がどう
やってイスラエル海軍の機関銃搭載哨戒艇によって激突されたか暴
くため、12月に私が記事を書いたからだ。

平和派遣に対する正当な理由のない好戦的行為は、Dignity号の船長
または乗組員にいっさいの警告なしに、ガザから90マイル離れた
公海で行われた。この事件は事故であり、海軍士官たちはDignity号
と連絡を取ろうと頻繁に試みたが失敗したとイスラエルは主張した。
イスラエルは3回も、「はからずも」ボートに激突したのだ。

「これまで以上に挑発を得ようとする」というわけで、イスラエル
は国際的な活動家たちを非難した。シオニズム国家が突然くたばっ
て、被害者意識を採用するとは驚くべきではないか?

いったい何だってイスラエルは自国の領海ではない海域にボートが
入るのを禁止するかまたは妨害しようとするまでにいたるのか?
これは地中海だ。イスラエルはまったくいつ地中海の完全なる権限
を当然のことと決め込んだのか?

昨日のイスラエルの嘆かわしい攻撃と非武装のDignity号に対する
先の攻撃は、国際海事法と「公海(外洋)は平和目的のために確保
されるべき」とはっきり述べる「海事法に関する国連協定」の両方
に違反する。

窮乏する人びとに援助を届けるのは、まさにそのような「平和目的」
だ。故意に激突するとか慈愛の船をハイジャックすること、その乗
船者を危険にさらすことは、テロリズム行為と海賊行為だ。

ソマリアのギャングどもをまるでパグウオッシュ船長とその仲間の
ように見せるこの民族の海賊に断固たる措置を取るため、西側の艦
隊はいま地中海に向かうべきだと私は断言する。

彼らを罪人にするソマリアの海賊は金に動機づけられる。イスラエ
ル人はサディスティックな喜びからこれらの行為を犯す... 何がそ
うさせるのか?

そして続けることが許されるなら、何がオバマやブラウンに匹敵す
る人たちと他の外国の指導者らにそっぽを向かせるのか?

もうたくさんだ。イスラエルは失敗した計画、ならず者国家で、普
通のきちんとした法を守る社会のメンバーには危険だと認める時が
来ている。

イスラエルが黙って従うまで、国際社会は制裁を課し、イスラエル
の資産を凍結し、武器の販売を止める必要があり、隣国とより広い
世界にとって脅威なのだからイスラエルを抑えつけるため国連平和
維持軍を設置する必要がある。

▲ 2008年8月、包囲を破る最初の派遣で、ジャーナリストのイ
ヴォンヌ・リドリーと映画作家のAki Nawazは、フリーガザ運動と
一緒にガザまで船で行った。リドリーは例年のモスリムニュース賞
でメディア賞を与えられた。
彼女のウェブサイト:www.yvonneridley.org


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