フォックスニュースが公平でバランスがとれると自称するのは、ウソで
あるばかりか、誤った宣伝だ。フォックスが国民を欺くのを止めるよう
FTC 連邦取引委員会に忠告しようではないか。
来る日も来る日も、フォックスニュースが次から次へ偏向したニュース
を食卓に出すのは実に有害である。だが、数々の調査がこの間違いを立
証しているときに、ニュースは公平でバランスがとれるとフォックスが
宣伝したのはもっと有害だ。
オンラインで活動する進歩的な市民団体、MoveOn.org が先頭に立つ、
TrueMajority.orgを含める草の根の一団が、フォックスの人をまどわす
常套手段にスポットライトをあてるため、賢い戦法を考案している。彼
らはフォックスの公平でバランスがとれるとのモットーが誤った宣伝で
あると宣言するよう、 FTC 連邦取引委員会に請願しているのだ。
請願が却下されても、このキャンペーンが、右翼の最も有効なプロパガ
ンダ・ツールであるフォックスについて人に学ばせることになる。ゆえ
に、FTC に対する市民の圧力、ダイアルアップすることが重要だった。
(TrueMajority Communications Guy)

▼フォックス・ニュースの偏向ぶりを批判する映画が人気▼
WIRED NEWS by Louise Witt 23 July 2004

完成と同時にDVD化された、ロバート・グリーンウォルド監督の最新作
「Outfoxed :ルパート・マードック(フォックスを所有するメディア
王)の対ジャーナリズム戦争」は、公正でバランスがとれると自称する
フォックス・ニュースの報道姿勢を攻撃するドキュメンタリー映画だ。
7月13日、ニューヨークのニュースクール大学で初上映されて以降、
インターネットでのこの映画のDVD売上げは5万枚を超えている。初上
映の5日後には、MoveOnが主催する3千を超えるホームパーティーで
映画が上映された。制作会社によれば、アマゾンドットコムのDVDベス
トセラーランキングで常に上位3位以内をキープしているとのこと。
監督とプロデューサーを兼ねるグリーンウォルドは、ワシントンDCの議
会に乗り込み、議員の前で「 Outfoxed 」を上映した。そもそも映画は
リベラルな団体やその会員に見せる目的で制作された( DVDの価格はわ
ずか9ドル95セント)。MoveOn 設立者の片割れ、ウェス・ボイドに
よれば、MoveOnがこの映画をホームパーティーで上映したのは連邦取
引委員会に提出する請願書への署名を集めるためだった。この請願書は
フォックス・ニュースが商標登録している「 Fair and Balanced:公正
でバランスがとれる」というモットーの使用禁止を求めるものだ。
18日に一斉に催されたホームパーティーでは映画をテーマにしたパネ
ルディスカッションの会場と各パーティー会場が電話会議システムか、
インターネットで結ばれた。パネルディスカッションの司会者は監督の
グリーンウォルド。ウェス・ボイド並びに草の根市民組織のリーダーと
進歩的なラジオトーク番組の司会者アル・フランケンがパネリストとし
て参加した。
グリーンウォルドは1960年代の反体制活動家、アビー・ホフマンを
描いた「Steal This Movie」(2000年)を監督している他に、昨年
CBSで放映されたエンロン社のスキャンダルを描いたテレビ映画「歪ん
だエンロン:虚栄の崩壊」でプロデューサーを務めている。
MoveOnが初めての対話型ホームパーティーを行なったのは、マイケル
・ムーアの映画「華氏911」が封切られた後だった。ムーアは電話会
議システムを通じて2300ヶ所のホームパーティーの3万人を超える
参加者と交流した。「華氏911」は目下、9千万ドルを超える興行収
入をあげ、ドキュメンタリー映画では歴代1位の記録を更新中だ。
「Outfoxed」の製作では、MoveOnとamericanprogress.org がそれぞ
れ8万ドルを提供した。americanprogress.orgはビル・クリントン元
大統領の補佐官だったジョン・ポデスタが設立したリベラルな団体だ。
また、グリーンウォルドは、この映画から利益を得るつもりはまったく
なく、製作のために借りた金を返せるだけの収益をあげられたら、あと
は大学の図書館に、さらにはフォックス・ニュースの従業員にDVDを寄
贈するつもりだと述べている。
MoveOnのホームパーティーで上映されたグリーンウォルド監督のドキ
ュメンタリー映画は、ドキュメンタリーが驚くほど元気な今年のカンヌ
でも話題になった、「Uncovered:イラク戦争の真実」が最初だった。
反ブッシュを訴える広告キャンペーンの資金を集めるため、MoveOnは
「Uncovered」のDVDを25ドルで販売して100万ドルの売上を記録
した。
当初、2千枚の予想だった「Uncovered」のDVDは12万枚売れた。ま
た8月20日にはニューヨークとボストンとワシントンDCで、劇場公開
される予定だ。この映画を配給する米シネマ・リブレ・スタジオ社を設
立したフィリップ・ディアスによれば、上映劇場はその後1ヶ月以内に
全米各地200ヶ所に拡大されるとのことだ。
また9月には、シネマ・リブレ社はグリーンウォルド監督の他のドキュ
メンタリーをさらに2作品公開する。「 Unprecedented:2000年
大統領選挙」と「Unconstitutional(違憲)」だ。ディアスは、大統領
選挙の投票日までに100館で上映したいと語っている。
監督は、映画界が変わりつつある証拠としてニューヨーク・タイムズ紙
の映画評論家、A.O.スコットが彼のドキュメンタリー映画の論評を書い
たことを挙げる。スコット氏はMoveOnがブルックリンのウィリアムズ
バーグにあるバーで開いたパーティーでこの映画を見たと言っている。
こういうことが、「すでにひとつの現象と言えるまでになっている」と
グリーンウォルドは述べる。