◇キューバの強い衝動:病気を制御するにつけ、この小さな島が
世界に教えることができること

西アフリカはキューバが有するよく訓練され、調整された健康管理
システムを必要とする。

ガーディアン紙 23 October 2014

グアテマラ、パキスタン、インドネシア、ハイチ。異なる4つの国
は過去10年に人員不足と資金不足の公衆衛生制度を閉口させる天
災に襲われた共通の経験を共有する。震災後のがれき、洪水、別個
の文化や情況のカオスのなかへ、キューバは地元の医療従事者を支
援するために専門の災害と流行病コントロールチームを派遣した。
それは、これまでメディア販路がほとんど取り上げなかった発展途
上国による先例のない医療団結のニュースだった。

一般に知られているようにヘンリー・リーヴ隊(Henry Reeve
Brigade)は災害医学と感染症封じ込めで訓練された1500人以上
のキューバ人医療専門家によって2005年に創設された。40年
の医療援助経験をもとに事を進めるボランティア・チームは不可欠
な薬剤と器具を用意されてハリケーンカトリーナによって荒廃した
アメリカの州に配備の支度を準備した(この申し出はブッシュ政権
によって無用とされた)。現在、キューバのヘンリー・リーヴ隊は、
西アフリカの現場でエボラと戦っている最大の医療チームだ。

シエラレオネ、ギニア、リベリアで世話の備えをするために、この
小さな島国は461名の医師と看護師を提供する約束をしている、
今までのところ、一国で最も大規模な医療従事者の申し出だ。"20
倍の財源動員と少なくとも20倍の力添えの高まり”を要求する
バン・キムン国連事務総長が世界中からのさえない援助の肩入れを
公然と非難する一方、キューバにはシエラレオネの現場に165名
のこの特別に訓練された医療従事者がいた。西アフリカで奉仕する
ため進み出た共同で利用し合う1万5000の候補者グループから
選ばれたこのボランティアの各々には広範囲な災害に対応した経験
がある。

それでも、この任務のための準備には合衆国とパンアメリカン保健
機構からのバイオセキュリティの専門家と共にハバナのPedro
Kouri 熱帯医学研究所でさらなる厳しいトレーニングを必要とした。
ひどく必要とされる医療専門家のこの迅速な動員は、貧しい発展途
上国がどうやって適任の経験ゆたかな医師や看護師をゆとりとして
残せるのか?という問いを棚上げする。

地域に密着した予防的アプローチと連結する確固とした医療教育戦
略をとることで、ほんの住民1120万の国、キューバが、世界の
大部分の先進国と同等の健康情況を成し遂げた。これは一夜にして
たまたまなったのではなかった。むしろ、キューバの称賛に値する
健康成績評価は、特に力量不足の境遇に向けて設計された戦略を数
十年かけて磨き上げることから生じる。

地域にプライマリーケア(一時診療)の医師を配置することと疾病
予防に重きを置くことで、一次、二次、三次レベルで万人共通の無
料の保健制度が診療をうけやすくして、人々をできるだけ長くでき
るだけ健康にさせ続ける、そしてより高価な処置や進行中の介入の
ために力量を大切に扱う。

しかし地域に密着した医療従事者による予防と健康の促進は話の一
部にすぎない。国内、国外(現在、5万人以上のキューバ人医療専
門家が66カ国で奉仕している)双方のキューバの方針と業務は、
力量不足の境遇で効果的であることがわかる幾つかの根本方針をも
とに進められる。

第一に、地元や地域や国家レベルで健康方針を調整することが不可
欠要素;一貫したプロトコル(治療などの計画案)が封じ込めに絶
対必要なうえは、伝染病が懸念されるところで特にこれが重要だ。

次に、医療の率先は分野をまたがらなければならず、統合したメッ
セージや行動に基づかないといけない。異なる機関の間や異なる機
関による断片化してまとまりのない反応は危険であり、致命的とも
証明されうる。これはダラスでのトーマス・エリック・ダンカンの
死亡やエボラに感染する看護婦に民間航空便での移動を許したアメ
リカ疾病管理センターによっていたましくも明らかにされる。

最後に、感染病の急激な発生はすみやかに注意を向けさせないとい
けない、公共の保険制度がすでに過大の負担になっているかすでに
崩壊している貧しい環境では、言うはやすし行うは難しだ。

エボラの急激な発生はキューバの迅速な救済に取りかかるまさかの
時に飛びついた:よく訓練されて必要なものを授けられた一次医療
の専門家によって提供される調整された反応だけがこれを、そして
また将来の流行を封じ込める。実際、世界保健機構のマーガレット・
チャンとジョン・ケリー国務長官がキューバの反応をほめたたえた、
そしてこの世界的な健康危機への唯一の(問題の)解決としてコラボ
レーションの重要性を強調した。

しかしながら、この解決を案出するには、力量やノウハウを整理す
るために国境や機関を超える政治的意志を利用することが欠かせな
い。ハバナは地域のパートナー国や世界的な保健当局と10月20
日にエボラ特別サミットを主催することで難題に従事した。目立つ
不参加はアメリカの医療代表者だった;広範囲にわたる一体化して
効力のある世界的反応を構築しようとするなら、政治的な違いに関
係なく、力量と経験のすべてが対等に統合されて生かされなければ
ならない。何らかの点で足りないとエボラが勝利する。

△記事を書いたConner GorryはMedicc Reviewの上級編集者。
Follow @ConnerGo on Twitter.

http://www.theguardian.com/global-development-professionals-network/2014/oct/23/cuba-healthcare-lessons-ebola-sierra-leone-guinea-liberia?CMP=twt_gu

=======================================

参考までに下記、ハイチ地震後の2010年の記事を紹介する。

◇キューバの援助はメディアに無視される?

キューバ人医師たちはハイチに救助を提供した最初だったが、ほと
んどメディアの取材を受けなかった。

アルジャジーラ 16 Feb 2010 by Tom Fawthrop

ハイチを助ける多数の提供国の中でキューバとその医療チームは地
震の犠牲者を治療することで主役を演じた。

がれきの中に最初に医療施設を建て、地震が襲った直後に病院を繕
ったのはキューバ人だったと公衆衛生の専門家らは言う。

しかしながら、医療分野での彼らのかなめとなる働きはメディアの
報道で軽く受け止められた。

「他のどの国よりも早くキューバには現場に数百人の医療従事者が
いたという事実についてメディアでは触れなかったも同然だったこ
とに唖然としている」と南アフリカのウエスタンケープ大学公衆衛
生の教授デイヴィッド・サンダースは言っている。

ハイチのキューバーチームのコーディネーター、カルロス・アルベ
ルト・ガルシア博士は、キューバの医師、看護師、他の医療従事者
は一日18時間開業する手術室で昼夜ノンストップで働いていると
言う。

協力の歴史

1998年にハイチとキューバは医療協力の協定に調印した。

地震が襲うより前に344人のキューバ人医療専門家がすでにハイ
チに存在した、そして目の病気で失明したハイチ人の視力を元に戻
す手術に加えて一次診療や産科を提供した。

すばやい反応、災害スペシャリスト、ヘンリー・リーヴ医療隊の一
部として地震後まもなくさらに多くの医師が運ばれた。地震の余波
に対処することで旅団には広範囲な経験があり、中国、インドネシ
ア、パキスタンのそのような災害に責任を果たしてきた。

「キューバの医師の場合、彼らは災害に対するすばやい応答者です、
なぜなら災害管理が彼らの訓練に絶対必要な部分だから」とニカラ
グアの公衆衛生スペシャリストMaria a Hamlin Z?nigaは説明する。

「どんな災害状況においても人々に行動する覚悟を決めさせること
でリスクを減らす必要を彼らは十分承知している。」

キューバの医師たちはベネズエラからの財政支援によって援助され
る合計22の異なる世話の持ち場のある改造された三つの病院と五
つの野戦病院という医療施設や、五つの診断センターを組織してい
た。彼らはまた、ハイチの医療従事者に加えて、ほぼ70名のキュ
ーバの理学療法士とリハビリ専門医によって配置される九つのリハ
ビリセンターも管理している。

キューバのチームはベネズエラ、チリ、スペイン、メキシコ、コロ
ンビア、カナダからの100名の専門医と17名の修道女によって
手伝われた。ハバナはまた、負傷者のために40万人分の破傷風ワ
クチンも送った。

メディアのだんまり

しかしながら、国際援助活動について報道する際に西側メディアは
あまねく提供国リストでキューバを高く評価しなかった。

大手の国際通信社の提供国リストはハイチに30名以上の医師を送
ることでキューバを評価した、ところが、実際の数字はキューバで
卒業した280名の若いハイチ人医師を含め、350名以上だった。
最終的数字は現場で最大の医療分遣隊までのし上がるすべてのキュ
ーバの医療チームに所属する930名の医療専門家を併せた合計を
計上する。

キューバで訓練を受けたアフリカやラテンアメリカ24カ国からの
200名の医師とハバナで卒業した1ダースのアメリカ人医師が現
在ハイチに向かう途中とすれば、もう一群が現在のキューバ医療チ
ームに増援を提供する。

比較して、国際的に有名な国境なき医師団(MSF=M?decins Sans
Fronti?res)にはハイチで働くおよそ269名の医療専門家がいる。
MSFはキューバのチームよりかなりたくさんの資金に恵まれており、
はるかに大量の医療の蓄えがある。

無視(除外)される

ところで、MSFやICRCはTVカメラの前でたびたび医療の優先事項
や医療のニーズについて議論するのに、キューバの医療チームはメ
ディアの報道にいないのに気づく。

英ガーディアン紙の元外国編集者でラテンアメリカ専門家、リチャ
ード・ゴットはこのように説明する:「西側メディアは予想外の場
所から出てくる援助に無関心(冷淡)にプログラムされる。ハイチ
に関しては、メディアはただキューバの貢献を無視したばかりか、
他のラテンアメリカ諸国による骨折りも無視した。」

ブラジルは公共医療施設でも特に救急看護設備一式10個、救急医
療用の移動設備一式50個、ラボや病院の資金提供で7000万ド
ル提供している。

ベネズエラは、ハイチの国が災害から回復するまでハイチの負債す
べてを免除して、石油を無料で供給すると約束した。西側のNGOは
メディアの役員を使用して彼らがしていることを世界が知るのを確
実にする。

ゴットによると、西側メディアはそのようなNGOと取引して相互補
助の関係を発揮できるようにするのに慣れてきている。

しかしながらキューバ医療チームは、大部分は西側のこの人道的メ
ディアの輪の外にあり、その結果、もっぱらラテンアメリカのメデ
ィアとスペイン語の放送局や活字媒体からのみ配慮を受けるらしい。

しかしながら、この一定の報道様式に対して注目に値する例外があ
った。1月19日、CNNのリポーターがラパス病院のキューバ人医
師に関する報告でハイチでのキューバの役割について沈黙を破った。

キューバとアメリカの協力

ハイチ人をフロリダの病院に避難させる目的で、米軍機がキューバ
領域を飛行するのを認めるようアメリカが要求したとき、ほぼ50
年の2国間の敵対感情にもかかわらず、キューバはただちに同意し
た。

キューバ外務省の北アメリカ部局長、Josefina Vidalは、「キューバ
はハイチ国民を助けてより多くのいのちを救うため、アメリカを含
める現場のすべての国々といつでも喜んで協力する」と断言する声
明を出した。

この約束はキューバ南端のグアンタナモ湾のアメリカ海軍基地から
マイアミまでの医療避難の飛行時間を90分に短縮した。アメリカ
国務省スポークスマン、Darby Holladayによると、アメリカはまた
医療救援物資をハイチのキューバ人医師が使えるようにすることを
迅速に伝えた。

「可能性のあるアメリカとキューバの協力はハイチのニーズに大い
に役立つことができた」と、最大の協力が緊急に必要だと主張する、
キューバの健康政策に関する本「Healing the Masses」の著者Julie
Feinsilver博士は言う。

恵まれた人的力量

キューバは貧しい発展途上国だが、医師やエンジニアや災害管理の
専門家など、人的力量の豊富さが、はるかに豊かな西側諸国と並ん
で健康管理や人道援助で世界的役割を演じるのを可能にしてきた。

キューバ医療チームはインド洋の津波に引き続いて欠かせない役割
を演じたし2005年パキスタンの地震のあと最大規模の医師派遣
団を提供した。彼らはまた2006年インドネシアの地震被災者を
治療する国際的な医療チームにまじって最も長くとどまった。パキ
スタンの救援活動でアメリカとヨーロッパは医療チームを派遣した。
それぞれ、大抵の医師が1カ月間配置される基地があった。しかし
ながらキューバ人は7つのすばらしい基地を配置し、32の野戦病
院を稼働して6カ月間踏みとどまった。

現在キューバの外相であるブルーノ・ロドリゲスがその任務を率い
て6カ月以上ものあいだパキスタンの山岳で暮らした。

一年後のインドネシアの地震直後に私はインドネシアの当時の地域
健康コーディネーターのひとり、Ronny Rockito博士に会った。

キューバは135名の医療従事者と2つの野戦病院を送った。わず
かひと月後に他の国々の医療チームが出国したので、キューバの医
療チームに滞在を延長するよう頼んだとRockitoは言った。「私はキ
ューバの医療チームを高く評価します。彼らのスタイルは非常にフ
レンドリーです。彼らの医療基準は非常に高い」と彼は私に話した。

「私どもの政府から財政援助がないのにキューバの(野戦)病院は
まったくすべてを備えていて無料でした。」

キューバ人医師たちがまさか彼の国を救いにやって来るのを経験す
るとは予想しなかったとRockitoは言う。

「医師が貧しい国からやってくることについて私たちは非常に意外
に思いました、キューバの国はとても遠いのでほとんど知りませ
ん。」
「私たちはキューバの医療制度から学ぶことができます。彼らは非
常に手早く怪我や骨折を処理します。レントゲンを撮ると即座に手
術します。」

新しい夜明け?

20カ国の提供国の初会合、モントリオール・サミットは3月に国
連でハイチの将来について重要な会議を開くことで合意した。

一部のアナリストはハイチの復興をアメリカとキューバにとってイ
デオロギー上の違いを回避して彼らの力量を結合する可能性のある
機会として見る、ハイチを助けるにつき、キューバには人的力量が
ある一方、アメリカにはロジスティクス(兵站業務、物資の総合管
理のための手法・戦略・システムなど)がある。

「キューバは他のすべての国や参加国多数の組織や機関と一緒にハ
イチの再建のための援助活動を議論し計画し調整するなんであれす
べての会議で交渉の席を与えられるべきです」とFeinsilverは確信す
る。

だが、”テロリズムを支援する”とやらの国のリストにキューバがあ
るアメリカの政権に、キューバとの関係において”新しい夜明け”を
ハイチが差し伸べるだろうか?

1月下旬、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官がハイチでの
骨折りに対してキューバに感謝し、さらなる援助と協力を歓迎した。

ハイチ大再建計画で「いかなる国または組織または機関からも制度
の強制があってはなりません。結局、政府やNGOのものとなること
から、ハイチの国民自身が政策に方向づけをあてがわないといけま
せん、そしてキューバはずっとハイチの医療分野のキープレーヤー
であり、またそうあり続けるべきです」とFeinsilverは主張する。

http://www.aljazeera.com/focus/2010/01/201013195514870782.html

 


♯お知らせ♯

きままなブログを始めました。よりのんきでよりビジュアルな内容になっています。
*見つけた 犬としあわせ* こちらもごひいきに。

このサイトと著作権についての考え方