■タリバンのアフガン同盟者がバラク・オバマに伝える■
Telegraph.co.uk 18 Oct 2009

「私たちと協定を結べば、アルカイダを途方に暮れさせるだろう」

バラク・オバマ大統領のアフガニスタン戦略の再検討は、アメリカ
が結局はタリバンと取引することになり、戦闘を終えるため、軍閥
たちを寛容に扱うことになるのを意味する。
By Nick Meo in Kabul

カブール南の静かな郊外のわだちのついた通りで、かつて敵の戦闘
員として数カ月間捕虜収容所に閉じ込められたCIAの男が、過去の
不名誉を償う。

タリバンがアフガニスタンを支配したとき外務大臣を務めたムッラ
ー・ワキル・アフマド・ムタワキル(38歳)は7年後、アメリカ
の敵との交渉を可能にするため、アフガニスタンのへとへとに疲れ
させる戦争を終えることでバラク・オバマ大統領のベストチャンス
であると判明するかもしれない。

そのような見込みはわずか一年前にはありそうもないように思えて
いたはずだが、今、オバマ氏が面倒なアフガニスタンの決断に取り
組むとき、ためらうカブール政府と広がる反乱行為に直面してすべ
ての選択肢が検討用に提出されている。

寛大な理想主義者として選ばれた大統領にとって、一部の選択肢は
ありありと芳しくないように思えるかもしれない、とりわけ、タリ
バン司令官と取引をして、人の死に対して責任があり多くの場合に
心の奥底で憎しみを抱く元軍閥や部族指導者らに資格を与えるとの
ばかげた考えは。

だが、ますます不人気な戦争で主導を回復するアメリカの死に物狂
いはすでに幾つかの驚くべき変化を生んできており、ここちよくな
い道義上の妥協が今は予定表にある。

それらの中にまじって、アメリカと他のNato軍の生命の数をますま
す要求している戦闘から、少なくとも幾人かを離すよう説く決然と
した努力で、より穏健派のタリバングループを引き込む斬新な挑戦
をするつもりであることをオバマ政権はアフガン政府との会談で暗
に示してきている。

かつて片眼のタリバン指導者ムッラー・モハメッド・オマルの親友
だったムッラー・ムタワキルは、アメリカ軍にわが身を任せた後、
2002年カンダハルの米軍基地で拘束された。

タリバンの雰囲気はどのようなものか、誰かタリバンの指導者で会
談の用意ができているかなど彼の考えを聞くために、武装した警察
官によって警護される彼の大邸宅に目立たない訪問をする、一連の
アメリカ政府高官らによって、今、彼は丁寧に口説かれている。

タリバン政権の最も若い大臣のひとりだった口調の柔らかな知的な
男、ムッラー・ムタワキルは、何が成し遂げられるかについて慎重
だが、そうであっても彼の思考は愛想が尽きた西側の耳には音楽だ。

もし取り決めが容易に手の届くところにあったなら、アルカイダの
「戦争同盟者」と彼が呼ぶものからタリバンは離れるだろうと彼は
考える。彼のカブールの自宅の客室でのサンディ・テレグラフ紙と
の談話で、彼は戦争を終結させる和解は可能だったと迫り、テロリ
ストがまたアフガニスタンを彼らの基地にするのを止めるため西側
のベストチャンスになるだろうと迫った。

「タリバンが闘い続け、ついにアルカイダの支援でアフガニスタン
の政府になったなら、そのときは彼らを仲違いさせるのは非常に難
しくなる」と彼は警告した。

だが、他にも採りうる道はあると彼は言う。タリバン指導者らは米
国からの身の安全の保証とトップの司令官らの首にかけられた「賞
金」の除去を待ち受けている。彼らはまた、アフガニスタンの悪名
高いバグラム米軍基地とグアンタナモベイに拘留される囚人の釈放
計画を手に入れたい。

その代わりにアメリカの侵攻のそもそもの理由であり、その地域の
米国の政策の最優先の照準の、アメリカに対する攻撃をもくろむの
にアフガニスタンが使われるのを許さないとタリバンは約束するは
ずだと彼は言う。

「タリバンであれ他のどんな類の政府であれ、ことごとく政府が、
アメリカを脅かさないと請け合うのを確信する権利が米国にある」
と彼は言った。

彼らが権力から追い立てられて以降、アフガニスタンが変わってき
ているのをタリバンは理解すると元外務大臣は考える。厳格なイス
ラム法によって国家が管理されるのを彼らは望むが、時計の針を戻
せないのを十分に理解すると彼は言った。

交渉は容易ではないだろうと彼は忠告をした。「私は楽観主義者で
はない。だが、協議は戦争よりましなはず」と彼は言った。

「民族主義者」のアフガンのタリバンが、より過激な分子から、そ
してまた外国の戦士の一団がまったく西側に対するジハードのみに
関心があるアルカイダからも、分裂するかもしれないと彼らが思う
ことが新しいアメリカの思考である。

「気力と希望」を獲得するのに戦いの一部として、展開計画に付随
する浪費の急騰と4万5000に上る米軍の増派をオバマ氏は発表
すると思われる。

だが、うんざりする8年の後、アメリカ当局者らは、当惑させる民
族や種族の複雑な土地で功を奏するには軍と財政は不十分かもしれ
ないと、これを容認するようになってきている。なお、ある枠組み
の政治的折り合いが必要とされる。

「軍と政治的政略の両方がなければ、打ち負かせない」と西側政府
当局者は言って、新たな思考を説明する。

それを念頭に置いて、オバマ大統領は最近、アメリカの主要な問題
として、タリバンではなくアルカイダと「過激派分子」について話
をしている。そのような慎重な言葉は、話し合いへの道を開くこと
を意図したように思える。

ムッラー・ムタワキルがタリバン政府のメンバーだったとき、彼は
多くの普通のアフガン人から尊敬され、西側外交官からは原理主義
者政権を外の世界に公開したがった「穏健派」としてみなされた。

新しいアフガン政府のやり方に甘んじる少数の選ばれたタリバン上
級人物のひとりとして、彼はいまも戦っている昔の同僚たちと電話
で連絡を取る。カブールのアメリカ大使館やアメリカ特使リチャー
ド・ホルブルックのオフィスからの職員との接触がこの数週間ます
ます増えてきている。

「彼らはやってきて入念に話を聞くが、当座は多くを語らない」と
皮肉な笑いを浮かべて彼は言った。「アメリカが平和を望むまで、
平和はないということだ。」

今週末、アメリカの骨折りとアフガニスタンと交戦する他の国々の
骨折りは大統領選をめぐるほぼ2カ月の袋小路をどうやって終える
かに関する気狂いじみた交渉で歩調を強行することに集中させられ
た。次の数日間、カルザイ氏がすぐさま勝利者であるため、彼の投
票数のあまりにも多くが詐欺によって得た加算だったことが公表さ
れるものと広くあてにされる。

アフガニスタンの憲法は候補者が過半数を確保しなければ二人の候
補者のあいだで決選投票を行わなければならないと義務づける。

さて今、票を押し込んでシールする取り調べの結果がなんであれ、
カルザイ氏には大きな国際的圧力がある。また当然持ち出されるあ
りとあらゆる安全確保とロジスティックな問題で、なんとかして選
挙の第二ラウンドを回避する取引に同意することで、カルザイ氏と
彼の挑戦者、元眼科外科医で暫定外務大臣のアブドラ博士の両方に
圧力がある。

公式には、まだどちらも進んで妥協はしていない、とはいえ、彼ら
の補佐官たちが緊急にこっそり相談していると言われる。

選挙がどのように決定されても、新しい政府はタリバンとの会談と
Arsalan Rahmani(70歳)のような男たちとの取引に関して同じ
ジレンマに直面することになる、Arsalan Rahmaniはタリバン政権
下のイスラム教問題大臣だが、今はアフガン議会の上院議員だ。

「タリバンは彼らの戦争のためにアルカイダから兵器と金を受け入
れる」と彼は言った。「だが、もし政府との有効な関係がタリバン
にあったなら、そのときはもう必要としないのでアルカイダを厄介
払いしただろう。」

アフガン戦士の少数派だけが宗教の熱意に駆りたてられる強硬派だ
ったと彼は言い張る。「幾人かは天国に行くため戦っているが、タ
リバン指導者の中で大部分は平和を望む。アフガニスタンは彼らの
祖国で、彼らはここに平和を望む。」

パキスタンのクェッタという街をベースにする運動組織の指導部評
議会の多数派は交渉の役割を担う準備ができていたが、ビンラディ
ンに近いタリバンの指導者ムッラー・オマルは違ったと上院議員は
言った。

結果として来たるべき取引の代償は、もしかするとタリバン統治者
に南部州を引き継ぐのを可能ならしめ、厳格な宗教法を置くことや
元反抗分子に政府の要職に就くのを許すことを可能ならしめる。

タリバン政権下のイスラム教問題大臣、Rahmani上院議員は、アメ
リカに対するジハード(聖戦)のためパキスタンの荒れ地に群がっ
てきている外国の戦士が交渉にとって問題であることがわかるだろ
うと言った。彼はアルカイダの男たちを完全な勝利を成し遂げるま
で戦いたがるアメリカ側の強硬派になぞらえた。

昨年サウジアラビアで、ムッラー・ムタワキルとRahmani上院議員
は、始まっている重大な会談のチャンスを判断しようとの試みでタ
リバンとつながるアフガン人たちに会った。

カブールの西側外交筋が会談のための目下の政治情勢を「良好」と
説明することで、新たな内々の交渉が今後数週間に再開されるもの
とあてにされる。

戦争で破壊された州の外で、米軍の最も優秀な連中が、部族の民兵
を創設することやタリバン司令官と三流の軍閥の忠誠心を買うこと
を含め、反乱行為に報復する新たな戦略をなんとか案出しようとし
ている。

それに対し、アフガンの首都の西側外交官は女性の権利や民主主義
や国家建設についてもはや熱中しない、だが、彼らは「旧来の人物」
との作業のウワサ話をする、軍閥どもがハミド・カルザイ大統領に
率いられる再選された政府内の官職を勝ちとるものとあてにしたと
いう新しいカブールの婉曲表現だ。

選挙前にカルザイ氏が強力な元軍閥どもと密約を交わすのを止めよ
うとアメリカは懸命に努力した、そして失敗した。

2001年タリバンをカブールから一掃した北部同盟軍の元指導者、
強力なタジク人指導者モハマッド・ファヒム元帥の復活に、アメリ
カ当局者らは最もやきもきさせられた。数年間、彼は重要なアメリ
カの同盟者だったのが、2004年アメリカ当局者らはついに彼の
権力をもぎとった。カルザイ大統領が副大統領候補として彼を指名
した今年、やっと彼が返り咲くのを見た。

彼が副大統領になるのはほぼ確実だろうし、ぞっとする昔の軍閥の
顔ぶれといっしょに内閣の会議室に座っているかもしれない。

他に実権をふるうかもしれない人物には、少数民族ハザラ人の指導
者カリム・カリリや西部の街ヘラート出身の非常に裕福な元ゲリラ
指導者イスマエル・カーンが含まれる。

「部族指導者、昔の軍閥、西洋の経験に基づいた効率的な官僚政治
家のカラフルな内閣の顔ぶれを期待するように」とカブールのある
西側当局者は言った。

国際機関で働く西洋の経験に基づいたアフガン人がそれに別の面を
与える。「私たちが信頼できる指導者はどこにいる?選挙と腐敗(汚
職)のせいで誰でも皆がうまいものを食わせられ太らせられる。」

外交官らは実際の管理下に政治の専門家を残すようカルザイ大統領
に圧力をかけようとしている、彼らは軍閥またはその息子、軍閥の
言いなりの役人で満載された内閣のめどに恐れおののく。

彼らは昨年任命されてきているもっと有能な大臣の幾らかに彼らの
期待を注ぎ込んでいる。腐敗に取りかかり、政府がタリバンよりも
っとましな暮らしを提供するとアフガン人に説くのに一歩を踏み出
せる政治家だ。

西側当局者らがうまく政権の質を向上させないと、タリバンがいま
カブールのほんの数マイル外で政府がしくじるのを待っていて、選
挙の大失敗の後、普通のアフガン人がめったにそれほどがっくりさ
せられてきていないのを彼らは知っている。

少なくとも腐敗(汚職)がない政府を提供すると言ってもいいタリ
バンの魅力によって彼らが誘惑されるのを幾人かが認める。他には、
タリバンが国を支配したとき生じたような、才能あるアフガン人の
第二の国外脱出を警告している。

「よりよい暮らしを期待して私は2002年パキスタンの難民キャ
ンプからアフガニスタンに戻りました、そしてしばらくの間、私た
ちは幸せでした」と23歳の学生、ワリード・マスードは言った。
「でも、いまアフガニスタンはカブールでさえそれは多くの爆弾を
用いた殺しの拠点です。私は国を出たい。できたら、英国に行こう
としています。」

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/afghanistan/6359601/Talibans-Afghan-allies-tell-Barack-Obama-Cut-us-a-deal-and-well-ditch-al-Qaeda.html


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