戦争について最もショッキングな事実は、その犠牲者ときっかけとなる
ものが個々の人間だということ。そしてこの個人なるものが自分のせい
ではなく途方もない怪物のような政治的申し合わせによって争いで殺し
たり殺されたりの運命に追い込まれる。
=オールダス・ハックスレー(「知覚の扉」を書いた英国の作家)

私たちの同胞であるヒトという生き物に対する最悪のあやまちは、憎悪
することでなしに無頓着でいることだ。それが残酷なしわざの真髄であ
る。
=ジョージ・バーナード・ショー

リベラルに関して言えば、前を見て後ろを見ない人、硬直した反発なし
に新しいアイディアを歓迎する人、国民の快適な暮らしぶり-- 彼らの健
康、住宅供給、学校、仕事、公民権、市民的自由(思想・言論の自由、
当局からの恣意的干渉の自由など)を気にかける人を意味するのであれ
ば、私はリベラルであることを誇りとする。
=ジョン・F・ケネディ
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▼非武装地帯宣言を望む日本の一都市        
一方、政府は新ミサイル製造を計画▼
by フィリップ・ポンス特派員
南ドイツ新聞(ドイツ2大全国紙のひとつ)08 December 2004

日本全体が軍備を増強している。日本全体?いや、ある小都市が抵抗し
ている。大阪の北に位置する枚方(ヒラカタ)市。地域的な市民運動が
試みるのはこの人口40万の都市に「無防備地域」を宣言させることで
ある。たとえ戦争があっても、この都市の住民はともに戦うことを望ま
ない。兵営を撤去し、兵士はその外にいなければならない。枚方市全域
非武装地帯。
「枚方市議会に私たちの企図に関して採決させるには5600人の署名
が必要でした」と、ふだん設計事務所で働く活動家のオオタ氏は言う。
「でも、私たちは短期間に2万506人の署名を集めました」。いま、
地方の有力者や東京の中央政府の役人は、どうしたら平和運動を止めら
れるかに頭を痛めている。「自民党はまだ私たちの宣言を妨げようとし
ているんです」と言うのは、この市民運動に参加する弁護士のマツモト
氏。
この運動をしている人びとは、この宣言によって戦争時に爆撃が防げる
と思っているわけではない。だが、彼らにはひとつのシグナルが大事な
のだ。「私たちはアフガニスタンやイラクでの戦闘をTVで一緒に見せ
られて、ショックを受けました」と、オオタ氏は言う。「私たち枚方市
民が戦争に対してノーと言えばそれは少なくとも一つの始まりです」。
オオタ氏はできるだけ多くの世界中の自治体がこの例にならうことを願
っている。
これに対し、小泉首相は「軍備拡張と日本の戦略的役割の拡大の問題に
取り組んでいる」。また、自衛隊イラク駐留延長の決定と長距離ミサイ
ル開発の議会承認を企てている。

▲仏ルモンドにも枚方市の非武装宣言の記事が掲載されたとのこと。
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▼沈黙を守ることで名を汚される▼ ロサンジェルスタイムズ 
19 December 2004

段階的に行われる軍による捕虜虐待の申し立てに、いつ大統領は応じる
のか?イラクの海兵隊護衛兵は抑留者にアルコールが基調の液体をスプ
レーし、マッチをすって捕虜に点火した。そして男の両手を燃やして火
ぶくれにした。12月に公開された軍の記録文書によると、別の海兵隊
員は電気変圧器のワイヤーを抑留者の肩に固定。その結果、男は「感電
したときダンスした」

いま調査中の写真では海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)が頭から布袋
をかぶせられ手錠をされたイラク人捕虜の上に座るっているようだ、そ
して別の出血している抑留者に銃を突きつけている。国連の団体の最新
報告によると、陸軍勢は拘留中のアフガン捕虜たちを繰り返しぶちのめ
して罰し、彼らのつま先の爪をはがし、ショックを与えて冷たい水に漬
けた。大抵の事件が2002年と2003年に生じた。

段階的に行われる捕虜虐待の申し立て、これらはほんの数例だが、ほん
の少数の腐ったリンゴに責任があるとの大統領の主張をとうの昔にくつ
がえした。報告書には、この虐待について上官に苦情を申し出た兵士と
士官が仕返しと荒々しい肉体的危害でもって脅されていたとあった。軍
務の全域で説明されていない死や面汚しや悪行の報告が増加するとき、
それでもブッシュ大統領は黙ったままである。

戦場の兵士は発砲の圧力下での彼らの行為に対し、かなり考慮されても
しかたがない。アドレナリンと殺すか殺されるかの難局が人を促すのに
多大の影響をもたらすとき、彼らは普通の状態にあるとは決してみなさ
れない。だが、続々と明るみに出る多数の写真は許容できる戦闘行為と
いうより、もっとずっと冷血なサディズム行為のように見える。過去や
現在の他の虐待が事実の開示を待つばかりの状態にあるらしいとわかる
のに我慢がならない。

5月、バグダッドに近いアブグレイブ刑務所での虐待拷問の写真が公に
なった後まもなく、ブッシュは「イラク人抑留者、、、その家族のこと
でこうむった不面目(恥)は残念だ」と言った。だが、「少数の残酷な
行為」と彼は一週間後に言った。イラクでみごとに軍務についている何
千という兵士の「名誉と功績をおとしめることはできない」と。

「ほんのわずか」が実際には多数だったことは今ではもう明瞭だ。どち
らにしろ米軍のあまりにも多くが部隊指揮官の管理下にないか、彼らの
司令官とワシントンの政策立案者の賛意を有して、あるいはさらにひど
い、司令官とワシントンの政策立案者の指導で、無情な扱いをし、燃や
して、ソドミーを行う容疑者だ。

どちらの解釈でも言い訳は立たない、そして最高司令官としてブッシュ
にはそれを言う責務がある。

昨年春に怠って言わなかったことを大統領はただちにずばりと申し述べ
るべきだ。捕虜の拷問と不面目は全アメリカ人の名を汚す;そのような
ふるまいは常に容認できない;そしてそのような行為を知る士官と、そ
れを止める代わりに奨励したり無視するような士官は、すべて軍法会議
にかけられることになると。
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▼MAGCHIMERA WARTIMEより▼全文は下記にてお読み下さい。
http://www.chimerafilms.co.uk/children_mag00.html

今回の津波の被害で、もっとも心配なのは震源に近いアチェだ。アチェ
はインドネシア軍との戦い(と言うより、ほぼ一方的な残虐行為)によ
って地震の前からすでに破壊しつくされていたが、今現在、インドネシ
ア軍および政府はアチェへのエイドを妨害するというサボタージュによ
って、被害をさらに広げようとしているかに見える。

いま発表されている死亡者数は8万人。在マレーシア・インドネシア領
事によれば、最悪の場合、アチェだけで40万人が犠牲となったかもし
れないと言う。

インドネシア軍との戦いで疲弊したアチェはもちろんだが、今回被害に
あったのはすべて貧しい国々だ。日本の援助で島の周囲に波消しシステ
ムを備えていたというモルディブだけが、国土のほとんどがゼロメート
ル地帯にもかかわらず奇跡的に小さな被害でくい止めている。同じもの
がそのほかの海岸にもあればと思わずにはいられない。地震も津波も自
然災害ではあるけれど、被害を拡大したのはほかならぬ貧しさだ。津波
に対する警戒心の薄さなどを追求し、被害の理由を自己責任に帰そうと
するのは経済大国の責任放棄だと思う。貧しさによる二次災害が起きな
いうちに確実な援助を。(藤澤みどり)