▼オレンジ色の網ではなく、言論の自由を▼
Progressive Portal 01 Sep 2004

ここ数日のニュースを主流のメディア、特に放送されたニュースで聞い
ていると、ほとんど知らない可能性がある。スポットライトが共和党全
国大会(RNC)のなかに移動している今、ニューヨーク市警(NYP
D)はデモ参加者に対して、ますます攻撃的な作戦を使い始めていた。
作戦が、秩序を維持することより、憲法に違反する言論の自由を抑え込
むことに狙いを定めるのは明白である。

デモ行進の指導者たちは、指定されたルートに沿って前進することがで
きると警察に言われている。そうして、数ブロック行くと、見物人やニ
ュースメディアや法定監視人といっしょに、多数のデモ参加者がたちど
ころに逮捕される。

デモ参加者は、不潔で危険な間に合わせの収容施設に連れていかれ、大
部分が法廷に召喚され認否を行われたり釈放されることなしに、法律で
定められた24時間のタイムリミットより長く拘束される。

非暴力のデモ参加者は動物みたいに巨大なオレンジ色の網の中に捕らえ
られる。

少なくとも、ひとりの妊婦を含む、抗議者たちは食事や水なしに24時
間以上拘束されている。(偶然にも、先週日曜の大規模なデモの最中、
市警察当局は自分とこの人間に水を供給するのも忘れてしまった。指揮
官は警官のドリンクを求めてコンビニに走らなければならなかった)

デモが圧倒的に非暴力のまともなものであり、警察の指令に従おうと試
みるものだという事実にもかかわらず、このすべてが起きている。実践
すべき予定表が、公共の安全より、政治的駆け引きですることがあるの
は明瞭だ。

さあ、行動しよう

最後に報告。憲法上の基本的権利もなく、数百人がまだむさくるしい状
態の下で拘留されていた。デモ参加者ではなく、法定監視人としてそこ
にいた若干の公明正大な弁護士がその一斉検挙に含まれた。そして木曜
日、ジョージ・ブッシュのいるニューヨークで警察が何をするつもりか
誰が知る?

ニューヨークの意志決定者のもとに、全米くまなくと世界中からのメッ
セージをあふれさせよう。どうか緊急アクションの警報を鳴らすサイト
を訪れて、ニューヨーク市長、警視総監、警察再審理委員会にE メール
とファクスを送って下さい。私たちはニュース報道番組のアンカーたち
にも連絡して情報を提供し、マジソンスクエアーガーデン内の手の込ん
だ宣伝にではなく、党大会周辺のストリートで起きてることに、もっと
留意するよう説得をする。

http://www.progressiveportal.org/alerts/?action

▼不正手段の恐れ▼ by ポール・クルーグマン
The New York Times 27 July 2004

選挙の夜、早い開票速報が現職の苦戦をほのめかす。すると、わけあり
げに票の集計が止まり、挑戦者の選挙キャンペーン陣営の監視人たちは
郡当局の者であることがわかるバッジを付けた投票マシーン会社の従業
員たちが票のデータを読み込み最終的に表を作成するソフトへのアクセ
ス命令をコンピュータに打ち込むのを目にする。

票の集計が再開すると、現職が有利な立場に進む。挑戦者の側は調査を
要求する。だが、再集計する投票用紙はなく、電子記録をいじくってい
たかどうかの解明に役立つデータの公表を拒む現職と選管当局とが緊密
に連合する。

これは誇大妄想のとりとめもない空想ではない。英インディペンデント
紙の記者アンドリュー・ガンベルが伝えた、最近のカリフォルニア州リ
ヴァーサイド郡の選挙で本当にあった話だ。ロサンジェルス・シティ・
ビートに出たガンベルの省略なしの報告は、読む者をゾッとさせる。タ
ッチスクリーン方式の投票に関する懸念に勢いを付けるためのみならず
疑わしい選挙の後に当局がどんなにやすやすと妨害工作できるかを示す
ためでもある。

投票用紙の手がかりを残さない投票マシーンで悪用の可能性に気をもん
だ州は、11月の大統領選でそれの使用を禁じている。だが、大統領選
挙戦を満足のいくように決めるかもしれないフロリダ州はその州のなか
にはない。先月、投票マシーンの完全に関し、独立した徹底的検査を認
めるようにとの要請を州当局が却下した。ジェブ・ブッシュ州知事のス
ポークスマンは、徹底的検査の要求は投票者の信頼を傷つけようとする
ものだと非難して「知事は国務省と選管に全信頼を置く」と断言した。

国民が当然その信頼を共有するとでも?重罪犯リストのことをよく考え
てみなさい。

フロリダ州法は有罪を宣告された重罪犯に投票権を与えない。2000
年の大統領選で有権者登録した人たちのリストから重罪犯と思われてい
た人をパージするために州政府は企業を雇った。その投票者たちは投票
所から追い返された。537票によって決着をつけた選挙の後、何万と
いう人々が間違って選挙権を剥奪されていたことが明らかになった。間
違って重罪犯と確認された人々が不釣り合いに民主党傾向のアフリカ系
アメリカ人だったことから、そのエラーがジョージ W. ブッシュのホワ
イトハウス入りを可能にさせたと言ってもいい。

今年、フロリダはまた重罪犯リストを準備するため、最近100億ドル
に及ぶ価値の自国防衛の契約を取った、Accenture という私企業を雇っ
た。2000年を忘れることなかれ、ジャーナリストはコピーを要求し
よう。州当局は捜査妨害をしたが判事はついにリストの公表を命じた。

温情処置を認められて投票権を復帰させていた2100人の市民が、そ
れでもなお禁止された有権者リストにあったのを、マイアミヘラルド紙
が急いで気がついた。そうしてサラソナ・ヘラルド・トリビューン紙が
重罪犯と思われていた4万7千人以上のうち61人だけがヒスパニック
だったのを発見した。つまり、リストは多くのヒスパニックの重罪犯に
間違って選挙権を与える一方、多くの正当なアフリカ系アメリカ人有権
者の選挙権を間違って剥奪していたことになる。フロリダのヒスパニッ
ク有権者が共和党を支持する傾向にあるのを、誰もが配慮しないわけに
はいかない。

まずシステム上の問題はどれも否定してから、州当局は合法的なミスだ
と言明した。彼らはAccenture に登録した有権者リストを重罪犯リスト
に合わせるように言った、そして両方のリストで名前、誕生日、人種が
同じ人物を誰であれ退ける。有権者名簿にカテゴリーはあっても州の犯
罪者記録にないため、ヒスパニックと確認された重罪犯を自動的に間違
えることになるのを了解していなかったと彼らは言った。

だが、早期に重罪犯リストを準備した会社の従業員は、まさにこの問題
について選管当局に繰り返し警告したと言う。

とりすますのはよそう。自分の都合のよいように運ばれる選管当局に全
信頼を置くために、投票マシーンの独立した徹底的検査を認めないとジ
ェブ・ブッシュは言う。すでにその当局には投票に関連がある他の問題
でいい加減な仕事の経歴があり、どういうわけか彼らのエラーは常に最
後には共和党に味方する。いちかばちかの一国の選挙で、新たな都合の
よいミスが共和党勝利に票を集めかねないときに、投票マシーンの完全
についてどうして彼らの判断を信じなけばならないのか?

これは党派心の強い結果などではない。腐敗した選挙が、選挙そのもの
に対するアメリカ人の意識にもたらすはずのこと、そして世界の選挙の
役割に与えるはずのことについて考えよ。当局の捜査妨害に向かい合っ
て、疑惑を抱く人々はたぶん票の集計がゆがめられたかどうか、どちら
にしても立証できなかっただろうが、結果が疑わしく思われたなら、ほ
とんどの世界と多くのアメリカ人は最悪のことを信じる。残る数週間に
何ができるか、それについては近いうちに書くつもりだが、第一歩はこ
れだ。一族の政治的繁栄はもちろんのこと、ブッシュ知事がいやしくも
国家の将来について心配するならば、独立した徹底的検査を求めるはず
である。

▼投票をうまく切り抜ける▼by ポール・クルーグマン
The New York Times 17 August 2004

誰でも知っているのに、大げさな陰謀には関心がないように多くの政治
家や主流紙のジャーナリストは進んで語ろうとしない。2004年の大
統領選の結果が怪しいことには、しっかりした見込みがある。

私が結果は疑わしいと言うとき、実際に当選をうまく手に入れる(私た
ちには決して知りようがない)という意味ではない。大部分の世界と多
くのアメリカ人が本気で疑いを持つ、票を数えることでの正直さに十分
疑いがあるという意味だ。

選挙結果がいかに疑わしいか?では、幾つかの見込みのうちひとつだけ
取り上げてみる。最近の世論調査でジョン・ケリーがリードするフロリ
ダは今回も当選をジョージ・ブッシュにうまく持っていくと推測する。

フロリダの票の大部分は投票用紙ではなく電子投票マシーンによって数
えられる。このマシーンのプログラミング・コードを試験している独立
した立場のコンピュータ科学者らは、セキュリティ上の不備に肝を冷や
す。つまり、フロリダの票が正しく数えられるかどうかについて、道理
に合った疑いがあるということになる。そして票を数え直すための用紙
がないときている。国民は結果をうのみにしなければならない。

さらに他の選挙関連の事態に関して、州知事ジェブ・ブッシュの当局の
行いは、そういった信頼を弁護するようなものを示さない。まずもって
フロリダには重罪犯リストのスキャンダル(事件)があった。

今年、フロリダはまた重罪犯リストを作成した。そしてそれをなんとか
秘密にしておこうとした。判事がリストの公表を強要した際、ヒスパニ
ックはほとんどいないのに、またもや大部分がアフリカ系アメリカ人の
またもや多くの人々の選挙権を不当に剥奪したことが判明した。

昨日、同僚のボブ・ハーバートが別の大いにうさんくさい、フロリダが
率先してやってることについて報じた。州警官が選挙権漏れ作戦の関係
者を含める年配のアフリカ系アメリカ人の家に入って、不正行為の調査
とかいうものの一環として彼らを尋問した。しかし州政府はその調査に
ついてほとんど情報を提供していない。ハーバート氏が言うように、こ
れは著しく有権者を脅迫するための試みのように見える。

仮にフロリダの投票用紙なしの投票マシーンが、めちゃくちゃな確かめ
られない勝利をブッシュ大統領にもたらすとしたら、この見本を示され
て懐疑論が起こるはずだ。

米国議会は、投票用紙の手がかりを命じることによって11月の選挙に
嫌疑がかからないような手段を講じる行動をもっと前に取っておくべき
だった。しかし立法措置は委員会で抑えられたし、ハードウエアを変え
るには遅すぎるかもしれない。それでも、この選挙が信用できることが
非常に重要だ。なにができるか?

当局が教化されたセキュリティを提供して、選挙前と選挙のあいだ、誰
も投票マシーンをいじくれないと国民に請け合う時間はまだある。投票
日の前と当日ずっとランダムにテストを実行するために独立したセキュ
リティ・コンサルタントを雇うこと。そして要求する有権者には、こと
ごとく投票用紙を提供すること。

有権者もまたおのれの分を尽くすことができる。最近フロリダ共和党は
支持者に自分の投票が数えられたか確かめるのに不在者投票を活用する
ようしきりに勧める冊子を発送した。共和党はミスだったと言い張るが
現実にそれは適切な助言だった。有権者は入手できるところで投票用紙
を使うべきだ。もしそれが不在者投票を意味するなら、それをすべきだ
(選管当局はますます増える作業負担に怒り狂うだろうが、彼らはこれ
を自分で招いているのだ)。

最終的にある選挙活動家たちは、メディアグループによる出口調査に匹
敵するが独立している独自の出口調査のどたんばのひと押しをしきりに
勧めている。これはとてもいい考えのようだ。

徹底的な出口調査は3重の代用になるだろう。選挙でインチキをしよう
と思っている人に対する抑止力として役立つだろう。すべてうまくいけ
ば、結果を確認する助けになり、疑り深い人を黙らせる助けになる。そ
して投票をいじくっていたにしても、不正の救済を探すのに十分間に合
うほど早期の警告をもたらすことになる。

今、私たちの民主主義の信頼が危険にあると考えるのは、ぞっとするほ
ど反感を起こさせる。民主主義は多くの勇気ある男女の大胆さと犠牲的
行為を救った。多くの人が、むしろそれについて考えないほうを選ぶの
が、ぞっとするほど反感を起こさせる。だが、目を閉じてもその脅威が
立ち去るわけではない。それどころか、現実の拒絶は、ひどくうさんく
さい選挙の見込みをますます高めるだけだ。