◇放射線で汚染された福島第一原発を一掃するには30年以上かか
ることもあると、日本の専門家らが警告する。

引用元:ガーディアン紙 31 Oct 2011)
http://www.guardian.co.uk/world/2011/oct/31/fukushima-nuclear-plant-30-years-cleanup?INTCMP=SRCH

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◇政府当局が核分裂の証拠を検出する時、福島はぶり返しに苦しむ。
炉心溶融を被った3つの原子炉のひとつ、福島第一2号機で放射性
ガスのこん跡が検出される。

(引用元:ガーディアン紙 03 Nov 2011)
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/03/fukushima-fears-played-down?intcmp=239

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■福島第1原発2号機、局所臨界か■
 
東電や保安院によると、2号機では10月28日から、原子炉格納
容器内の気体を浄化したり状態を調べたりする「ガス管理システム」
と呼ばれる装置の運転を開始した。これを使って1日に採取した格
納容器内の気体から、微量の放射性キセノン133と同135とみ
られる核種が検出された。

どちらも自然界には存在せず、核分裂に伴って生成されるため、臨
界状態の証拠とされる。放射線を出す力が半分になる「半減期」は
キセノン133が約5日、キセノン135が約9時間と短いことか
ら、震災直後ではなく、最近になって小規模の臨界が起きたとみら
れる。

対策として東電は中性子を吸収して核分裂を抑制するホウ酸水を注
入。データの分析を日本原子力研究開発機構に依頼し、結果に誤り
がないか最終確認を進めている。

2号機では東日本大震災後に核燃料が溶け、原子炉圧力容器や格納
容器の底に落ちていると推定されている。その後は冷却が進み、核
燃料は比較的安定した状態になっているとみられていた。

保安院によると、溶融した核燃料が1カ所に集まり、水に浸った場
合、可能性は極めて低いものの再臨界などの核分裂を起こすことが
ある。

(引用元:中日新聞 2011年11月2日)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011110290105551.html
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■セシウム放出、安全委推計の3倍 欧州チーム指摘■

東京電力福島第1原発事故に伴う放射性セシウムの放出量は、日本
の原子力安全委員会による推計の3倍近くに達し、チェルノブイリ
原発事故の4割を超すとの論文をノルウェーの研究者らが27日ま
でにまとめた。大気物理学の専門誌に投稿され、結果が妥当かどう
か専門家らが検証している。

研究チームは、日本国内のデータや核実験を監視するために世界中
に設置された観測網を利用し、事故発生から4月20日までに大気
中に放出されたセシウム137は約3万6千テラ(テラは1兆)ベ
クレルと推計。原子力安全委員会は8月、全ての放射性物質57万
テラベクレルのうち約1万1千テラベクレルをセシウム137が占
めると推計しており、これを大幅に上回った。チェルノブイリの放
出量は8万5千テラベクレル。

また、日本政府の見方とは異なり、4号機の使用済み燃料プールか
ら大量の放射性物質が漏れたとの見解を示した。その理由として、
4号機に放水を始めた直後から、放射性物質の量が大幅に減ったこ
とを挙げた。

同原発を津波が襲う前から、放射性キセノンが漏れていた証拠があ
ると強調。地震の揺れで原発の放射性物質を閉じ込める機能が壊れ
た可能性を指摘した。

(引用元:日経新聞 2011年10月28日)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E0EAE2E39B8DE0EAE3E2E0E2E3E39180E2E2E2E2

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権威ある科学誌「ネイチャー」(電子版)に、ノルウェー大気研究
所のアンドリアス・ストール率いる研究チームによる福島第一の事
故解析結果を紹介する記事が掲載された。
http://www.nature.com/news/2011/251011/full/478435a.html
ストールやスウェーデン国立防衛研究所のラール・エリク・デ・ギ
ーアが、「大気化学物理学」誌にオンラインで発表した論文を紹介
した。

■福島第一からキセノン133とセシウム137が大気中に放出:
放射線源の期間、空中分散度、堆積を測定■

Atmospheric Chemistry and Physics(「大気化学物理学」誌)

要約:2011年3月11日、日本の本州の太平洋岸約130キロ
沖で地震が発生し、その結果として大きな津波が起こった。それに
起因する東京電力福島第一の電源喪失は大気中への放射性物質の大
量放出を引き起こす大災害に発展する。この研究では、私たちは2
つのアイソトープ、希ガス・キセノン133(133Xe)とセシウム
137(137Cs)の排出を測定する。この二つは大気中の作用はも
ちろん、放出の特性も非常に異なる。4月20日までの絶頂期の相
関関係として放射性核種の放出を測定するため、私たちは現場での
燃料調査一覧と詳細に記録された原発事故に基づいて放出量の初期
推測を行った。その後、この初期推測は、これに大気移動モデルと
ELEXPART、日本、北米その他の地域数十カ所の観測地点からの測
定値データを加えた逆シミュレーションによって改善された。

キセノン133については、総量16.7EBq(エクサベクレル:
エクサは10の18乗)、核爆弾実験に結びつけられない放出とし
ては、史上最大の放射性希ガスの放出となる(チェルノブイリを大
きく上回る)。最初のキセノン133の放出が非常に早い時期、ひ
ょっとしたら3月11日の地震と緊急停止の直後に始まった可能性
の高い証拠がある(福島第一は津波なしに地震で十分壊れていたこ
とになる)。原子炉1号機から3号機の希ガス調査一覧の総量は
2011年3月11日から15日の間に空中に放射された。

セシウム137については、総量35.8PBq(ペタベクレル)、
またはチェルノブイリの推定放出量の約42%(日本政府の公式発
表の約2倍に相当)。セシウム137の放出は3月14日から15
日が最高だったが12日から19日まで概して高かった、3月19
日にまさしく4号機の使用済核燃料プールへの重要な放水開始命令
によってそれが突然急降下したのを私たちの結果が示す。これは大
気中への放出が損傷した原子炉の炉心ばかりか、4号機の使用済核
燃料プールからもあったことを示しており、放水が有効な対策だっ
たことを確かにする(日本政府はプールからはほとんど漏れ出てい
ないと主張し続けている)。

私たちはまた、北半球全体はもちろん、日本全体の放射能クラウド
の拡散と堆積の主要なパターンを調査した。最初の判断では、事故
を通してほとんどの時期に西風が優勢であったのが幸運だったよう
に思えるが、私たちの詳細な分析から異なる事態が浮上する。3月
19日のもう一つの強烈な排出時期のあとはもちろん、まさに3月
14日と15日の最大のセシウム137の排出時期の間とその後に、
放射性プルーム(吹き下ろす煙状の構造)が東日本の一面に運ばれ
た。東日本の降雨量が地表に多量のセシウム137の断片を堆積さ
せた。プルームはまた北半球全体にすぐに散らばった。3月15日
に真っ先に北アメリカに、そして3月22日にはヨーロッパに到達
した。総じて、遠隔地側に加えて、日本でシミュレートされたのと
観察されたキセノン133とセシウム137両方ともの濃度は互い
に一致して信用できる量であった。全体として、6.4テラベクレ
ルのセシウム137、または4月20日までの放射性降下物全体の
19%が日本の陸地の上に積もった、そして残りの大部分が北太平
洋に降下したと、私たちは推定する。0.7テラベクレル、または
降下物全体のわずか2%のみが日本以外の陸地に積もった。

△ 日本政府の発表と違う結果が出たことについて、ストールは、日
本政府の算定がモニタリングポストの測定値に依拠し、太平洋へ拡
散したものを考慮に入れていないことなどを挙げている。

著者:ノルウェー大気研究所のA. Stohl、ウィーン天然資源・生命
科学大学気象学研究所のP. Seibert、同じくウィーン気象学・地球
力学中央研究所のG.Wotawa、バルセロナのカタロニア技術大学エ
ネルギー技術研究所のD.Arnold、ノルウェー大気研究所の
F.BurkhartとS. Eckhardt、バルセロナのカタロニア技術大学・物
理学・核工学部のC.Tapia、カタロニア技術大学エネルギー技術研
究所のA.Vargas、アメリカのゴダード地球科学技術研究のT.J.
Yasunari

http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.html
This work is distributed under the Creative Commons Attribution 3.0 License.

△ キセノン133は「不活性ガス」であり、体内に取り込まれるこ
と(つまり内部被曝すること)はないとされている。被曝量を見積
もるときは、「空間線量」による外部被曝だけを考えればよいこと
になる。

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◇低線量放射線が動物の個体数に及ぼす影響についての理解は進ん
でいない。私たちは、標準化スポットセンサスとライントランゼク
ト法を用いて、チェルノブイリ周辺のバックグランド放射線量が4
桁違う森林地域を対象に、マルハナバチ、蝶、バッタ、トンボ、蜘
蛛の巣の調査を行った。無脊椎動物の個体数は放射線量が多いと減
少することが、土壌、生息地、植生の高さといった要因を統制した
上でも認められた。調査地域間でよりも、同一調査地域内において
放射線量が違う場合により強い効果が認められたことから、チェル
ノブイリ事故で放出された放射線の動物に対する環境的影響は、こ
れまで考えられていたよりも大きいことが示唆される。
http://cricket.biol.sc.edu/chernobyl/papers/moller-mousseau-biol-letters-09.pdf


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