■スクープ記者が軍部から逮捕のおどし■デモクラシーナウ!
24 March 2010

インドネシアで調査ジャーナリストのアラン・ネアンが逮捕の危険
を経験しています。米国が援助するインドネシア軍が昨年、数人の
民間人活動家を暗殺したことを暴いたためにです。デモクラシー・
ナウ!の3月19日の放送でネアンがこの独占記事を報じて以来、
インドネシアの報道メディアは大騒ぎになりました。軍の広報官が
ジャカルタ・グローブ紙に語ったところによれば、軍はネアンに対
し法的措置を検討しています。これに対してネアンのほうも、そう
なれば公開法廷で一切を明らかにしてインドネシア軍と対決できる
として、今日、「逮捕してみろ」と、おおやけにインドネシア軍を
挑発しました。

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◇ 独占記事:オバマによって米国の支援再開が始まる
インドネシア軍が新たな暗殺に関与

デモクラシーナウ!の独占記事で、米国が援助するインドネシア軍
が2009年後半に一連の民間人活動家の暗殺を実行したのを調査
報道ジャーナリストで活動家のアラン・ネアンが明らかにします。
インドネシア軍への支援を拡大してコパサス(Kopassus)として知
られる悪名高きインドネシア軍特殊部隊への12年間の訓練禁止を
解くのをホワイトハウスがめざすとき、このニュースが出てきます。
暗殺を手配した、米国仕込みのコパサスの軍司令官は、ネアンに対
し、人殺しでのインドネシア軍の役割を確認しました。

(デモクラシーナウ!19 March 2010)

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ホアン・ゴンザレス:ホワイトハウスは、インドネシア軍への援助
を増やしてコパサスとして知られる悪名高きインドネシア軍特殊部
隊の12年間の訓練禁止を解く方向に近づいています。1950年
代に編成されて以来、その特殊部隊は、東ティモール、アチェ、パ
プア、そしてジャワにおける、多大な人権侵害に結びつけられてき
ています。

月曜、コパサスが過去に人権侵害を犯していたと国家安全保障会議
のジェフリー・バーダーは認めましたが、オバマ政権を引き合いに
出し、「過去を追い払い、それらの懸念を晴らすという点で、期待
はできる」と言いました。

エイミー・グッドマン:オバマ大統領は来週インドネシアに行く予
定でしたが、ホワイトハウスは連邦議会のヘルスケア交渉のため6
月まで短い旅行は延期されると発表してきています。インドネシア
への往復は、大統領就任以来バラク・オバマが初めてインドネシア
に帰ることで注目されています。子ども時代に彼は数年間インドネ
シアで暮らしました。
ところで、米国仕込みのインドネシア軍とコパサスの武官による暗
殺の新たな調査をめぐって、昨日、私は調査報道ジャーナリストで
活動家のアラン・ネアンと連絡を取りました。私は東南アジアにい
る彼と連絡を取りました。

アラン・ネアン:オバマ大統領はコパサス(レッドベレー)を含め
るインドネシアの軍隊に軍事支援を復活させたい。私はちょうど、
インドネシア軍とコパサスが最近の一連の民間人政治活動家の暗殺
に掛かり合ってきたことを示す記事を発表してきています。記事は、
Sunarkoという名のコパサスの軍司令官を含める掛かり合った武官
らの名前を挙げます。これらの暗殺は2009年後半にアチェ州で
実行されました。

彼らは独立賛成のアチェの活動家、Partai Acehを標的にしました。
ひとつの事件、Tumijanという名の男性の場合、彼は誘拐されて、
死ぬまで拷問されました。死体は軍の駐屯地近くの下水溝に投げ捨
てられました。もうひとりの男の場合、彼は自宅の外のクルマのな
かに座っていました。暗殺者がつかつかと近づいて窓越しに彼の頭
に2発銃弾を撃ち込みました。

これらの殺人について詳細な情報を持つインドネシアの上級役人に
よると、彼らは、TNI、インドネシア陸軍、コパサスと軍情報部に
よって実行される政治的殺人に属する計画の一部です。従って、こ
の人殺しは今日もまだ続いています。そして、インドネシアの軍隊
は改善されてきており、民間人殺しを止めてきている、これを口実
に、オバマが彼らに新たな援助を与えようとしているのは誤りです。

エイミー・グッドマン:どうやってあなたはこれを知ったのですか、
アラン?

アラン・ネアン:インドネシア政府内部の人間から、彼らは幾人か
の殺し屋とそれに取り組む武官の名前を明かしました。そしてちょ
うど数時間前、私はAditya軍司令官と電話で話しました。彼はアチ
ェの警察の長官で、軍のために働いていた暗殺者の幾人かを実は彼
の警察が拘留していたことを認めました。何ヶ月も彼らを拘留して
いましたが決してこれを公表しませんでした、なぜなら、怖くてで
きなかったからです。警察は軍隊を恐れます。でも、それについて
彼に直接尋ねたとき、彼は初めて公にそれを認めました。インドネ
シア警察がこれを確認してきています。彼らは知ってはいても、行
動するのを恐れています。インドネシア陸軍とコパサスは民間人を
殺すプログラムに手を出しています。そしてたった今もそれは活動
中です。そしてオバマは、また彼らにアメリカの兵器と訓練と金を
与えたがっています。

エイミー・グッドマン:なぜオバマ大統領は彼らにこのお金を与え
たいと思うのでしょうか?私たちはテロ戦争についてどっさり聞か
されていると思いますよ。

アラン・ネアン:そうですね、まず、ホワイトハウスは残虐行為は
過去のことであるとの主張を用意します。インドネシア軍は数十万、
ことによると100万人近い一般市民を殺してきています。でも、
ホワイトハウスはそれは過去だと主張します。だが、私がまさしく
説明してきているように、それはウソ、真実ではありません。次に、
ホワイトハウスはインドネシアの軍隊を使ってインドネシアのイス
ラム教徒のテロ集団と戦いたいと主張します。彼らは、インドネシ
ア軍とDensus 88と呼ばれる反テロリスト特殊部隊を使いたがりま
す。 Densus 88は、今はブラックウォーターのコファ・ブラックの
主導の下(公式にはCIAの主導の下)初めからアメリカの諜報機関
によって考案された警察のスワット隊式の機動部隊です。2日前、
私はこのDensusの人間と会いました、彼らがどんなか、監視を含め
る戦術でCIAの人間によってジャカルタやどこか他でどうやって訓
練されたか、どうやって人々を追跡し、かっさらうか、そして拷問
の仕方を説明してくれました。

エイミー・グッドマン:アラン・ネアン、6月までオバマ大統領が
インドネシアへの往復を延期することの重要性について話してくだ
さい。

アラン・ネアン:インドネシア軍と結んでいた協定を今後なお進め
る可能性はまだあると私は思います、なぜなら、この数日間、東ア
ジア担当国務次官補カート・キャンベルを含める他の高官らがイン
ドネシアにいるからです。米国の軍司令官らがインドネシアに来て
います。それどころか、未決定の兵器に加えて、コパサスの将軍も
ワシントンに行っており、オバマの部下たちに歓迎されています。
彼らはこの新たな契約の詳細をすっかり作り上げていました。たと
えオバマ自身が訪れなくとも、彼らがこの協定をなお強引に通過さ
せようとする可能性はあります。すなわち、部隊が残虐行為に掛か
り合うせいで訓練を禁止する米国議会の改正案を巧みに回避するた
め、彼らはすでに発表された計画を推進するかもしれないというこ
とです。

しかしながら、賢明に、実際の立場から言えば、たぶん少なくとも、
あの協定の側面を政治的にくつがえすことは可能だろうと思います。
それが可能だと考えるさまざまな理由があります。東ティモール・
アクション・ネットワークはそれを阻止するキャンペーンを行って
います。ちょうどこの数時間に、人権団体とアチェのテロの生存者
たちが、コパサスの訓練を拡大しないようオバマに求める声明に加
えて、立場を明らかにしてきています。それゆえ、協定はことによ
ると止めることができるかもしれませんし、みんなが下院とホワイ
トハウスに渡りを付けて、インドネシアに対する軍事援助すべてを
削除するよう要求すべきだと思います。また、東ティモール・アク
ションのウェブサイトに行くことで、みんながコパサスから見た問
題の様相について詳細を手に入れられます。

エイミー・グッドマン:でも、この、テロリズム、イスラム教徒の
テロの問題、それについてもっと叙述してもらえますか?

アラン・ネアン:インドネシアには目下、数百人を殺してきている
イスラム教徒のテロ集団がいます。彼らはジャカルタの高級ホテル
をめちゃめちゃに爆破しました。彼らはナイトクラブをめちゃめち
ゃにしました。彼らはバリで2つのナイトクラブをめちゃめちゃに
爆破しました。彼らは近年に数百人を殺害してきています。 他方で
は、インドネシア軍と警察が数十万〜百万、これだけの数を殺害し
てきています。長いこと、インドネシア軍と警察はイスラム教徒の
テロ集団のスポンサーでした。軍と警察は彼ら自身の目的のために
テロ集団を利用してきています。ポソ(Poso)やマルカス(Malukus)
に彼らを送り込みました。インドネシア軍の将軍らは彼らを援助し
ます。彼らはインドネシア軍の輸送機で行動を続けます。キリスト
教徒の村を襲撃するのに彼らを使います、その一方で、軍と警察の
他の部隊がキリスト教徒の村を支援します。当時のワヒド・インド
ネシア大統領の政権を不安定にしようとしてカオス状態を引き起こ
すことが目的でした。そしてそれはうまくいきました。

他の折に、アチェの独立運動支援をみんなに捨てさせようと、イン
ドネシア軍はラスカル・ジハードというイスラム教徒のテロ組織を
アチェに送り込みました。彼らはただちにアチェ人によって追い出
されました。インドネシア警察は、十分なワイロ(警察へのワイロ)
を寄こさないバーを爆破してつぶすため、ジャカルタでイスラム教
徒の服を着てあちこち歩きまわるFPIと呼ばれるグループ、イスラ
ム・ディフェンダーズ・フロントを支援してきています。目下の事
情では直接インドネシア大統領(スシロ・バンバン・ユドヨノ将軍)
に報告する当時の大統領情報機関には、ラスカル・ジハードに報酬
を支払って彼らをパプアに送り込んだ過去があります。

パプアはインドネシア東部の州、そこは事実上、インドネシアの軍
隊とコパサスによる占領下にあります。時にはこのイスラム教徒の
勢力を使って、時には直接コパサスの部下を使って、彼らはそこで
テロ作戦を指揮しています。そこでは誘拐、暗殺がありました。あ
るケースでは、反テロ勢力Densus 88がパプアで行動を始め、スシ
ロ大統領に批判的なSMSテキストメッセージを送っていたせいで男
を逮捕しました。それどころか、ここには、携帯電話を使って大統
領を批判するメッセージを発するからと平和を好む民間人を逮捕す
るCIA仕込みの仮定上の反テロ部隊がいます。この特殊部隊Densus
はオバマの訪問で注目されるグループのひとつだろうと期待されま
す。そして、彼が米国との彼らの仕事ぶりに強い光を当てるものと
予想されます、ことによると、彼らに対する新たな支援を発表する
ことも予想されます。

ここ数週間、オバマの訪問の準備段階で彼らはこのさまざまなイス
ラム教徒のグループに一連の急襲を行ってきています。彼らは若干
を殺害し、他に多数を逮捕してきています。彼らはつながりがある
と主張したモスクから人々を逮捕してきています。先日、ある警察
の司令官が非公式に述べるように、彼らはオバマのために見せかけ
ているのです。新しいヘリコプター、新しい輸送機、新しい尋問装
備、知識や訓練を手に入れたい、もっとたくさんの携帯電話、もっ
とたくさんの監視装備でスパイする、もっとたくさんのコンピュー
タを手に入れたい。彼らは合衆国からより多くのなにもかもすべて
を欲しがります。そして、彼らが長い間スポンサーだったイスラム
教徒の運動の故に人々を殺すことで、それがアメリカに売り込むこ
とだとイヤミっぽく期待します。それは現実に、パキスタンとISI
(軍部門の諜報機関)に関して幾つかの点で同類です。

インドネシア軍への援助を更新する、あるいは援助を増やすことで、
この推進はリベラルな民主党のオバマ大統領に影響を受けています。
オバマには人権担当の国務次官補としてマイケル・ポズナーという
男がいるのに、こういうことになっています。マイケル・ポズナー
はアメリカの主要な人権擁護者のひとりだった人です。彼はニュー
ヨークで後に人権第一(Human Rights First)と改名される人権弁
護士委員会 (Lawyers Committee for Human Rights)というグ
ループを指揮しました。たとえば、CIAのアセッツ(役立つ人間)
だったMuchdi将軍とHendro Priyono将軍による大統領諜報機関
BINによって暗殺されたインドネシアのトップの人権弁護士Munir
の事例において正義のため奮闘することで、彼らは非常にすぐれた
働きをしました。でも、ポズナーはいま国務省にいます。彼は国務
省の人権局を指揮しています。そしてすべての報告書によって、彼
とオバマ、他の人たちは、議会の制限を巧みに回避して、私が今日
報告しているように、アチェ州におけるここ最近の政治活動家暗殺
の高まりに関与してきている軍勢のひとつで、最も悪名高い人殺し
軍勢、コパサスへの援助復活と訓練支援の復活を強引に通す準備を
しているのです。

エイミー・グッドマン:アラン・ネアン、インドネシアへの軍事援
助の全面的復活にはどんな効果があるのでしょう?

アラン・ネアン:それは民間人のいっそう多くの殺害を意味するは
ずです、というのもインドネシアの軍隊と警察にいっそう自信を持
たせることになるからです。軍と警察を恐れるいっそう多くの理由
があるとのメッセージをインドネシア国民に送ることになります、
なぜなら、その軍勢には支援するアメリカの全面的優勢があるのを
国民が思い描けるからです。まさに、世間一般のレベルで、さらな
る死、さらなるテロを意味することになるでしょう。

他方では、また1990年代にあったこととは異なる状況の事例で
もあります。1990年代、私たちが生き残った大虐殺、占領地東
ティモールでのDili大虐殺の後、東ティモール・アクション・ネット
ワークを含める草の根運動が合衆国で生じました、そして私たちは
すっかりインドネシアへのたくさんの軍事援助を打ち切るよう議会
に圧力をかけることができました。あれはスハルト将軍の独裁下で
した。そしてあの打ち切りはインドネシア国内で巨大な効果があり
ました。現実にスハルトの失脚の一助となりました。それはスハル
トの元保安長官、アドミラル・スドモが私に伝えたことです。打ち
切りは彼らに非常にダメージを与えていました。スハルト打倒を助
けました。

その後、何年かで、援助の多くが徐々に復活してきています。でも、
インドネシアは軍の力が今すぐに不安定な状態にはありません。民
衆の運動が非常に脆弱です。多数の中流のNGOの人々を含める中流
階級の多くがどうしても政権によって買収されてきています。彼ら
には非常に快適な生活があります。国外在住者には非常に快適な生
活があります。日常的に警察によって脅迫されている(パプア州の
ような要所では軍隊によって脅迫される)国の非常に大多数の貧乏
人でさえ、インドネシアは民主主義の新モデルだとの主張をしてい
ます。

確かに、ちょうど今、もし米国が軍事援助を打ち切れば、以前の打
ち切りがスハルトを打倒するのを助けたように、あたかも軍隊を打
倒できるというわけではありませんが、軍事援助にはインドネシア
人が経験する殺しと拷問をまったく増加させるという二義的な効果
があるのです。実際、オバマがそれをするとなれば、彼は判断を踏
みとどめられるべきです。

彼としては特に常軌を逸しています、なぜならオバマは実際にイン
ドネシアを理解するアメリカ大統領だからです。彼がインドネシア
に住んだのは幼い少年のときでしたが、目下の政権を権力に導いた
大虐殺、1960年代に行われていた大虐殺について彼が知ってい
たのを本のなかで明らかにします。軍部が初代大統領のスカルノを
排除しました。その多くが共産党の党員だった40万人以上の田舎
の農民が処刑されたことで、米国はその恐怖政治を後援しました。
CIAは彼らがコミュニストと呼んだ5000人の反体制派リストを
与えました。また、彼らは銃殺され、絞め殺され、めちゃくちゃ切
りつけられて死にました。そしてオバマはこのすべてについて知っ
ていました。彼はのちにそこで暮らしました。彼は本にそれについ
て書きました。そして彼は頭の切れる男です。彼が東ティモールの
侵略の顛末を知っていると私は確信します。それはフォード大統領
とヘンリー・キッシンジャーによって正当と認められました。ごく
最近のアチェのテロについて、進行中のパプアの事実上の占領につ
いて知っていると確信します。それにもかかわらず、TNIはインド
ネシアの小さなイスラム教徒のテロ集団と戦うための機関であると、
実に見え透いたばかげた理由で、彼はおそらく援助の復活、米国の
兵器と訓練をこの軍隊に拡大することに従事するのです。

エイミー・グッドマン:調査報道記者アラン・ネアンとのこのイン
タヴューを録音した後、彼が電話をくれて、最近の暗殺を手配した
コパサスの将軍と話をしたと言いました。殺害におけるインドネシ
ア軍の役割を将軍が認めたとアランは言いました。そして将軍はま
た、「なおいっそう親密」である例証として挙げて、自分は米国仕
込みであり、米国をコパサスとインドネシアの軍隊に関係させるオ
バマの計画について熱狂的であると彼に伝えました。


♯お知らせ♯

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なっています。こちらもごひいきに。

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