◇炉心損傷示す放射性物質「今日情報を得た」 IAEA事務局長

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は6日の記者会見
で、東日本大震災の発生翌日の3月12日に福島第1原子力発電所
の炉心損傷を示す放射性物質が検出されていた問題について「今日
情報を得た」と述べた。原子力安全・保安院は検出の事実を2カ月
半以上も発表しなかったが、IAEAにも報告していなかったこと
になる。

炉心損傷を示す放射性物質は核燃料が1000度にまで過熱しない
と放出されないとされる「テルル」で、天野事務局長は「テルルの
放出は重要な情報」と指摘した。テルルは1号機で最初に排気用の
弁の開放(ベント)をする前に原発の敷地外で検出されていた。

(引用元:日経新聞 2011年6月7日)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E4E2E7E78DE2E5E2E4E0E2E3E39790E0E2E2E2;at=ALL

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■ 大気中に放出「77万テラベクレル」

福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質の量について、
原子力安全・保安院は77万テラベクレルだったという新たな推定
結果を明らかにしました。これまで公表されていた値のほぼ倍の値
です。

原子力安全・保安院では、東京電力から先月提出を受けた記録など
を元に、福島第一原発でどのような事態が起きていたかをプログラ
ムで解析し、その結果を公表しました。

記録を元にした解析では、3月11日から16日までに大気中に放
出された放射性物質の量について推定していますが、その量は77
万テラベクレルと今回の事故をレベル7と評価した際に発表した量
のほぼ倍となっています。

前回の推定では、2号機からの放出は放射性物質の量を減らす効果
がある圧力抑制室を通じての放出としていたのに対し、今回は格納
容器からも直接大気中に放出されたとして計算した結果、全体の放
出量が2倍になったと保安院は説明しています。

今回の解析結果は、日本政府がIAEAに提出する報告書にも盛り
込まれる予定です。

(引用元:毎日放送 MBSニュース 2011年6月7日)
http://www.mbs.jp/news/jnn_4744619_zen.shtml

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2011年6月6日のMBS(毎日放送)ラジオ番組、「たね蒔きジ
ャーナル」に、その著書「原発のウソ」でよく知られる小出裕章氏
(京大原子炉実験所助教)が出演した。
小出裕章氏の発言や彼の記事を記録しておくために立ち上げたブロ
グ「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」に、番組での氏の発言の
要約があった。以下はそこからの引用である。

■テルル132の検出が意味すること

○ 福島原発の事故で出た放射性物質の量について、保安院が解析し、
従来とは違う数字が出てきた。従来の37万テラベクレルに対し、
77万テラベクレルとなった。どういう意味か?
● もともと安全委員会は66万テラベクレルとしていたし、評価の
やり方でいくらでも変わる。私はもっと多かったと思っているし、
海へ流れた分はわからないまま。今回の保安院の数字は海への分
を加算したものだが、それも過小評価だ。

○ 37万テラベクレルを元にして事故評価をレベル7としたが、そ
れが今回2倍。さらにもっと多くなる?
● チェルノブイリに近付いている。チェルノブイリの事故は収束し
ているが福島は進行中であり、チェルノブイリに近づいて超える
かもしれないと最初から私は伝えてきた。

○ 海洋汚染の放射線量は不明。いま政府は海洋調査ポイントを公開
しているか?
● 私は見ていないが、散発的には出てきている。測定ポイントを強
化し、海岸線沿いの海藻の汚染を調べればもっとわかると思うが、
見たことはない。

○ テルル132が検出されていたことについて。テルル132はど
ういうものか?
● ヨウ素132の親核種。ヨウ素132は寿命が短い。テルル13
2が出てくるとヨウ素132が生み出される。テルルを見ていれ
ばヨウ素のことがわかる。燃料棒の被覆管が破れない限りテルル
は出ない。事故の初期に被覆管が損傷していた証拠。被覆管のジ
ルコニウムが水と反応する温度が850〜900度。事故の初期
の段階でその温度に達して被覆管が壊れていた。

○保安院の西山審議官が「情報を整理して公表する発想がなかった」
 と言っているが?
●保安院にとっては、それこそがやらないといけない一番の仕事だ。

○ テルル132の検出を事故直後に公表していれば、避難すべき人
たちに対するコメントが変わった?
● もちろん。テルルが出るということはヨウ素が出るということ。
ヨウ素剤などの防護措置が早急になされなければいけなかった。

○これを当時発表しなかった影響は大きいと考えるが?
●あきれるしかない。

○3月12日に枝野さんは会見で放射能については測定し万全を期
 しており、ヨウ素も用意していると言った。ヨウ素剤を摂取して
 おかなければならなかった?
● 本当ならばそうだった。ヨウ素剤は飲むべきときに飲まないと意
味がない。

○ 3月12日午前8時半にテルルを検出し、同日午後6時に避難地
域を半径20キロに拡大した。その間に措置ができたはず。明ら
かにわかっていたが、それを隠しながら政府は避難地域を拡大し
たと考えられるか?
● 私はそうだと思う。日本の今の政府は事故の規模を小さく見せよ
うとしてきた。

○ プルトニウムが原発から1.7キロの地点で検出された。以前は
文科省の調査で検出されたが、過去の核実験によるものとされた。
今回の検出物は福島事故が原因だと言われているがどうか?
● 詳細は不明だが、プルトニウムが今回検出されたと言っているの
は、私も知っている山本氏。彼が言うなら確かだ。

○プルトニウム検出の意味は?
● プルトニウムは燃料から外には出づらい放射性物質。それが環境
に出てくるほど悪化しているということ。核燃料が相当損傷して
いるということだ。

○プルトニウムの人体への影響は?
● プルトニウムは人間が遭遇したなかで最も毒性の高い物質。
100万分の1グラムを吸ったら癌で死ぬほど。

○国は過去の核実験が原因と言っているが、それに対しては?
●過去の大気圏内核実験は犯罪的であり大量のプルトニウムを60
 年代にばらまいた。それ自体とてつもないことで、地球のほとん
 どが汚染されている。その上に今回の福島の事故で周辺がプルト
 ニウムでさらに汚染された。残念なことだ。

△放送での氏の発言を書き起こしたブログには小出裕章氏による情
報が満載されている。要チェック↓
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/06/tanemaki-jun6/

 


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