▼感謝祭:アメリカインディアンの観点▼
by ジャクリーン・キーラー
Pacific News Service 01 January 2000

アメリカインディアンにとって感謝祭の歴史はあまり愉快なものではな
い。だが、Dineh Nation とYankton Dakota Sioux の一員が感謝祭に望
みの理由を見つける。AlterNet の感謝祭の傑作である。

感謝祭の祝日を私は祝う。
1000万から3000万のインディアンの死で完結したヨーロッパ人
の侵略で初期に大陸に到着した生存者のための政府公認の祝日について
アメリカインディアンはなんと思うか好奇心を持つ人にはこれは驚きか
もしれない。

私には感謝祭がピルグリムファーザーズ(1620年メイフラワー号で
アメリカ大陸に渡りプリマスに定住した英国清教徒団)をめぐるものだ
ったことは一度もない。私が6歳のときにDineh 族領地の女性である母
は、姉と私に「アメリカ・ザ・ビューティフル」で「ピルグリムのプラ
イドの地」と歌わないよう教えた。私たちインディアンはずっと長くこ
こに住み、もっと巧みにこの地の世話をし大事にしてきていると彼女は
言った。私たちは代わりに「インディアンのプライドの地」と歌うこと
になっていた。

私は学校でこの新しい歌詞で歌うのを誇りとしたが、そっと歌った。違
いを承知していることで十分だった。6歳にして私はなにかとても大事
なことを学んでいるんだと感じた。アメリカインディアン一家の子供と
して、あなた方はたいへんより抜きの生存者グループの一部である、そ
して卑しく、疲れた大集団が私たちインディアンの家にやって来たとき
実際に何があったかについて私たち家族が「内情」の知識を持つことを
学んだ。

ピルグリムがプリマス・ロックにやって来たとき、彼らは貧しくて飢え
ていた。病気と飢えで数ヶ月の内にその半数が死んだ。ワンパノアグ(
当時マサチューセッツ南西部に住んでいたインディアン)の男、スクア
ントが惨めな状態でいた彼らを見つけた。彼は英語を話し、そしてヨー
ロッパに旅行をしており、彼らを気の毒がった。彼らの英国の作物は不
作だった。冬じゅうずっとインディアンが彼らを食わせ、作物の育て方
を教えた。

この人たちは単に「親切なインディアン」に過ぎないのではなかった。
100年かそこいらの間、ヨーロッパの奴隷商人が彼らの村を急襲する
のをすでに体験済みだったし、彼らは用心深かった。しかし何も持たな
い人びとに惜しげなく与えるのが彼らの流儀だった。私たちインディア
ンの中では、ためらうことなく与えうることを示すのが尊敬を勝ちえる
方法である。私の父の部族ダコタのあいだでは、くださいと求められた
とき、「私たちはダコタではないか?生きていないか?」と言う。与え
ることですべてが足るようになると信じられた。与えるのでなく、売る
ことを基盤にした目下私たちが生きているシステムとは全く正反対だ。

ピルグリムと大部分のイギリス人やヨーロッパの人びとには、ワンパノ
アグは悪魔の異教徒だった。彼らはスクアントのことを対等の人として
ではなく、神に選ばれし人びと、つまり彼ら自身を助けるため神が使わ
した道具とみなした。

当初、分け与えて以降、アメリカインディアンの食糧は世界中に広がっ
ている。今日の全作物の70%近くが本来アメリカインディアンによっ
て耕作されたものだった。私たちに出会う前に彼らがヨーロッパで食べ
たものは何だったのかしらと時々思う。トマトなしのスパゲティ?ポテ
トなしの肉とポテト?そして「最初の感謝祭」で、ワンパノアグは大部
分の食べ物を提供し、最初の感謝祭の本当の理由であるピルグリムにプ
リマスの土地の権利を正式に譲渡する条約にサインした。

ヨーロッパ人が返礼に与えたものは何だったか?20年以内にヨーロッ
パの病気と裏切りがワンパノアグ族の多くを破滅させていた。当時の病
気の大部分がヨーロッパ人が家畜化していた動物から感染した。私たち
インディアンの最悪の殺し屋、牛の牛痘が導いた天然痘は感染したヨー
ロッパ人によって使われたブランケットの贈り物から広がった。あるア
メリカインディアンの共同体では90%にも達する死亡率で病気が殺し
たとある人は見積もる。1623年までにはピルグリムのリーダーであ
る大マザーが彼の教区民を意味する「もっとましな成長」に道を譲るた
め異教徒の蛮族を破壊してくれたことで神に感謝を捧げていた。

ダコタ族によって教えられる言い伝えでは、邪悪な人は常に彼や彼女の
心(本質)を肉体から切り離して秘密の場所に閉じこめる。ヒーローは
その秘密の場所を見つけだし、悪事を止める目的で心を破壊しなければ
ならない。

「最初の感謝祭」の顛末に、私は隠されたピルグリムの心を見る。その
心の話は語られねばならない話というより、実話である。何がそれを支
えたのか?偏狭、憎しみ、食い意地、ひとりよがり?以来350年、私
たちはそれが引き起こした悪事を見てきた。ジェノサイド(特定の民族
に対する計画的な大虐殺)、環境破壊、貧困、世界大戦、人種差別。

邪悪の心を破壊しようとするヒーローはどこか?私たち各々がヒーロー
でなければならないと私は考える。それどころか、この木曜日に感謝し
てアメリカインディアンの食事を料理するとき、私はこの隠された心に
ついて、そして私の先祖がそれが引き起こした悪事をどう生き抜いたか
について考えるつもりでいる。

私たちが生き残れるとしたら、分かち合う能力と与える能力がそこなわ
れていないからで、あの当時ワンパノアグの地の感謝祭で遭遇した悪と
善の意志は、一周してもとの場所に戻っているはずだ。
そして、癒しに着手することができる。

▲ジャクリーン・キーラーはDineh Nation とYankton Dakota Sioux の
一員です。
アメリカインディアンのジャーナル、Winds of Change で彼女の書いた
ものが読めます。
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▼バグダッドバーニング リバーベンドの日記▼
イラク発ガールブログ、戦争、政治、占領を語ろう
http://www.geocities.jp/riverbendblog/
29 November 2004

バグダッドでいやになった、、、

とても説明できないほどファルージャの状況は悪い。最悪に不吉な悪夢
の中で見る街のひとつになっている。死骸が散らばる破綻したストリー
ト、もろくも崩れおれる家々、倒されたモスク、、、最悪なのは米軍に
よるファルージャ内部での化学兵器使用のことをここ数週間聞かされて
ることだ。イラク保健省から派遣された一団が何かの理由で街に入るの
を許されていないのを今日、私たちは知った。

化学兵器については私にはわからない。米軍が化学兵器を使用するよう
な連中ではないと思うんではなく、そんなことをするほど狂っているの
かしらと私はまだいぶかしく思っているってこと。彼らがTVで見せた
ヴィデオのフラッシュバックがまだ続いている。モスクとあたりに散乱
する死骸。前日に同じモスクを撮した短いヴィデオがあった。多数の同
じ死体が散らばっているが、生きてる人がいた。そのヴィデオに壁にも
たれる老人がいて、両方の目から血を流していた。ほとんど血の涙を流
して泣いてるようだった。どんな「在来型(核を使わない)」兵器が目
を出血させるのか?バグダッドの死体保管所は外観上不可解な事情で死
んでいるファルージャの市民の死骸を収容していると言う。

ファルージャの負傷者は処置されていないし、街で爆撃された6人の子
持ちの家族のことを今日聞かされた。人がブログしてメールして光速で
コミュニケートする時代に、街が丸ごと破壊されジェノサイドにのめり
込んでいるとは考えにくい。そして全世界は気づいていて、黙殺する。
ダルフールでジェノサイドがあったですって?あなた方アメリカ人がフ
ァルージャでやってることを顧みてごらんなさいな。
(2003年初め、スーダンのダルフール地方で反政府集団と政府軍の
衝突が起こり、政府が支持するアラブ系民兵が地域の黒人住民を殺害、
レイプ、略奪して迫害に及んだ。これまでに5〜8万人が殺され100
万人以上が難民になったと言われている。今年9月9日、パウエル国務
長官が上院外交委員会で、ジェノサイドが行われたと証言した)

バグダッドの状況は少しもよくなっていない。供給電力は著しく悪い。
先週、電話が絶たれ、連絡やブログすることを著しく困難にさせた。電
話の故障はバグダッドではどこもかしこでもよくある当たり前のこと。
新たな爆撃の後、地域ではたいてい故障する。私たちのあいだではすべ
てが新規の携帯電話会社と合意の上のこととジョークを言うが、携帯電
話のほうがずっと頼りになるってものでないのが真実。ここ数週間、海
外からSMSを受け取れるようになった(以前はダメだった)。遠くで
暮らす友達や心配する親戚から時たまメッセージを受け取るのはおもし
ろい。特に暗くなった居間で電話が不気味で恐ろしく光り出すときは。

バグダッドでは事態はほんとうに悪い。多くの地域がミニ交戦地帯にな
っている。アミリヤ、アーダミヤ、ガザリヤ、ハイファ等々。残りの私
たちは毎日、通常量の爆発と銃撃を受けるだけのこと。

選挙は不可解だ。実際に選挙が行われるかどうか誰にもわからないし、
多くの人がどうやら選挙でどうにかしたいとは思わないらしい。とにか
く選挙は正当なものにはならないでしょう。選挙に参加する政党は数ヶ
月前に統治評議会を構成したのと同じ政党だけだ。アラウィの一派、チ
ャラビの一派、SCIRI(イラク・イスラム革命最高評議会)、ダー
ワ党等々だ。精一杯気取ってみせようが装ってみせようが、アラウィは
ファルージャでの残虐行為の後、憎むべき人物になっている。彼が権力
の座に就いてる限り、アメリカはイラクを占領するつもりでいる。今は
もう国民はそれを悟っている。彼はブッシュのお気に入りだ。彼は今度
もまたそれを立証してみせた。そして国民はアラウィの政府から洞察に
満ちたことや独自の何かが出てくるのを待つのにうんざりさせられる。

今はもう寒い。ジャケットなしでは外出できない。バグダッドは風が強
く乾いた寒さで有名だ。そんなものが腰を落ち着けるのは遅いが、いっ
たん寒くなるとすべてに入り込む、骨の髄までも。この数週間、灯油ヒ
ーターが私の大事な友になっている。日が随分短くなって停電の時は特
に、暗くなるとちょっと憂鬱になる。まだ燃料不足だから私たちは以前
のようには発電器を使っていない。

バグダッドに腰を落ち着けたように思える集団的な疲労困憊がある、、、
時々、ほとんど流行病のようだと感じる。