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真の変革は危機状況によってのみ可能となるーー徹底した自由市場
主義を主張した経済学者ミルトン・フリードマン

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人々に恐怖を植えつける災難はみんなの抵抗力を奪うために綿密に
計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利
用されてきたーーフリードマンの主張を「ショック・ドクトリン」
と呼び、現代の最も危険な思想とみなすナオミ・クライン

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■大失敗の資本主義がヨーロッパ(次いで米国)に痛手を与える■
 ガーディアン紙 9 July 2010 by Mark Weisbrot

ユーロ圏の政府とヨーロッパ当局は右派の路線転換を押し通すのを
正当化するため経済を利用している

もし私たちが新聞記事の大部分を信頼するなら、少なくともはっき
りしないユーロ圏の経済情勢について、一つの点ではっきりさせる
べきである。これは、資力以上に金を使って手に負えない公共負債
を積み重ねるせいで、国々が「ジレンマ」に立ち向かう局面ではな
いのだ。「金融市場を満足させる」ために、経済が下向きになるか
または景気後退するうち、支出カットと増税を強いられる「つらい
選択肢」に彼らは直面してない。

実際に先へ進んでいるのは、スペイン、ギリシア、アイルランド、
ポルトガルを含めて、これらの国々の内部で強力な権益(利害関係)
が、必要とする変化をもたらす局面につけ込んでいるということだ。
恐らくもっと重要な点で、どのような資本救済措置たりとも財布の
ひもを握っている欧州委員会、欧州中央銀行、IMF国際通貨基金を
含めて、ヨーロッパ当局は、右派の路線転換に対して中央政府以上
に打ち込んでいる。おまけに彼らはどんな有権者に対しても説明義
務から遠くはずされる。

シモン・ジョンソン(IMFの元チーフ経済学者)とJames Kwakに
よる「13 Bankers:13人の銀行家」の中で、執筆者たちは90年
代の新興の市場危機を説明して、必要とする変化を促進するのにワ
シントンがその危機を活用したと書き留める。「現存の経済エリー
トが国を重大局面に追いやっているときが変化のための好機。また
重大局面そのものが変化にとって、束の間だが、またとない好機を
もたらす。」「ショックドクトリン」の著者、ナオミ・クラインは
退行する受けが悪い経済「改革」を取り入れるか堅実にするのにい
かに危機が利用されてきているかでお見事なヒストリーを用意する。

ちょうど今、ユーロ圏経済に持ち上がっているのがこれだ。とは言
え、「重大局面」は大部分の国で相当に誇張される。スペインが適
例だ。政府の超過出費がデータによって立証されないためにスペイ
ンは困ったはめになるという話だ。スペインは2000ー2007
年から、GDP(国内総生産)の59%から36%まで経済が強くな
るに従ってGDP対比でひどい借金の割合をはっきりと減らした。そ
して2008年の墜落より3年先に財政黒字になっていた。株価の
大バブルに加えて、スペインではすごい住宅供給バブルの崩壊によ
って墜落は誘発された。これらそれぞれのバブルの暴落は個人消費
を減らすことで大変な効果があった。世界不況がスペインの経済に
もっと大きい対外的打撃を付け加えた。

スペインの今年度来るべきはずの負債額(わずか61bnユーロ)は、
ヨーロッパ当局がもしスペインの負債で上がる金利の可能性を避け
たければ、ヨーロッパ当局はいとも簡単に買い支えることができた。
金利急騰がなければスペインの負債は全く扱いやすい。

もちろん、スペインは今年度GDPの約9%という中央政府の大きい
財政赤字の成り行きになっており、これがいつもでも続くはずがな
い。だが赤字はそうはいかない。経済が成長し、税収が増し、失業
補償のような「自動的安定装置」に基づく支出が減り、負債が経済
と比較して低くなると同じ程度にうまくいく方法により一変するプ
ロセスを通して赤字はほとんど減る。経済がまだ非常に弱い現在、
支出を減らし増税するのは理にかなわない。インフレはマイナスで、
不況にあと戻りする重大な恐れがある。

目標が、公共部門の給与や恩恵を減らし、労働力を削ぎ、所得を上
に分配し直して小さな政府に変えることを除いては、次にこれらの
事共を強引に押し通すのに今よりいいときはない。いまだ深刻な政
治的難問ではあるが、アメリカ合衆国でも同じようだ。たとえ次の
33年間に約束の全額を支払う見通しとしても、劣勢のタカ派が社
会保障を取り除くキャンペーンを開始している。

皮肉にも、スペインの「危機」に乗じる人々が、実際にそれ以上の
本格的な負債問題のリスクを増大させている。彼らの財政上の引き
締め措置によって経済が低迷するかまたは何年も停滞するとすれば、
負債の重荷は高まるものだから。


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