◇「受け入れ検討」とエクアドル アサンジ容疑者の亡命申請

スウェーデンでの性犯罪容疑により英国で逮捕され、南米エクアド
ルに政治亡命申請した内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジ
ュリアン・アサンジについて、エクアドルの反米左派コレア大統領
は6月21日、共同通信などに対し「現在、受け入れを検討してい
る」と述べた。
コレア氏は国連持続可能な開発会議(リオ+20)のためブラジル
・リオデジャネイロに滞在中。
ウィキリークスは2010年11月、米外交公電約25万件の公表
を開始。米国の駐エクアドル大使によるエクアドルに批判的な公電
も公表され、コレア政権は同大使を国外追放。コレア氏はアサンジ
容疑者を称賛し亡命申請すれば受け入れる用意があることを公言し
てきた。

(引用元:共同通信 2012年6月22日)

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■アサンジは西側の反体制■ガーディアン紙 22 June 2012

ジュリアン・アサンジの亡命保護適用にはたぶん時間がかかるだろ
うとエクアドル大統領が言っている

政府が決断する前に、他国の見解を仰ぎ吟味するつもりだとラファ
エル・コレアは話す。

エクアドル大統領は、ジュリアン・アサンジの亡命者保護願い出が
もたらす外交的政治的地雷原を了承済みである。WikiLeaks創設者
の訴えに対し、決定が当初の考えより長びきそうなのを明らかにす
る。

キトで記者に話しかけるラファエル・コレアは次のように言ってい
る:「私たちは他国の世論を仰ぎ吟味するつもりである。とりわけ、
英国のような私たちが深く関わりを維持すると見なす国でない、ど
んな国にも背きたくない。」

いったん決定となれば、「私たちは安全な移送などについて相談で
きる」とコレアは言った。WikiLeaks創設者は火曜にロンドンのこ
の国の大使館に亡命者保護を求めた、そして国連人権宣言を引き合
いに出す。性的罪科の申し立てに直面するスウェーデンへの引渡し
に対し最後の控訴に失敗したあと彼は保釈の身だが、そのような措
置は2010年のWikiLeaks外交公電公表をめぐってアメリカ合衆
国によるありうる起訴の見込みの大リスクの窮地に彼を立たせるも
のだと主張する。

エクアドルの外相代理Marco Albujaは水曜、24時間以内に断を下
すつもりだと言ったが、コレアは、「アサンジは彼の事情を申し立
てた。私たちはそれを確かめるつもりである。私たちは必然的に時
間がかかってくる。エクアドルは生存権を擁護する国だ。ジュリア
ン・アサンジの生命に脅威になるものがあるかどうか調べないとい
けない」と言っている。

大統領のコメントは、弁護士、外交官、役人が取っ組み合っている
ことで、課題を天秤にかける告白だ。水曜、エクアドル大使のAna
Alban Moraと外務省役人との間の話し合いが「手厚くて建設的」
と評される間に、英国政府の情報源は現在保釈の事情に違反するア
サンジは大使館の表玄関から外に出なければ即刻逮捕を免れないだ
ろうと圧力を加えてきている。彼らは、"無難な移送"を交渉するに
つき、そのような取り決めがひとつもないことを知っている。

もしも彼が亡命者保護を提供されるようなら、オーストラリア大使
館での長い滞在の見込みが膨らんできている。アサンジはさしあた
りスウェーデンの拘置所独房を免れるかもしれない。スウェーデン
で彼は告発されてないが、言い立てられた性的加害をめぐって捜査
中としながら、たぶん再拘留を持ち出されることがある。だがさし
あたり彼の安息所は間に合わせの休眠設備のある小さな事務所だ。

エクアドル大使館は大使の事務所と一握りの小部屋から成る。大使
館によればWikiLeaks創設者はよいと認める友人の訪問者リストを
与えられている。シャワーと食べ物へのアクセスについて尋ねると
スポークスウーマンは「彼のために私たちは何でも手に入れてきて
います」と言った。彼は依然として足首に電子タグを付けている。

「この問題が解決するまで彼は滞在するでしょう」とWikiLeaksの
スポークスマンKristinn Hrafnssonは言った。「大使館スタッフが
あわてて彼を手放すとの感触を私は得ていない」と差し迫った判断
のほのめかしを控え目に言う。アサンジのスウェーデン人弁護士は
「彼は喜んで迎えられる」と言っている。両者ともジャーナリスト
のジョン・ピルジャーなどと一緒にアサンジを見舞ってきている。

火曜のインタビューでアサンジはオーストラリアの放送局ABCにこ
のように語った。「アメリカ合衆国による試みのスウェーデンから
の引渡しのどんな将来の可能性と戦うよりは、むしろロンドンでの
亡命者保護を求めた。そのわけは、この点で再拘留の身分は"亡命者
保護の権利を行使する私の能力が極まる"ことを意味するからだ。」
本日まで、そのような願い出はアメリカ合衆国によって示されたこ
ともなければ、うまく解決されたこともない。

欧州人権裁判所に訴えることで、英国の法律のもと引渡し期限6月
28日のあと、彼に権利があると聞いている(異議申し立て期間と
して)14日間の猶予を"無効にしようと試みた"ため、彼は検察庁
を告発した。引渡し議事でスウェーデンの検察に代わって行動する
CPSはこれを否定した。

アサンジの前のホストで彼の保釈金24万ポンドの連帯保証人のひ
とりボーン・スミス(Vaughan Smith)は、逮捕の脅威を考慮して
も、十分な政治的圧力があればよい方向に向かう道はあり得る話だ
と述べた。「政治的亡命者保護に成功することになったなら、出口
はあると思う。そのうえ意見を異にする反体制がいつもあることを
私たちは受け入れなければならない。アサンジは西側諸国の反体制
(western dissident)だ。」

http://www.guardian.co.uk/media/2012/jun/22/julian-assange-asylum-ecuador-president

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◇ジュリアン・アサンジのトーク番組、明日の世界の今週の対談は
エクアドルのラファエル・コレア大統領

コレア大統領:「うちの国にはあなたのファンがたくさんいる」

内部告発やリークされた情報を伝えるウェブサイト、ウィキリーク
スの編集長として知られるジュリアン・アサンジは現在、罪状も告
げられないまま英国で容疑者として500日間自宅軟禁されている。

コレア大統領はエクアドルの顔を変えた左派のポピュリストだが、
経済学の博士号をイリノイ大学で取得している。

エクアドルの民主主義の歴史の中で最も人気のある大統領のコレア
は、2010年にクーデター未遂で人質に取られた。彼は腐敗した
メディアによるクーデターの試みを非難し、物議を醸すカウンター
攻撃を開始した。彼はメディア改革が可能かどうかを明らかにする
と言う。アサンジはエクアドル大統領の正当性とラテンアメリカの
ための彼のビジョンは何かに答えを出そうとする。

コレアは4年間アメリカで教育を受けており、アメリカ人を尊敬も
していると言うが、人権侵害は公然と非難する。アメリカの強権を
公然と非難する。アサンジもコレアも中立なメディアを求めている。

2006年の大統領選で勝利したコレアは自らを「キリスト教左翼
人道主義者」と称し、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領と親しく、
政治的にもチャベスやボリビアのエボ・モラレス、ニカラグアのダ
ニエル・オルテガと連携した反米主義者である。

通貨をドル化する2000年に導入された政策を批判。選挙中に対
外債務の返済拒否に言及した。チャベスが国連総会の演説でブッシ
ュ大統領を「悪魔」と呼んだとき、「ブッシュを悪魔に比べるのは
悪魔に失礼だ。悪魔は邪悪だが、少なくとも知性はある」と発言し
ている。

コレア大統領はつい先日のリオ+20の会議で、「なぜ銀行は救お
うとするのに、地球を救おうとしないのか」と、金融危機の対応に
追われるEU各国政府の多くが欠席したのを皮肉った。(朝日新聞)

(引用元:国際金曜と日本「ジュリアン・アサンジの明日の世界
〜エクアドル大統領と語る」)
http://zaiseijapan.blog.fc2.com/blog-entry-470.html

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◇スウェーデンで何があったのか、おさらいしてみよう

ジュリアン・アサンジがスウェーデンの首都ストックホルムに招待
されたのは2010年8月のこと。その講演会から6日後、2人の
女性が連れだって警察を訪れ、「アサンジ氏に強制的にエイズ検査
を受けさせることは可能か」と相談する。

フランスAFP通信によると、当初2人の女性に告訴の意思があっ
たわけではなかったが、対応した婦人警官が検察官に報告すると、
ただちに婦女暴行と虐待の容疑で告訴手続きが取られた。この動き
はその日のうちに有力タブロイド紙に伝わり、瞬く間に大ニュース
として世界を駆けめぐる。

その直後、検事はいったん婦女暴行について嫌疑なしとした。だが、
高等検事が11月18日に婦女暴行、性的虐待、強制わいせつ罪の
容疑でアサンジ氏の逮捕状を申請して国際手配の手続きを取った。

英国裁判所の審理では2人の女性は「ミスA」と「ミスW」と呼ば
れ、実名は明らかにされなかったが、「ミスA」とは講演会にアサ
ンジを招待した人、社民党員のアンナ・アルディーンで、「ミスW」
はアサンジを英雄と見るファンで、講演会をネットで知って仕事を
休んではるばる80キロ離れた町からやってきていた。

AFPによると、「ミスA」は将来を有望視される左派のフェミニ
スト。彼女は2010年1月に「合法的復讐の7カ条」というタイ
トルで女性を裏切った男に復讐する方法をブログに書き込んでいる。

背景に、2001年に改正された新女性保護法があると地元消息筋
は指摘する。この法律では女性の申し立てがあれば担当検事の判断
で「加害者」の事情聴取なしに起訴申請が可能となり、「女性の側
の明確な合意」のない性行為はなんであれ「性的暴力」となる。

このためにスウェーデンでは近年、数千件の起訴が行われるものの、
実際に有罪になるのはうち10件にも満たないのが実情。だがアサ
ンジ事件の担当検事は「男が有罪になるよりまず起訴されることに
一定の女性保護の意味がある」と語っている。

外交公電を暴露された米国政府はアサンジに対してスパイ罪や窃盗
罪の適用を検討しており、なんとかしてウィキリークスの動きを止
めようと必死になっている。

今回の事件は、すでにアフガニスタンやイラク関連の内部文書の暴
露で米政府を震撼させていたアサンジを「別件逮捕」するための謀
略だったとの陰謀説もネットを通して流布している。

確かに、スウェーデンの連立政権の核となる保守系「穏健党」は米
政府と極めて良好な関係を保ち、情報機関の協力関係も強力だとい
われている。仮に陰謀だったとすれば、米情報機関はかなり手回し
良く「工作員」を埋め込んでいたことになる。

(引用元:産経新聞 2011年1月7日)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110107/erp11010700490009-n5.htm


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