２０１３年２月７日、ポール・クレイグ・ロバーツのウェブサイト、
政治経済研究所に掲載された記事、「警察国家、それはこの国で起
きている」によると、オバマのアメリカが、ブッシュ・チェイニー
にも増して、またその論理を利用して、警察国家を作り上げている
のが現実。
以下、ポール・クレイグ・ロバーツの記事より抜粋ーー。

◇警察国家は本物だ

無期限の"対テロ戦争"と警察国家を生み出すために９．１１は利用
された。すでに警察国家になってしまっているのに、これほど多く
のアメリカ人が、「この国ではありえない」と信じ込んでいるのは
驚きだ。

警察国家創設ではこの１０年で極めてわかりやすい証拠がある。愛
国者法や外国諜報活動偵察法に違反したとして、アメリカ人に対し
て行われる違法なスパイ行為、意図的なウソに基づく侵略戦争の開
始と戦争犯罪、拷問に対する国内法および国際法に政府が違反する
のを正当化するための司法省によるでっち上げの法律メモ、憲法で
守られている人身保護と法の適正手続きの権利に反したアメリカ国
民の無期限拘留、連邦裁判所を回避するための軍事法廷の設置、脅
威の証拠の提示なしにどんな国に対しても先制サイバー攻撃をする
権限を大統領に与える秘密の法律メモ、証拠や法の適正手続きなし
のアメリカ国民の殺害、等々。

内部告発者やマスコミを保護する法律、兵士に戦争犯罪を報告する
ことを求めるアメリカの軍法にもかかわらず、CIA工作員ジョン・
キリアコウのような内部告発者や、ジュリアン・アサンジのような
メディア、ブラッドリー・マニングのような兵士は、アメリカ政府
の犯罪をリークしたかどで迫害され、起訴されている。

本物の犯罪者は野放しで、秘密主義の影で何が起きているかを国民
に報告した人たちが罪と罰を受けている。

アメリカ警察国家を正当化しているのは、FBIの"おとり捜査"によっ
て生かされ続けている"対テロ戦争"という作り話だ。

トレバー・アーロンソンがその著書「テロ工場:FBIの対テロ戦争の
内幕」で、FBIがこれまで１５０件の"テロ策謀"をでっちあげており、
他のほとんどすべての"テロ事件"は、テロの告訴を受けた移民等の
テロと無関係の事件であることを実証している。

アメリカの身を売る淫売メディア（マスコミ）はアメリカが対テロ
戦争を行う必要があるほど多くのテロが実際に起きているのは一体
なぜなのか？を問わないので、FBIがテロ策謀を考え出したり、募っ
たりする必要がある。

アメリカの淫売メディアはパキスタンの辺鄙な地域の部族民がなぜ
"テロリスト"として指名されるようになり、アメリカが交戦中でも
ない国の国民や学校や診療所がなぜアメリカの無人機攻撃を受ける
に値するのか？知りたいとも思わない。代わりに、アメリカ警察国
家を生み出したでっちあげを擁護する。アメリカのメディアはハリ
ウッドが反イスラムのプロパガンダ映画「ゼロ ダーク サーティ」
でしているように、レニ・リーフェンシュタールと化している。こ
のプロパガンダ映画はイスラム嫌悪を広める宗教差別犯罪だ。なの
に映画はオスカーを受賞しそうなほどで、イスラム教の脅威と戦う
名目で、アメリカ人を専制政治と百年戦争に陥れようとしている。

ブッシュ、オバマの警察国家はリンカーン、ウィルソン、ルーズベ
ルトよりはるかに包括的で対テロ戦争は無期限、すでに第二次世界
大戦の３倍の長さになっている。警察国家が"不法占拠の権利"を取
得しつつある。

しかも、政府には自らの犯罪やウソ、納税者の金の浪費に対する説
明責任から自らを守るために警察国家が必要なのだ。

民主党の州知事を追い出そうとするカール・ローブの策謀によるも
のらしいアラバマ州知事ドン・シーゲルマンの不法な有罪判決を考
えてみよう。民主党オバマ政権はこの偽りの告訴を検討せず、民主
党の無実の政治家に恩赦を与えることもしなかった。CIA覆面工作
員の名前をリークしたチェイニーの工作員の実刑判決をブッシュが
いかに素早く取り消したかご記憶だろうか？民主党は脅しに屈した
卑劣な政党で、正義を恐れる共和党同様、腐敗した警察国家の一部
なのだ。

グレン・グリンウォルドは、出世のためには奇妙なでっち上げの告
訴で罪のない人間を潰してしまうことも辞さない２人の連邦検察官、
弁護士カルメン・オルティズと副弁護士のステファン・ヘイマンの
野望によってインターネットの自由の唱道者アーロン・シュワルツ
が自殺に追いやられた様子を説明している。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/jan/16/ortiz-heymann-swartz-accountability-abuse

検察官が責任を問われるのはまれなため、彼らは倫理に反する違法
な手法を駆使して日常的に権力を乱用する。判事は訴訟事件の数を
こなすことばかり気にしているため、アメリカで正義がなされるこ
とはまれである。これが、なぜアメリカでは他の国より高い比率で
国民が監獄にいるか、そればかりか絶対最大数の囚人がいるかの説
明になっている。アメリカは実際、人口がアメリカの４倍の"独裁"
国、中国よりも多くの国民を刑務所に収容している。おそらく史上
最大の人権侵害国家であるアメリカは絶えず中国の人権問題を非難
している。

大統領が誰かを終身刑にしたり命を奪ったりするのにもはや証拠は
要らない。NBCニュースにリークした司法省の秘密メモは、テロリ
ストであるとかテロリストと関係しているとかの証拠は必要とせず、
確信だけを理由にアメリカ国民を処刑する権限を政府に与える横暴
な論拠を明らかにしている。
http://openchannel.nbcnews.com/_news/2013/02/04/16843014-exclusive-justice-department-memo-reveals-legal-case-for-drone-strikes-on-americans?lite

"自由と民主主義"の国、アメリカで、疑わしきは罰せずという原則
はもはや有効な法律原則ではない。もし政府がある人物を有罪だと
言えば、その人物は有罪なのだ。それで終わり。人を処刑するのに
証拠は不要。スターリンでさえ、証拠があるふりをしていた。

イスラエル政府のパレスチナ窃盗が違法であることは疑いようもな
い。ところが、イスラエルが完全に依存しているワシントンは法律
に対して何もしていない。法律はパレスチナ人にとってのみならず、
アメリカ人にとっても、ワシントンの傀儡イギリスやヨーロッパの
NATO諸国にとっても、消滅したのだ。かつて偉大だった大国の惨
めな残骸は、今やワシントンの人類に対する犯罪に共謀している。
５４カ国の政府がワシントンの移送・拷問計画に関わっているのを
証拠立てる報告書をニューヨークに本拠を置くNGO、Open Society
Justice Initiativeが発行した。ワシントンが人々を誘拐し、行方不
明にし、拷問するのを幇助しているのは、ヨーロッパ２５カ国の政
府なのだ。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/05/cia-rendition-report-uk-court

グレン・グリンウォルドは書いている。「政治指導者が行使できる
最も極端な権力は、いかなる戦場からも遠く離れた場所で、いかな
る告発も法の適正手続きもなしに、自国民を処刑の標的にする権力
だ。オバマ政権は理論上そういう権力を主張しているだけでなく、
実際に行使している」と。
http://www.informationclearinghouse.info/article33847.htm

※ ポール・クレイグ・ロバーツは、経済政策担当の元財務次官補。
ウオールストリートジャーナルの元共同編集者でもあり、ビジネス
ウィークなどにもコラムを書いていた。彼のインターネットコラム
を世界中の支持者が読んでいる。
www.paulcraigroberts.org/2013/02/07/it-has-happened-here-paul-craig-roberts/

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◇CIAの元尋問官、ジョン・キリアコウは禁錮３０カ月で刑務所へ

米ヴァージニア州地方裁判所は２０１３年１月２５日、元CIA分析
官ジョン・キリアコウに対し、禁錮３０カ月の判決を下し、身柄を
刑務所に送ることに決めた。

キリアコウは、ジョージワシントン大学卒業後CIAに入り中東問題
を専門とする分析官としてキャリアを積んだ。その後、対テロ問題
に関わるようになり９．１１以降はパキスタンでの工作活動を任さ
れる立場になる。だが、２００４年CIAを退職し、米ABCテレビの
解説者になって中東問題についてコメントする仕事に関わるように
なった。

問題になったのは２００７年１２月のインタビューでの発言。０２
年にパキスタンで身柄を拘束された国際テロ組織アルカイダのナン
バー３、アブ・ズベイダ容疑者に対する尋問調査について言及し、
水責めなどの拷問が行なわれていたことを暴露した。

FBI捜査で、さらにCIA職員の身元をジャーナリストに漏らしたこと
がわかると、彼は情報関係者身元保護法に違反したかどで逮捕され
起訴された。

２０１２年４月から始まった公判でキリアコウは一度は無罪を主張
したものの、後に容疑を認めたため、今回のような判決となった。
だが、アメリカの情報研究者Matthew M. Aidは、こういったリー
クが問題になるなら、同じくCIA工作員だったヴァレリー・プライ
ムの存在をメディアにリークしたリチャード・アーミテージの処遇
はどうなのかと疑問を呈した。というのも、こちらは「不慮の出来
事」としてまったく罪に問われていないからだ。

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◇ WikiLeaks裁判：メリーランド州フォートミードでブラッドリ
ー・マニングの支持者らが抗議
The Voice of Russia 02 June 2013

内部告発サイトWikiLeaksに貴重な収穫アメリカの機密文書を送っ
たアメリカ陸軍上等兵の支持者らが、ブラッドリー・マニングの軍
事法廷に先立ってメリーランド州フォートミードの外で抗議デモと
集会を開いた。マニングの裁判は月曜に始まるとのことだ。この裁
判はアメリカ政府にとって試金石となるだろう。

WikiLeaksに情報をリークした内部告発者ブラッドリー・マニング
上等兵を擁護して世界中でデモが行われている。

「私たち全員がブラッドリー・マニング！」と大声をあげるフォー
トミードの抗議者の数は、土曜までに３０００人を超えていた。そ
して終末を通して４大陸２４都市以上で人々が全世界的にイベント
を催した。アメリカの都市のほかに、トロント、ベルリン、パリ、
さらには韓国ソウルまで人々がマニング擁護のコーラスに参加した。

デモ参加者たちは、「ブラッドリーを解放しろ」、「ブラッドリー・
マニング：戦争犯罪を暴いたかどで投獄」とあるプラカードを掲げ
た。

擁護を示す人々のなかに、「ペンタゴンペーパー」をリークしたダ
ニエル・エルズバーグがいた。

月曜（６月３日）、アメリカのイラク戦争とアフガン戦争を通じて
政府への信頼を失った陸軍上等兵コンピュータの天才（２５歳）は、
敵対幇助とアメリカ人の生命を危険にさらした罪で裁判にかけられ
る。しかもそのせいで終身刑をかせられる可能性がある。

国家安全保障を危うくしているのをマニングが知っていたと立証す
る必要があるため、政府の弁護団には解決の簡単な状況ではないと
法律の専門家は言う。

「政府はただ顔を見せることで勝つことはできません」と政府の秘
密主義に関する専門家でニューヨーク大学法学部、正義のためのブ
レナンセンター（Brennan Center for Justice）共同管理者のエリ
ザベス・ゴイテインは言う。マニングの開示が国家安全保障を害す
ることになると考えた理由が彼にあったのを、証明しなければなり
ません。」

月曜、裁判にかけられるブラッドリー・マニング

マニング上等兵は、７０万を超える文書を反秘密主義のウェブサイ
トWikiLeaksに提供したことで起訴される。

アメリカの軍事行動について再び議論を起こさせようと意図した手
段だったと彼は言っている。だが、リークは国家安全保障に損害を
与え、アメリカ人の生命を危険にさらすと政府は言う。もし有罪判
決を受けると、彼には終身刑をかせられる可能性がある。

ワシントンから５０キロほど北東にあるメリーランド州フォートミ
ードでの軍事裁判は少なくとも８月下旬まで及ぶことが予想される。
検察は１００人以上の証人を呼ぶつもりだと述べている。

軍法会議は秘密主義に覆われており、内部告発者に対して熱意を冷
ます効果を与えていると市民的自由グループは言う。

マニングは、１９１７年のスパイ法に基づく起訴に加えて、最も重
大な敵対幇助を含める２１の罪状に向き合う。

エリザベス・ゴイテインは、「メディアへの情報のリークを起訴す
るために政府がスパイ法を用いるおそらく最もドラマチックな例と
なります」と言っている。「まったくドラマチックです、また政府
は犯罪に釣り合っていると言うのでしょう。」

（参考記事：ヴォイスオブロシア、タス通信、ワシントンポスト）
http://english.ruvr.ru/news/2013_06_02/WikiLeaks-trial-Supporters-of-Bradley-Manning-protest-at-Maryland-s-Fort-Meade-0344/

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