■パキスタンのテロ行為をCIAが指図して資金を注ぐ■
Wired誌 21 September 2010 by Spencer Ackerman

CIAのアフガン殺人チームが米国のパキスタン戦争を拡大する

パキスタンでアメリカが交戦中なのに、違いないとしよう。単なる
無人機攻撃などではない。インサイダージャーナリスト、ボブ・ウ
ッドワードの新著(27日発売)によれば、CIAが、きわめて有害
な多数のアフガン戦士の一隊をうまく使い、パキスタン内に潜入さ
せて、アルカイダの基地を攻撃する。なんと、ひょっとしたら失敗
することもあった?

ワシントンポスト紙とニューヨークタイムズ紙に21日抜粋された
ウッドワードの「オバマの戦争」は、侵入しやすいアフガニスタン・
パキスタン国境を考慮に入れない反タリバンと反アルカーイダの地
元民兵隊、テロリスト報復追跡チーム(Counterterrorist Pursuit
Teams)と名付けるCIAの取り組みを明かす。チームは実質上、旅
団(大隊)の大きさ:アフガン人3000人の"準軍事的組織軍"、
米軍が軍事行動をとるのを許されないパキスタンの過激派の安全な
避難所を静かに平気で超えることができる、"よく訓練された精鋭"
と書かれている。CIAはチームに指図して資金を供給する。

政府当局は、彼らについて大口をたたいたチームの存在を全く認め
なかった。匿名の条件でやっと話し、さらに詳しく述べようとしな
かったある政府役人が、「これは屈指のアフガン戦闘部隊で安定と
治安で主要な貢献をした」と言う。

チームは根っからアフガニスタン戦争のパラドックスの暗黙の譲歩
だ:戦争が根拠を置く敵、アルカーイダとその首位の盟友(味方)
はもうアフガニスタンにいない。CIAと米軍ともによって飛ばされ
る無人機は、パキスタンの彼らの安全な避難所に対して1つの答え
だ。(火曜日さらに二度の無人機出撃がパキスタンの部族地域を襲
って、今年合計少なくとも71度の出撃に至らせる。)さらに、か
なり危険な不道徳行為に携わるため、アフガン国境を越えての時々
の奇襲部隊も、パキスタン軍の訓練と見せかけて軍事行動をとる特
殊部隊をあてにするでも、襲撃を開始することになっている。なお
その上にもう一つ、ブラックウォーターのような民間警備会社に加
えて、対アルカーイダ"スナッチ(強奪)&逮捕"オペレーションズ
を外部から調達することになっている。

けれども、テロリスト報復追跡チームは、もっと旧来の数十年使い
古したCIAパターンに従う。あからさまな米国の軍事行動に乗り出
すことが政治上も軍事上も実行できないとき、その時が、あなたが
たの代りになるかなりの地元の代理部隊を訓練し、装備させ、資金
を用意するチャンス。1980年代の反ソ連アフガニスタンのムジ
ャーヒディーン(イスラム教徒ゲリラ)または2001年に米国を
助けてタリバンを政権から追い出した北部同盟が戻るのを喜んで迎
える。

だが、米国が彼ら代理部隊を支配できないという、まさにこの歴史
もまた証明する。ソヴィエト撤退(CIAの金の終わり)あとにムジ
ャーヒディーンの内部分裂が1990年代のアフガニスタンの内戦
に追いやり、それがタリバン台頭への道を開いた。彼らCIA丸抱え
戦士の1人がGulbuddin Hekmatyarで、目下のところアフガニスタ
ンでの重要な米国の対戦相手である。2001年カブール猛進の間
に北部同盟の司令官Abdul Rashid Dostum(ドスタム将軍)は、何
百、ことにすると何千とさえ、タリバン捕虜を殺した。彼は同時に
CIAに雇われていた。

それ故、テロリスト報復追跡チームがアフガニスタン内部でふりを
する危険がある。CIAは彼ら戦士をそこらから補充しなければなら
ない。政府機関はその代理戦士がどこからどうやって来るかについ
て疑問に答えようとしないと同時に、CIAはまたカンダハルに配置
された民兵組織の忠誠と引き換えにカルザイ大統領の兄弟、地元の
パワーブローカー、Ahmed Wali Karzaiに利益をもたらす。そんな
将軍の塹壕に囲まれている状態が最終的にアフガン政府を蝕むのを
恐れて、米軍は請け負いの慣習を変えることでそんな将軍の影響を
なんとか制限しようとやってみている。CIAは多分、気をもむほど
でないだろう。

そうは言っても、米国に対する憎しみが波立ち、政府の過激派に対
するきずなが深く、そしてアメリカの戦闘部隊の存在で政治的な束
縛がいつまでも変わらないと判明するパキスタンに対して、米国に
多くの選択肢があるでもない。ウッドワードの本が明らかに提出す
る非凡な政治的注釈のひとつは、アフガニスタン戦争を終わらせる
でも、パキスタンの米国の重要な敵に弔いの鐘を仕立てる確実な選
択肢を見つけるでも、オバマ大統領の無能力だ。安全な避難所に打
撃を与える計画を携えてCIAが大統領執務室にやって来るとき、た
とえどうリスクに満ちていて、その計画がブローバック(諜報部員
が外国で流したものが本国へ逆輸入)するとしても、オバマがそれ
を認可するのは何でもサプライズか?

http://www.wired.com/dangerroom/2010/09/cias-afghan-kill-teams-expand-u-s-war-in-pakistan/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+wired%2Findex+%28Wired%3A+Index+3+%28Top+Stories+2%29%29

▲ 22日付の米紙ワシントンポストは、同紙の著名ジャーナリスト、
ボブ・ウッドワード氏の新著「オバマの戦争(オバマズ・ウォーズ)」
の抜粋として、米情報機関が報告書でアフガニスタンのカルザイ大
統領について「そううつ病」を患っていると指摘したと報じた。
新著の抜粋によると、米国のアイケンベリー駐アフガン大使は、カ
ルザイ大統領がそううつ病の「薬を服用したりしなかったりしてい
る」と述べたという。

(時事通信 2010年9月23日)


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