◇アメリカでは今年この時点で警察が500人以上を殺害

World Socialist Web Site 12 June 2015
by Tom Hall and Andre Damon

過去7日間だけで警官が20人を殺害、全米の警察暴力の多発とし
て今週、警察によって殺害される人の数が今年ここまで500人に
なった。

ニューヨークのクリントン更正施設から脱獄した2人の在監者を再
逮捕する大がかりな犯人追跡を中心に今週、新聞記事の見出しが治
安強化のヒステリーをあおりたてる試みに支配されてアメリカのメ
ディアは広く犠牲者500人の重大時点を無視した。

警察の殺人のデータベースによると、今年500人目の死はフェニ
ックスの郊外サンシティで家族によって要請される礼儀上の立ち寄
りの間にマリコパ郡スワット隊の隊員が自殺したい衝動に駆られる
Richard Warolf(69歳)を射殺した月曜の夜に生じた。

次の夜、アイオワ州デモインの警官が2分の低速追跡の後、彼女の
パトカーの窓から武器を持たないライアン・ボリンガー(28歳)
を撃ち殺した。

月曜以降、警官によって殺害された他の9人には、フロリダの
Matthew Wayne McDaniel(35歳)、カリフォルニアのRene
Garcia(30歳)、テーザー銃で殺害されたニューヨークのMario
Ocasio(51歳)、オハイオのJeremy John Linhart(30歳)、
テーザー銃で殺害されたダラスのRoss Anthony(25歳)、ヒュー
ストンの無名の自殺衝動に駆られる男性(45歳)、シンシナティ
のQuanDavier Hicks(22歳)、ニューヨークのIsiah Hampton
(19歳)、警官に5発撃たれたマイアミの無名のホームレス、フ
ロリダ・ポンパノビーチのCharles Allen Ziegler(40歳)が入る。

それに対し、司法制度は人殺し警官を起訴からかばい続ける。木曜、
カヤホガ郡の検察官Tim McGintyは、昨年オハイオ州クリーブラン
ドのタミール・ライス狙撃に関与した警官はもしかすると罪を問え
ることがわかったとの地方判事の勧告裁定を却下した。

めったに使われないオハイオ州法の下で裁定するクリーブランドの
Ronald Adrine判事は、公園でおもちゃの銃で遊んでいたライスを
狙撃し、そのあと医師の応対処置の提供を怠ったことで、警官
Timothy LoehmannとそのパートナーのFrank Garmbackを謀殺と
不注意な殺人の罪で告発するのにまず確実な根拠が存在したと裁定
した。

起訴する代わりにMcGintyは警官を起訴するかどうか検討するのに
秘密主義の大陪審手続きを使うとの彼の意向を再び断言した、昨年
ミズーリー州ファーガソンでマイケル・ブラウンを、そしてスタッ
テンアイランドでエリック・ガーナーを殺害した警官の容疑を晴ら
した、結果を不正に操作する大陪審手続きに類似した結果を確実に
したいものであるのはむろんだ。

火曜日、イギリスの新聞ガーディアンがアメリカの警察の人殺しに
関する独自のデータベースを公表して他のどんな類似したデータベ
ースより詳細な検分を提供した。ガーディアン紙は、アメリカの警
察が2015年の最初の24日間にイギリスやアイルランドの警察
が過去24年間に経験するより多くの人々を殺害したことを調査で
見つけた。そしてアメリカの警察が、ドイツの警察が丸々一年で殺
害するより多くの人々を毎週殺害することを見つけた。

またガーディアン紙は、人口540万のフィンランドの警察が20
13年全体で発射したよりも多くの弾丸を、人口6万7599のワ
シントン州パスコの警察が武器を持たないひとりの容疑者Antonio
Zambrano-Montesに向かって発射したことを見つけた。

ガーディアン紙の数字(別の独立したデータベース、
killedbypolice.netのデーターとぴたりと一致する)は、さらにまた
地元警察署による任意の報告に基づくアメリカ政府の公式の数字が
警察暴力の犠牲者を法外に実際より少なく数えるという証拠までも
提供する。今年3月の司法統計局による調査が、連邦の統計は警察
狙撃の実数をおよそ2.5回ずつ少なく数えたことを見つけ出した。

長年の市民権擁護団体からの要請にもかかわらず、警察の殺人の全
国的なデータベースを構築すること、または任意の基盤の他にもな
んであれ彼らの手に掛かる死を報告するように地元警察署に要請す
ることに対してオバマ政権は反対を維持してきている。

ワシントンポスト紙とボウリング・グリーン州立大学による4月の
調査によると、過去10年を支配する何千もの警察の殺人にもかか
わらず、起訴されたのはわずか54人の警察官だけ。特に憎むべき
な犯罪を犯す明白なビデオ証拠が存在しないかぎり、ほとんどいか
なる時にでも警察は起訴されないことをこれらの事例の再検討が示
す。

月曜にウォルター・スコットの謀殺で起訴されたサウスカロライナ
の元警官マイケル・スラガーの場合は、そのような通常のルールを
証明する例外だった。警官は最初のうちは狙撃を隠蔽しようと試み
たが、スコットが逃げようとしたときスラガーがスコットの背中を
撃ったあと、嫌疑がかかるようにスコットの死体に武器をこっそり
仕込んだことを示す傍観者が撮ったフィルムが出てきたあと、その
作り話を変えることを余儀なくされた。

とにかく、故意の殺人罪のクリーブランド警官マイケル・ブレロの
先月の無罪放免によって示されるように、関与した警官による不正
の抗しがたい証拠があるスラガーのような場合にも有罪判決の保証
は何一つない。直射で達する風防ガラスを貫通した15発を入れる
49発の弾丸をブレロが停止する車両の武器を持たない乗客に発砲
した事実にもかかわらず、その場合は「形勢は被告マイケル・ブレ
ロが故意に死を引き起こしたとのそこそこの疑いの他は立証されな
かった」と判事は裁定した。

殺人警官の組織的擁護のための行動は、政府のあらゆるレベルから
ホワイトハウスまでに及ぶ。昨年秋に全体的な抗議を誘発したマイ
ケル・ブラウン殺害の最も悪名高いダレン・ウィルソンを含み、オ
バマ政権は市民権侵害でひとりの警官も起訴してきていない。

クリーブランドからファーガソンそしてボルチモアまで、都会で後
に続く組織的暴力と腐敗の繰り返される有罪を証明する報告の発表
にもかかわらず、オバマ政権は、どのような警官や当局者も刑事上
説明する責任があると考えられる残忍性の「パターンと実践」に責
任があると法律上の請求をすることを断固として拒否した。ワシン
トンポスト紙による最近の調査によれば、オバマ司法省は、警官の
残虐行為に関与する最高裁の訴訟事件でことごとく警官の側を支持
することになった。

http://www.wsws.org/en/articles/2015/06/12/poli-j12.html

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◇サウスカロライナ州チャールストンの教会で9人が殺害された銃
乱射事件で18日に逮捕されたディラン・ルーフ容疑者(21)は
フェイスブックの自己紹介にアパルトヘイト(人種隔離)時代の南
アフリカの国旗と白人支配下で人種隔離政策が続いた旧ローデシア
(現ジンバブエ)の国旗を縫い付けたジャケット姿の写真を載せて
いた。
同容疑者のフェイスブックは18日夜までに閉鎖された。
地元警察や米メディアによると、ルーフ容疑者は17日午後8時頃、
1人で教会に来て聖書の勉強会に加わった。しばらくして、「やら
なくちゃいけない」と言いながら乱射を開始。男性の一人がやめる
よう嘆願すると「おまえたちは我々の女性をレイプし、国を乗っ取
ろうとしている」と発言したという。「私は黒人を撃ちに来た」と
言ったとの証言もあるという。
http://www.asahi.com/articles/ASH6M26M2H6MUHBI00J.html


△大手報道機関ではなく、一般のブロガー(それとは別にオンライ
ンメディアのMashable)がリバースサーチで見つけたディラン・ル
ーフのウェブサイトには、数十点におよぶ彼の自撮り写真と彼の考
えを綴った声明文がアップされていた。
そのサイトはすでに閲覧不能になっているが、「最後のローデシア
人」という名称で、彼の「白人優越」の思想をはっきりと示してい
る。
「東洋人は尊敬している。だって人種差別主義者だから」というの
があり、人種差別主義の強い東アジア人を尊敬し、日本のある映画
が気に入っていたことなどが書かれているとのことだ。
www.alternet.org

 


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