5月6日未明、イスラエルの空爆の後に続き、炎と煙がダマスカス
上空のスカイラインを埋める
日曜のイスラエルのダマスカス攻撃はアサドのエリート共和国防衛
隊から少なくとも15師団を殺害する
日曜の出来事から垂れ込める混乱の霧が晴れるとき、死者の総数は
120人を上回るらしい
(引用元:テレグラフ紙 7 May 2013)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/syria/10040517/Israels-Damascus-attack-kills-at-least-15-troops-from-Bashar-al-Assads-elite-Republican-Guard.html

◇シリア空爆:イスラエルの「真の標的」はイラン

イスラエルが3日と5日にシリアの首都ダマスカス近郊で行った空
爆は他でもないイランを見据えたものだった。イスラエルにとって
の「レッドライン(越えてはならない一線)」が侵された場合、単
独でも軍事行動に踏み切る用意があることを見せつけた攻撃だと言
える。

このところ、シリア政府軍による化学兵器の使用疑惑がメディアを
にぎわせ、オバマ大統領にシリア内戦への軍事介入を求める声が新
たに湧き起こっているが、米政府は事態をなお傍観する姿勢を崩さ
ない。

こうした中、シリアでの軍事行動に打って出たイスラエルは、シリ
アの内戦というより、イランとの間で起き得る戦争を想定した場合
に戦略的重要度の高い標的に狙いを定めている。

イスラエルや西側情報筋によると、3日と5日の空爆ではレバノン
のイスラム教シーア派組織ヒズボラに輸送される予定だったイラン
製ミサイルが攻撃された。

ネタニヤフ首相は昨年9月の国連演説で、イランのウラン濃縮計画
をめぐり爆弾のイラストを使ってレッドラインを示したが、その基
準は状況に応じて変化するとみられる。同首相はイランが今年半ば
にも一線を越えると予想したが、先週にはそのラインにまだ達して
いないとの見方を示した。イスラエルはイランの核兵器開発を阻止
するために単独攻撃も辞さないとされているが、首相のこの指摘は、
イスラエルが米国の助言に反してまで単独攻撃に踏み切るのかとい
う問題にさらなる疑問を投げ掛けた。

イスラエル軍の元情報部長アモス・ヤドリン氏は、今回のシリア空
爆はイランに対して、ネタニヤフ首相が虚勢を張っているわけでは
ないという強いメッセージになったと指摘。「イランはレッドライ
ンについて、イスラエルと米国の決意を試しており、シリア情勢で
は少なくとも当事者の中にレッドラインを真剣に考えている者がい
るとみている」と述べた。

オバマ大統領は4日、スペイン語ネットワーク、テレムンドとのイ
ンタビューで、イスラエルは高性能兵器がヒズボラに譲渡されるこ
とから自国を当然守る必要があるとコメントした。

シリア空爆後、イスラエル国内では政治的な問題は生じていない。
ヒズボラの封じ込めはイスラエルにとって党派の垣根を越えて国民
を結束させるコンセンサスだ。

米当局者によると、3日の空爆でイスラエル軍機はシリア領空に侵
入せず、アサド政権軍との直接衝突を避けるため、隣国レバノンの
上空から攻撃を行ったとみられる。5日の攻撃も同様かどうかは今
のところ不明だ。

ネタニヤフ首相の友人で保守政党「リクード」所属の国会議員であ
るTzachi Hanegbi氏は5日のラジオ番組で、「われわれが求めるの
は、シリアの混沌の中で、ヒズボラの力が強まるのを確実に阻止す
ることだ。ヒズボラが力を持てば、われわれに敵対行動を取る動機
になり、多くの死傷者が出る紛争に引き込まれることになる」と話
した。

(引用元:ロイター 2013年5月7日)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130507-00000047-biz_reut-nb

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◇レバノンの大統領は報じられるイスラエル空軍機飛行を非難して
国際社会に仲裁に入るよう急がせる
ハアレツ紙 04 May 2013

ミシェル・スレイマン大統領は、申し立てられたレバノン領空への
イスラエルの不意の出撃をイスラエルの"侵略政策"の続編と主張す
る。

レバノンの報道によれば、ミシェル・スレイマン大統領は、金曜の
朝に国の領空を侵犯したイスラエル空軍の爆撃機による一連の不意
の出撃を厳しく非難している。

このような爆撃機の飛行は国際連合安全保障理事会決議1701の
露骨な違反行為であるとして、レバノンの主権を破るのを止めるた
め国連と国際社会はイスラエルに圧力をかけるようスレイマンは求
める。

発言は金曜の声明で公表され、南レバノン地区のMarjayounとAl
Khayyam、東部ベッカー高原までイスラエル空軍機が飛行する報告
に続く。これらの報告によれば、木曜に開始した活動の一環として、
かなりの空軍機が低空攻撃をシミュレートした。

レバノンをめぐってイスラエルの不意の出撃は今のところ数カ月の
間報じられてきている。化学兵器の在庫を標的にしたシリアでのイ
スラエル攻撃に関してと同様に、レバノンで生じた無人機を含める
最近の2つの事件の後に報道が再び姿を現してからずっと、これら
報道がレバノンのウェブサイトに登場してきている。

http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/lebanon-s-president-condemns-reported-israel-air-force-flyovers-urges-world-to-intervene.premium-1.519127

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■シリアとサリン:アメリカ合衆国の主張はまさに聞いたような感
じがする■
インディペンデント紙 28 April 2013 by ロバート・フィスク

アサド政権による化学兵器使用の報告はいわば穴だらけの策略で満
たされた改作ドラマ

化学兵器劇場を免れる方法はあるか?まずイスラエルの"軍情報部"
が、アサドの軍が「化学兵器を使用している」「おそらく使用して
いる」「使用しているかもしれない」「使用している可能性がある」
と述べる。次にアメリカのチャック・ヘーゲル国防長官が、過剰武
装のイスラエル軍にさらに一段の能力を約束するためイスラエルに
突如現れるや、イスラエルの200以上の核弾頭についてはどんな
言及も避け、「シリアの化学兵器使用」「おそらく化学兵器の使用」
「起こりうる化学兵器の使用」について、イスラエルのあらゆる
"情報"を吸収する。

そうして、なつかしいチャックはワシントンに戻ると、「これは深
刻な成り行きである。我々はあらゆる事実を必要とする」と世界に
伝える。アメリカとイスラエルがたいてい相互依存関係でたわごと
を並べるからには、おそらくイスラエルの諜報機関と同じアメリカ
の情報機関はその評価の自信の程度がまちまちとホワイトハウスは
議会に伝える。だが、レバノンのカナで105人の一般市民(その
大部分が子供)を虐殺したあと、この1966年のイスラエルの行
動をうまく擁護した上院諜報委員会議長ダイアン・ファインスタイ
ン上院議員は、シリアについて、「レッドラインを越えているのは
明らかで大規模な使用を防ぐため行動をとらねばならない」と発表
する。そして今までのところはまだ、もっぱらイランのたぶん・起
こりうる核兵器開発で用いた現在ホワイトハウスの最も使い古した
決まり文句、"すべてのオプションはテーブルの上にある"がそのあ
とに展開される。

普通の社会、特に世界のニュース編集室では、いまレッドライトが
点滅しているものだ。だが違う。シリアの化学兵器使用は"ゲームチ
ェンジャー"になるとオバマが言った箇所に私たちは世界に対して
念のため線をつける。少なくともアメリカ人はそれがゲームである
のを認める。そして私たち記者は、実際に誰も確認してないことを
確認する。"化学兵器が使われた"。私はカナダの2つのTV局でプロ
デューサーらから同じヘッドラインの大げさな誇示を持ちかけられ
た。放送中に"証拠"をクズとこき下ろすと話すと突然その話は両方
の番組から削られた。理由はそれを使いたくないからではなく(彼
らはあとで使う)、全くのたわごとかもしれないと誰にもほのめか
して欲しくないからだ。

しかし、だれか確認しようとしたのか?あるいは単純にわかりきっ
た疑問を聞いたのか?先週ダマスカスでシリアの諜報機関の大物が
私にこう持ち出した、「もしもシリアがミグ爆撃機で無制限に悪い
事態を引き起こすことがあるならば、また政権もその敵もそのよう
な武器を使用することでお互い非難しあうからには、なんだって化
学物質を使いたがったりするものか?」と。

よりによって、アメリカ合衆国とイスラエルはアサドの化学兵器を
「よからぬ掌中に捕らえられる」と心配する最も幼稚な決まり文句
をもう一度繰り返すだけだ。言い換えれば、これら化学物質はワシ
ントン、ロンドン、パリ、カタール、サウジアラビアが支えている
まさにその反乱軍、とりわけイスラム主義者の兵器庫に行き着くか
もしれないことに、当局者らはぎょっとさせられる。もしこれらが
よこしまな掌中なら、そのときはアサドの兵器庫にある武器は正し
い掌中にあることになる。それがサダム・フセインの化学兵器の論
拠だった、彼がクルド人に対してそれらを用いるまでは。

さて、私たちは、おそらくサリンがシリアで使用されたとして3つ
の具体的事件があると知らされる。アサドと反アサド側が互いに非
難しあうアレッポ(実はシリアの国営TVから来る病院のビデオ)、
ホムスではどうやら極小規模、そしてダマスカス周辺と。またホワ
イトハウスはこれを見過ごしたらしいが、3人のシリアの難民の子
が身体に強度のつらいやけどでトリポリ北部のレバノン人街の病院
に運ばれた。

しかし、次に幾つか問題を取り上げる。リン砲弾は強度のやけどを
加えることがある、そしてもしかすると先天性欠損症(奇形)をも
たらす。けれどもアメリカ人らはシリア軍がリン(確かに化学物質
ではある)を使用していると何も言い出さない、けれどもアメリカ
軍はイラクの都市ファルージャでまさに同じ兵器を使用した、確か
にファルージャではいま先天的障害が急増する。シリアの秘密警察
による政権の拘留者への拷問の報告からすると、アサド政権に関す
る私たちの嫌悪は、戦慄によってもっといろいろ考え直してみては
どうかと思う。だが、この点にも問題がある。わずか10年前、アメ
リカ合衆国はカナダ市民を含む罪のない人々をまさにその秘密警察
によって尋問され拷問させるため、ダマスカスに引き渡してきた。
そして、もしサダムの化学兵器のことを言うなら、さらに不具合が
ある。というのは、これら卑劣な武器を構成する部品はニュージャ
ージー州の工場で製造され、アメリカ合衆国によってバグダッドに
届けられる。

もちろん、それは私たちのニュース編集室での話ではない。彼らは
TV放送室に入って新聞を読むだけだ。彼らは新聞社の職場に入って
TV放送をよく見るだけだ。それが浸透する。おまけに大ニュースは
全部同じ、シリアが化学兵器を使用。どれだけ劇場の仕業かという
ことだ。

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/syria-and-sarin-gas-us-claims-have-a-very-familiar-ring-8591214.html

 


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