■君の下着を手放さないで
これは国家の非常事態ではない■
tomdispatch
by Tom Engelhardt 14 February 2010

テロの時代のアメリカ人の生活をある種の情況に置かせてください、
そうすると、イエメンに向かうのはおろか、どこに向かう最短の飛
行機にも乗る用意はできてないとなる。

FBIによると、2008年に1万4180人のアメリカ人が殺害され
た。その年、米国で3万4017件の致命的な自動車事故があった。
さらに、アメリカ消防当局は火事による死者は3320人だと言う。
疾病管理予防センターによると、2009年4月から12月半ばの
豚インフルのアメリカ人死者は1万1000人を超える。喫煙に関
連する病気で毎年平均仰天するほどの44万3600人のアメリカ
人が死ぬとアメリカのガン協会は報じる。食べ物によって運ばれる
病気から毎年5000人のアメリカ人が死ぬ。2007年、虐待ま
たは無視から推定1760人の子どもが死んだ。そして全米気象サ
ービスによると、翌年、竜巻126人、浜から沖に向かう強い表面
の流れ=離岸流67人、鉄砲水58人、稲妻27人、なだれ27人、
砂漠の塵旋風1人を含める気象関連の条件で560人のアメリカ人
が死んだ。

航空機の災難はどうかといえば、輸送された15億人の乗客にもか
かわらず、2007年も2008年もアメリカの航空会社の墜落で
アメリカ人は死ななかった。2009年には確かに墜落して人が死
んだ。たとえば6月、リオデジャネイロからパリに向かうフランス
航空が悪天候のなか大西洋上で消息を絶ち、226人が死んだ。近
距離区間の定期航空路線コンチネンタルコネクション3407便が
2月にニューヨーク・バッファロー近くの家屋に墜落、50人が死
んだそれは2006年8月以来のアメリカ民間航空の惨事にいたる
墜落だった。そして2009年1月、鳥の群れに襲撃されて大惨事
になっていたかもしれない時にUSエアウェイズ1549便がニュ
ーヨークのハドソン川に見事な着陸を成し遂げた。2007年に2
人のテロリストがグラスゴー国際空港のターミナルにプロパンタン
クを満載したジープチェロキーを激突させたが、ここ何年もテロの
せいで航空機はどこであれ一機も墜落しなかった。(ひとりも殺さ
れていなかった。)

2009年のクリスマスにアブダルムタラブと爆弾を積んだ下着を
デトロイトに向かって行かせた不名誉のノースウェスト航空253
便には290人の乗客と乗務員がいて、全員が無事だった。処理が
まずかったアブダルムタラブが実際に成功していて、その死者数は
2008年のネバダの交通事故死亡数324人に匹敵しなかった。
おまけにテロリズムから4機の253便が破壊されていて、ニュー
ヨーク州の2008年の交通事故死者数1231人に匹敵しなかっ
た、そのうちの341人、または253便の乗員乗客より51人多
い犠牲者が、「アルコール死亡数」として分類された。

23歳のナイジェリア人が彼の爆弾を爆発させていて、搭乗した
人々には悪夢だったろうし、彼らをよく知る人たちには悲劇だった
はずだ。それは確かに、論じられる必要のあった安全性と保安措置
の問題を提示してきている。だが、それは国家の非常事態でもなけ
れば、国家安全保障の危機でもなかった。テロリストの介入なしに
時々起こること、空からノックアウトされるたった一機の飛行機、
それ以上のなにものでもなかったはずだ。

http://www.tomdispatch.com/post/175206/tomgram%3A_engelhardt%2C_fear_inc.__/


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