◇ オバマが 米国の救済活動の共同議長にブッシュを指名すること
について

<An Unbroken Agony: Haiti, from Revolution to the
Kidnapping of a President(終わらない苦悩:ハイチ、革命から
大統領の誘拐まで)>の著者で、国際人権団体トランスアフリカの
創始者のランダル・ロビンソンに話を聞きます。オバマ大統領が、
ハイチでのアメリカの救済活動の共同議長にビル・クリントン元大
統領とジョージ・W・ブッシュ前大統領を選ぶことについて、ロビ
ンソンは、「ブッシュはハイチの民主主義つぶしの原因だった... 
クリントンは低賃金・長時間労働の搾取工場の観念を支える経済発
展計画をたいてい保証してきている... だがそれは、いま私たちが
集中するべきことではない。命を救うことに集中するべきだ」と言
います。

◇ 南アフリカに追放されたアリスティードは、ハイチの国を再建し、
悲嘆から威厳のある貧困へと進展するのを助けるため、ハイチに
戻りたいと言う

職を追われたハイチの大統領ジャン・ベルトランド・アリスティー
ドが昨日、南アフリカでの長期異郷生活から自由に意見を述べまし
た。 「彼らと共にハイチにいるべきだと、そして死をふせぐため
ベストを尽くしているべきだと、私たちは強く切に感じます」と、
アリスティードは言いました。「私たちに関する限り、今日、明日、
いつでも、ハイチの国民の仲間に加わるため、彼らの苦痛を分かち
合うため、国の再建を助け、悲嘆から威厳のある貧困にはかどる助
けをするために、出発する用意ができている。」

(以上、デモクラシーナウ!15 January 2010)

◇ 過去数十年におよぶハイチにおける米国の政策が 「自然災害の
影響がなぜこれほどまでに猛烈かの 基礎をお膳立てする」

(デモクラシーナウ!14 January 2010)

=======================================

■ ナオミ・クラインがハイチの災害資本主義に警告を発する:
またぎょっとたまげる前にそれを止めよ■デモクラシーナウ!
14 January 2010

 昨夜ニューヨークでジャーナリストで作家のナオミ・クラインが
講演し、ハイチの危機に注意を向けました。「自然災害であり、あ
る程度まで人為的災害の、この悲劇が、どんなことがあっても、
(1)ハイチをさらなる負債国にすることに、
(2)わが国の企業利益促進のために人気のない協調組合主義者の
政策を強引に通すことに、
利用されてはならないというのを、私たちは完全に明確にしておく
必要があります。これは陰謀説などではありません。それらは何度
も何度も、災難を招いてきています。」

エイミー・グッドマン:ハイチでたったいま起こっていることや誰
がすでに利益を得ているかについて、彼女が言ってることをもう一
度テープで再現してみることにします。

ナオミ・クライン:でも、私が「ショックドクトリン」でそれにつ
いて書いたように、安定の時代のもとでは強引に通せない政策を強
引に通すための口実として、危機はよく利用されます。極端な危機
の段階にある国々はどんな類の援助も欲しくてたまりません、そし
てその交換条件をきちんと交渉する立場にありません。

そしてまた、私はちょっと小休止してあなた方に解釈したくなりま
す、それはかなり驚くべきものです。これを私のウェブサイトに掲
載しました。見出しは「ハイチ:またぎょっとたまげる前にそれを
止めよ」です。これは数時間前、3時間前だと思います、ヘリテー
ジ財団のウェブサイトに掲示されたものです。

「受難のまん中でハイチの危機は米国に好機を提供する。ハイチの
いたましい地震に対する米国の反応、人道的支援を即時提供するこ
とに加え、地震は、その地域における合衆国のイメージを改善する
のはもちろん、ハイチの長く機能不全の政府と経済に新形態をとら
せる好機を提供する。」 と、どんどん続けます。

さて、事態が改善しているかどうか私にはわかりません、なぜなら
保守派のヘリテージ財団がハリケーンカトリーナで32項目の自由
市場主義の解決策を出すまでに13日要したからです。なお、私た
ちはその文書を私たちのウェブサイトに掲示しました。低所得者向
け公営住宅群の閉鎖、湾岸を免税の自由企業誘致ゾーンにする、契
約者に最低生活ができるだけの生活賃金を支払うことを強いる労働
法を厄介払いする、などでした。そう、確かにカトリーナの場合に
はそれを出す前に13日費やしました。ハイチの場合には、彼らは
24時間さえ待ちませんでした。

私が改善されたかどうかわからないと言う理由は、2時間前に彼ら
がこれに達したことです。つまり、高尚ではなかったと誰かが彼ら
に伝えたのです。それで彼らはずっと細心の注意を要する巧妙なも
のを提出しました。幸運にも、デモクラシーナウ!の調査報道記者
たちがグーグルのキャッシュに残っていたもっと早めの文書をうま
く見つけました。でも、いまあなたが見つけるものは、大いに寛大
な、「ハイチを支援する間に思い起こす実体」です。そしてその下
に覆い隠される文書は、「ハイチの民主主義と経済の長期的改革も
またひどく返却期限が過ぎている」と言います。

しかし、ポイントは、ハイチに行く援助は寄付金(授与)であって
ローンではないというのを、私たちは確かめる必要があります。こ
れはまったく決定的です。これはすでにどっかりと重く負債のある
国です。エイミーが言ったように、これは一方では天災の地震、他
方では私たちの政府がのっぴきならず掛かり合ってきている貧困に
よって悪化する産物の災害です。危機ーー天災はハイチのような国
ではなおさら悪い、なぜなら貧困とは人々が非常に非常にあてにな
らないやり方で建てていることを意味するため土地の低下があるか
らで、家は建ててはいけない場所に建てられるのでまさに滑り落ち
ます。このすべてがひとつの線につながれます。でも私たちは、自
然災害であり、ある程度まで人為的災害のこの悲劇が、どんなこと
があっても、1)ハイチをさらなる負債国にすることに、(2)わ
が国の企業利益促進のために人気のない協調組合主義者の政策を強
引に通すことに、利用されてはならないというのを、完全に明確に
しておく必要があります。そしてこれは陰謀説ではありません。そ
れらは何度も何度も災難を招いてきています。

エイミー・グッドマン:エシカル・カルチャー・ソサエティ(倫理
的体系文化社会)での昨夜のナオミ・クラインの話し。彼女は「シ
ョック・ドクトリン:災害資本主義の高まり」の作者です。

=======================================

■貧困者を一掃する■The Nation 22 September 2005
by ナオミ・クライン

 すでに、ニューオーリンズは劇的な人口比率の変化を見せており、
避難者にはその激しさを「民族浄化」と表現している人がいます。
レイ・ネーギン市長が2度目の避難命令を出す前、浸水してない地
域に戻っていったのは大半が白人でした。一方、帰る家を失った人
たちは圧倒的に黒人が多かった。断言しますが、これは陰謀説など
ではなく、単純な地形上の問題です。ニューオーリンズの富裕層は
高い所に家を買います。それが最も浸水しなかった地域が最も白人
が多い地域でもある理由です(フレンチクォーターは90%が白人。
ガーデン地区は89%、オードボンは86%です。隣接するジェフ
ァーソンパリッシュも帰宅が認められた地域ですが65%が白人)。
浸水しなかった地域の中にはアルジェーのように低所得層のアフリ
カ系アメリカ人の人口が多かった所もあります。でも、数十億とい
う復興予算にもかかわらず、住民たちが遠く離れたシェルターから
故郷に戻るための交通費は割り当てられていません。なので、たと
え再居住が許可されても、多くの人が家に帰れない恐れがあります。

低地に建てられた家に住み、居住支援計画のもとで生活していた数
十万の人々は、洪水でその両方を壊されてしまいました。でも、ド
レンネンは、もともとうまくいっていなかった地域が多かったと批
判します。今やこの街は、「21世紀流の思考法」を試す好機に恵
まれているのだと言います。ゲットーを再建するよりもニューオー
リンズは「混合所得」居住計画のもとに再建されるべきであり、貧
乏人と金持ち、黒人と白人が、隣同士で住むようになるべきだと言
います。

ドレンネンが言わなかったことがあります。こういった都市統合計
画はかなりの規模で、実は明日にでも実行できます。ニューオーリ
ンズの最貧の家のない避難民の約7万人は、帰宅した家のある白人
の近所に引っ越してくることができるのです。それも、なんら新し
く建設することなしに。ドレンネンが住んでいるロウアーガーデン
地区を例にとってみましょう。2000年の調査によれば、この地
区は17.4%という驚くべき空家率です。調査の時点で702戸
が空家でした。住宅市場は改善しておらず、またこの地区はほとん
ど浸水しなかったため、これらの空家はまだそこにあり、誰も住ん
でいないものと考えられます。他の浸水しなかった地域についても、
だいたい同様のことが言えます。家主が安い家賃で貸すよりは空家
のままにしておくことを好むため、フレンチクォーターは何年にも
および半分が無人地区になっていて、空家率は37%に上ります。

市全体の空家の数は衝撃的です。わずかな被害しか受けておらず、
市長が再居住を認めようとしている地域には、少なくとも1万16
00戸の空きアパートと空家が存在します。ジェファーソンパリッ
シュを含めれば、その数は2万3270戸にも達します。1戸につ
き3人が住むとすれば、おおよそ7万人の家が見つかるというわけ
です。20万人と推定される市のホームレス人口からすれば、住宅
危機のかなりの解消になるはずです。そしてこれは可能なのです。
シェイラ・ジャクソン・リーは15万人のカトリーナ避難民を受け
入れているヒューストン地区選出の民主党下院議員で、空きアパー
トを低家賃あるいは無料の住宅にする方法はあると言います。ある
法令を布告すれば、市当局は第8項証書を発行することができ、そ
れによって避難民は仕事が見つかるまで家賃補助を受けることがで
きます。ジャクソン・リー議員は連邦予算からそのような家賃補助
を出すよう定める法案を提出する予定だと言います。「実際に住居
を用意できる機会があるなら、それを追求するべき」だと、議員は
言います。

同様に興味深いのは、ブッシュ政権の対応でしょう。家のない住民
たちのニューオーリンズ帰郷のため、これまでに提案された唯一の
計画はブッシュによる奇妙な都市ホームステッド法です。フレンチ
クォーターでの演説で、ブッシュはその地域に存在する約1700
の空きアパートについて一言も触れませんでした。一方で彼が提案
したのは、連邦政府所有の土地を避難民に分配し、家を建てられる
ようにするためにくじ引きをやるというものでした。でも、新しい
家が建てられるまでに少なくとも数ヶ月はかかるでしょうし、貧し
い住民の多くが補助を受けたとしても、新築住宅のローンを支払う
ことなどできないはずです。そればかりか、そもそもこの施策は需
要をわずかに満たすことしかできません。当局はニューオーリンズ
にはわずか1000人分の土地しかないと試算しているのです。

真実はこうです。借家住まいの人々を住宅ローン払いの人々に変え
ようというホワイトハウスの決定は、ルイジアナ州の住宅危機を解
消するためのものなどではありません。過度の私有化が進められた
「所有権社会」を建設しようというイデオロギー的妄想にふけって
いるにすぎません。この妄想はすでに被災地全域を覆いつくしてい
ます。赤十字とウォルマートが救援物資を送り、ベクテル、フルー
ア、ハリバートン、ショーといったごろつきどもが復興事業の契約
を手中にします。彼らはこの3年間というもの、数十億もの金を受
け取りながら、イラクの主要な公共サービスを戦前の状態に復興さ
せることもできないでいます。「復興」という単語は、バグダッド
であろうがニューオーリンズであろうが、「莫大な財源の公共から
私企業への無制限の移動」の略語と化してきているのです。「経費
上乗せ」の政府との直接契約であっても、国家が新たな分野を企業
に競売で払い下げる形であっても。

強力な保守派ヘリテージ財団のワシントン本部で9月13日に行わ
れた会議では、こういった構想が堂々と主張されました。出席した
のはインディアナ州選出マイク・ペンス議員率いる100名以上の
保守派からなる共和党下院議員研究委員会のメンバーです。自由市
場主義擁護の立場から、ハリケーンカトリーナとガソリン高騰問題
に対する提案として、32項目が挙げられました。学校バウチャー
制度、環境規制の撤廃、「北極圏国立野生動物保護区での石油試掘」
などがこれに含まれます。明らかに、こういった施策が骨抜きにさ
れた公共部門がもたらした被害に対し救援策になるとこじつけられ
ています。でも、それも最初の3項目を読むまでのこと。「被災地
域でのデービス・ベーコン普通賃金法の自動停止」、「影響地域を
均一課税の自由企業地域に」、「全体地域を経済競 争地域に(包括
的税制優遇と規制撤廃)」と、すべては法制化を待つばかりです。
すでに大統領命令として布告されているものもあります。

ヘリテージの会議でこの項目を作成した人たちは、ルイジアナ州各
地のシェルターで現在活動している500人のサイエントロジーの
ボランティア聖職者とどこか似ているところがあります。「文字通
り、ハリケーンを追ってきました」と、教会監督者のデイビッド・
ホールトは私に言いました。なぜ、と尋ねると、彼は「何かをなす
べきだ」と書かれた黄色い横断幕を指さしました。何について、と
尋ねると、彼は「あらゆること」と言いました。

そう、ネオコンの狂信者も彼らと変わりはないのです。彼らの「カ
トリーナ救援」施策とは、あらゆる問題についての解決策として、
常に持ち出されるものと変わりないのです。でも、みごとな災害ほ
ど彼らを奮い立たせるものはありません。ブッシュが言うように、
一掃された土地は「好機地帯」であり、兵員を増やし、信念を強化
し、もろもろの法規を最初から書き直すこともできる「絶好の機会」
なのです。でも、もちろん、いくらかマッサージも必要というわけ
です... いいえ、援助というのでした。

(以上は、反戦翻訳団による記事から抜粋したものです。)
△全文はこちらからお読みください↓
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50062272.html
▲原文:Purging the Poor
http://www.thenation.com/doc/20051010/klein
△関連記事:カトリーナの被災地に群がるハゲタカども
ルモンドディプロマティーク
http://www.diplo.jp/articles05/0510.html


♯お知らせ♯

きままなブログを始めました。よりのんきでよりビジュアルな内容に

なっています。こちらもごひいきに。

http://tequilamama.blogspot.com/