■ブッシュの官僚が、本の中で 
 2004年大統領選でのプレッシャーについて語る■
NY Times 21 August 2009
by PETER BAKER

国土安全保障省の初代長官トム・リッジが、まさに2004年大統
領選の前に国内の警戒レベルを引き上げるようジョージ・W・ブッ
シュ大統領の高官らによって圧力をかけられたと新著の中で断言す
る。それが大統領選を左右する行動だったのを彼はうすうす気づい
た。

本によると、選挙の4日前オサマ・ビンラディンが険悪なヴィデオ
テープを公表した後、ジョン・アシュクロフト司法長官とドナルド・
H・ラムズフェルド国防長官が国民の警戒態勢を高めるようリッジ
氏に強く求めたが、彼は拒否した。それをリッジ氏は、「最も厄介」
なことだとわかり、辞任する決意に勢いをつけた「ドラマティック
でまったく驚くべき」できごとと呼ぶ。

挑発的な申し立ては、国家の安全保障を政治的に扱うとブッシュ政
権を非難してきた批判者たちに新鮮な攻撃の手段を提供する。

ブッシュ氏と民主党の挑戦者マサチューセッツのジョン・ケリー上
院議員は、当時、最後の週末に向けて接戦の選挙戦にはまり込んで
いた。そして高まる警戒レベルなしにも、ビンラディンのテープが
アルカイダの脅威について有権者に想起させることで大統領が再選
を果たすのを助けたとあるアナリストらは結論づける。

ラムズフェルド氏の報道官キース・M・ウルバホンは、諜報機関が
大脅威があると考えるなら国防長官は国民に知らせるのを支持した
と言って、「アメリカの通りが血で赤くなる」と誓約するテープを
含め、当時のさまざまな冷え冷えするアルカイダの警告を指摘した。

「所定の事実」だと、ウルバホン氏は言った。「政府高官には脅威
レベルを検討するのが妥当に思えただろう。いやそれどころか、
あの検討が行われないのは無責任だったはずだ。」

「みたところでは本を売るため出版社によって助長されたプロット
はナンセンスだ。」とウルバホン氏は言った。

アシュクロフト氏はコメントを得るにおよばなかった。だが、司法
省で彼の報道官だったマーク・コラーロはリッジ氏の話を簡単に片
づけた。「なかった」と彼は言った。「今がリッジ氏には緊急のダ
クトテープを使ういい機会だろう。」

ブッシュ氏の国家安全保障顧問だったフランシス・フラゴス・タウ
ンゼンドは、警戒レベルについて「鼻につく議論」はあったが「政
治が要因だったことはない。」と言った。

9月1日出版予定のリッジ氏の本「The Test of Our Times」は、
内部の不一致を暴露して不人気な政権からの距離を固めるブッシュ
顧問による最新の本だ。国家安全保障会議の会合に一度も招かれな
かった、ラムズフェルド氏はめったに彼に会おうとしなかった、ス
ピーチにイラク戦争の正当性を含めるようホワイトハウスが彼に圧
力をかけたと、リッジ氏はぼやく。

彼はまた、2005年のハリケーンカトリーナ前に連邦緊急取締局
の長官としてマイケル・D・ブラウンに取って代わるロビー活動に
失敗したこと、そしてニューオーリンズに国家安全保障地方支部局
を開設するとの彼の提案をホワイトハウスが握りつぶしたことも書
く。

最もセンセーショナルな断言は、U.S. News & World Reportによ
って最初に報じられた、警戒レベルに関する2004年選挙前の討
議だった。ビンラディンのテープだけが全米の安全保障態勢の変化
(レベルアップ)を正当化したのではなかったとリッジ氏は書いて、
10月30日の「ドラマティックと言う人もいる精力的な討議」が
それを正当化するのを説明する。

「われわれの省内のその立場に支援は皆無だった。ゼロ」と彼は書
く。「安全保障に関するのかそれとも政治なのか?といぶかった。
警戒レベルが上がった後には大統領の支持率の著しい増加を選挙後
の分析が実証した。」

政治が討議を動かした証拠をリッジ氏は提供しない。これまで彼は
警戒レベルに政治が関与したのを否定してきている。警戒警告の決
定で政治が影響を及ぼしたかどうかニューヨークタイムズ紙のエリ
ック・リチッブロウに尋ねられ、彼はウソ発見器のテストを買って
出た。リチッブロウの本「Bush’s Law」によると、リッジ氏は
「装置を取り付けろ」「ダメだ。政治は関与しなかった」と言った。

▲ リッジ氏はペンシルベニア州知事を経て、2001年9月11日
の米同時多発テロを受けて米議会が発足させた国土安全保障省の初
代長官に就任した。
1995年1月、州知事に就任したトム・リッジ氏は、30年以上
死刑執行のなかったペンシルベニアで死刑再開を公約して当選した。
そして公約通り、就任半年もたたない6月1日、ムミア・アブ・ジ
ャマールの死刑執行命令書に署名した。
フィラデルフィアで警官を射殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受
けて収監中の黒人ジャーナリスト、ムミア・アブ・ジャマールにつ
いて、その冤罪の根拠として次のようなことが挙げられている。
1)警官を射殺した弾丸は44口径(約11mm)のはずが、ムミ
アが護身用に持っていた銃の口径は38口径(約9mm)
では、警官を射殺した銃はどこへ消えたのか?
2)しかも、この程度の矛盾は科学的鑑定をすれば容易に指摘でき
たはずなのに、十分な鑑定を行った形跡がない。
3)公判における検察側証人の目撃証言が相互に矛盾する。しかも
ムミアが銃を持っていたという決定的証言をした女性は、数多くの
売春逮捕歴があり、警察の殺人課に呼び出された後この証言をした
ことが判明している。
http://www.jca.apc.org/mumia/


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