イスラム教シーア派の宗教行事「アシュラ」が行われた12月6日、
アフガニスタンの首都カブールと北部マザリシャリフのシーア派廟
(びょう)で爆発があり、子どもを含む少なくとも55人が死亡、
134人が負傷した。カブール警察は「Abu-Ul Fazil廟で自爆攻撃
があった」と発表した。

匿名を条件に治安当局者は、自爆攻撃犯はカブールの南、ローガル
州からのシーア派巡礼者の一団に混ざって現場に来たとみられてい
ると語った。

一方、マザリシャリフの廟でも爆発があり、4人が死亡した。シー
ア派を標的とした攻撃かどうかは明らかになっていない。

アフガニスタンの旧支配勢力タリバンは両件への関与を否定し、爆
発は「侵略軍」によるものだと、明らかに同国に駐留する北大西洋
条約機構(NATO)軍を指す声明を出した。

(引用元:AFP通信のニュース)

■米軍はアフガニスタンがなおさらひどくなるのを望んでいる?■
ガーディアン紙 08 December 2011

アフガニスタンでは、カブールの巡礼者の自爆攻撃で明らかになる
ように、反乱者がその襲撃でますます嗜虐的になっている。だが、
米国の戦争マシーンが、現にタリバンを怒らせようと望む可能性も
あるのでは?

しかし、誰しもがそんな恐怖はすべて悪だと考えるとは限らない。
いやそれどころか、米国の戦争マシーンの内部のかなりが、ひどい
反乱の発生はおそらくNATOの戦争目的にとって実際まったく役に
立つとずっと主張してきている。 現に、確かに有用なので、外国の
軍勢はそんな行ないに拍車をかけようとするはずだ。

そんな一人がアメリカ国家情報会議の前の議長、ピーター・ラヴォ
イ(Peter Lavoy)だった。2008年12月、ブリュッセルのNATO
総司令部での大使との非公開会合でラヴォイは、決して政府によっ
て発せられないアフガニスタン戦争に勝利するための作戦を簡単に
説明した。国務省によれば、「いっそうの過激さとイデオロギー的
に過激な傾向を外へ出させるために、2009年、国際社会はタリ
バンに執拗な圧力をかけるべきだ」と彼は言う。「これが住民を遠
ざけてくれ、住民からタリバンを引き離す機会を我々にもたらす。」

私たちが唯一WikiLeaksの好意で知っている彼の言葉は、とにかく
部分的に正しいと証明されてきているという理由で普通でない。ま
た、政府によって述べられたアフガニスタンの作戦と根本的に食い
違う。外国部隊は普通のアフガン人を反徒から安全に保つよう努め
るべきで、それによって彼らの支持を獲得するというのが基本原則
だ。

NATOは、実際に住民をそんなに安全でないようにさせているのか
もしれないとの考えがオブザーバーをぎょっとさせる。「民間人を
守るためにもっと大きいリスクを何も冒さないのは、米軍兵力の気
風にまったく背く」と対ゲリラ戦について米陸軍の実地マニュアル
を共同で書いた退役陸軍大佐、ジョン・ナグル(John Nagl)は言
う。「米軍の部隊がウソのように民間人に対して故意にもっと大き
いリスクをつぎ込みたがるのを私は見ている。」

だが舞台裏で、勢力のある代弁者が、普通のアフガン人の生命をい
っそうみじめにする、よりハードな刃を持った作戦を主張し続ける。
タリバンについて地域的なエキスパートのマイケル・セムプル
(Michael Semple)は、NATO当局者との話し合いで彼が不意に出
くわす概況を次のように話す。「本格的な考え深い役人たちが、住
民がタリバンに敵対する最終的な勝利より先に、タリバン戦闘員を
刺激して住民に向かって過激な暴力行為を誘発させることが、解決
への動きのコインのしるしとして取られてもよいはずだとの考えを
はっきり表現するのを傾聴してきている。」

そしてアフガニスタンの反乱が確かに大いにたちが悪くなっている
徴候は、かねてから徐々にできあがってきている。一部の分析者の
見解では、 東部の都市ジャララバードでガンマンの集団が銀行に突
進した2月に転機は始まる。高画質フルカラーのCCTVの映像場面
が示すように、次にやって来るのは少しも普通の状態の銀行強盗で
はなかった。急襲者らは銀行員に無理やり金庫を開けさせようとも、
金をかき集めようともしなかった、その日銀行では出納係が今にも
多数の警察官や兵士らの給料を払いだそうとしていた。いくらかで
も盗む代わりに、自爆ベストとは別に警察官の制服を着ていた7人
の男は、整然として銀行の周囲に現れると至近距離で来客と銀行員
を撃った、そして数十名を殺害した。

机の後ろに隠れていたひとりの出納係は、襲撃者が床の男性に冷た
く立ち上がってKalimaを暗誦するよう命じるのを聞いた。祈るイス
ラム教徒は自分の死の覚悟を決めると言う。「彼は祈り終える前に
射殺された」とIlyas Yousafzaiは言った。「タリバンはイスラムの
ために戦っていると主張する、けれども彼らは人々にKalimaを唱え
るよう命じてから彼らを殺す。それはイスラムではない。」

ごく控え目に言っても、そんな嗜虐的無慈悲は、90年代に国に災害
を与えた将軍どもを一掃した影響力として英雄的な自己イメージの
ある運動にとって逆効果である。それ特有の見解では、タリバンは
騒然とした国家に秩序をもたらし、抑圧された民間人に正義をもた
らした。それは秘蔵の評判、再出して以来年々みがきをかけること
に努めてきていた。タリバンの片眼の指導者、オマル師の名義で出
される戦士に命じる規律は、汚職と強欲な将軍の統治に適した悪党
を除いては、民間人を迫害するためでも、総じて80年代にソ連占
領の戦闘で英雄になったムジャーヒディーン司令官の誤りを繰り返
すためでもない。

しかし、彼らの言葉にそぐわない行いの例はたくさんある。

自爆犯はたびたび、タリバンの記者発表が"手先"の外国軍、あるい
はアフガニスタン政府の"パペット(操り人形)"兵士と呼ぶ者たち
を傷つけることにあらゆる点で失敗する。代りに、たいてい報いを
受けるのは民間人だ。南にある国境の町スピンボルダック(Spin
Boldak)で1月7日、おそらく国境警備隊の副司令を殺そうとして
自爆犯が銭湯で自分自身を吹き飛ばした。しかしながら、彼は公平
なプレゼントではなかった。爆発は建物を引き裂き、15人が死亡、
20人が負傷した。

民間人死傷者の大多数がタリバンの作戦によるのを国連の数字が示
す。タリバンを急進的にする考え抜いた取り組みがあるのかどうか、
いずれにしても、それを軍事的に押しつぶそうとやってみることで
避け難い副次的作用であるのは明らかだ。すなわち、まさに米国が
ここ2年間にやろうと試みてきているものだ。

アフガニスタンのスパイ、尋問、移動電話連絡網への盗み聞きから
拾い集めたおびただしい量の荒っぽい情報を熟視する分析者でぎゅ
うぎゅう詰めの最高機密の諜報機関のハブで、アメリカ指導のタリ
バン中位の指導部の大幅削減が始まる。データを残らずふるいにか
けたあとに、目標とされる"パケット"が作り出され、ありとあらゆ
る夜に6つの「kill or capture:殺すも捕獲するも」作戦に耐えて
送り出される特別部隊に引き継がれる。いなかのアフガニスタンの
至るところの遠隔の村々の昔ながらの泥の住宅群で居眠りする標的
には、この上ない高度の諜報機関と軍事マシーンのどれかの照準器
の十字線に彼らがいるとの手がかりはなにひとつない。

「タリバンをもっと始末に負えなくさせるつもりはなかった」と、
カブールのNATO軍将校は言う。「しかし、もしそれが我々を助け
るのであれば、不平を言うつもりはない。」

http://www.guardian.co.uk/world/2011/dec/08/us-wants-taliban-even-nastier

 


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