▼ラムズフェルド、自由の身にするとサダムに提案▼
アル・ジャジーラ 01 May 2005

ラムズフェルド米国防長官は、囚われの身のイラク元大統領サダム・フ
セインと極秘裏に面会し、釈放と通常生活への復帰を約束する代わりに
TVでイラク武装勢力に向けて停戦を呼びかけるよう提案していたと報
じられている。

ロンドンが拠点のアラブ系新聞、アラブデイリー・アルクドゥス・アル
アラビーの記事を引用するイスラエルのオンラインメディアYnetnews
によると、サダムはその提案を即座に拒絶した。

アラブデイリー紙の報道では、サダムとの面会は2週間ほど前にラムズ
フェルドがイラクを電撃訪問した際に行われたが、面会の事実を知るの
は在ヨルダンのイラク高官数名だけとのことである。

イラクの武装集団がサダムの減刑と引き換えに攻撃を停止するという取
引を申し出ているのを、2週間ほど前に英国のデイリー・テレグラフ紙
が報じた。

しかしながら、あるイラク政府高官の話によると、サダムのバース党が
政権復帰を要求しているとも報じられている。

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We know what it means to disarm. There's no negotiations.
「交渉などありえない」とイラク侵略前の2003年1月31日、ブッ
シュ大統領はブレア首相との共同会見の席で発言した。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/05/post_0125.html

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▼ラムズフェルドとフセインの秘密会談▼03 May 2005

英国のデイリー・テレグラフ紙が、次期裁判で死刑判決が予想されるサ
ダムの刑の軽減を条件にイラクの武装勢力が攻撃の停止を持ちかけたと
報じてる間に、ラムズフェルド国防長官が獄中のサダム・フセイン元大
統領を訪問したとアルクドゥス・アルアラビーが報じた。今度は特異な
情報源を持つことで知られるエジプトのリベラル系クオリティー週刊誌、
エル・オスボーのムスターファ・バクリー編集長が5月2日号で同長官
がブッシュにもたらした驚くべき内容の1時間に及ぶ会談の機密報告書
を暴露する。

米政界の消息筋はエル・オスボー誌に、ラムズフェルドがバグダッドを
訪問した際、サダム・フセインと交わした秘密会談の全容を暴露した。
この会談は米占領軍とその同盟軍、手先たちに対してイラク抵抗勢力の
特攻作戦が激化している最中に開かれた。同筋は、発表された数字はわ
ずかながら、米軍は過去3ヶ月で1600人以上の死傷者を出したと指
摘している。

情報によると、ブッシュ大統領は米兵の命を救い、同盟軍の崩壊を止め
るための具体策を政府高官らと協議した。出席者全員が下した結論は、
サダム元大統領にTVカメラの前でイラク抵抗勢力に暴力行為を止める
よう訴えさせ、イラクの政治に参画するため政党を設立すると発表する
見返りに、サダムを釈放し、国外に亡命させるというものだった。

ブッシュは国防長官にイラク新政府の樹立を急がせ、選挙で選ばれた政
治指導者たちと会談するとの名目で、ただちにイラクを訪問するように
命じた。

ラムズフェルドはイラク駐留米軍の司令官同席の下、バグダッド空港近
くの拘束所でサダムと1時間近く会談し、イラクの現況と将来像を記し
た会談報告書をブッシュにもたらした。報告書には、抵抗勢力及びサダ
ムとの政治対話を定期的に継続する必要性が強調されている。

報告書の中でラムズフェルドは、「イラクの状況はますます危機的にな
り、アラブの抵抗勢力は準備も訓練も行き届き、資金も武器も供給され
ている組織化された軍隊のようだ」と強調している。

「抵抗勢力の数は現在では40万人以上にも達し、500万人以上の支
援者に囲まれている。ファルージャでのできごとは治安情勢に負の影響
をもたらし、抵抗勢力はテロとの戦争の影響を自分たちに有利に活用し
た。そのため、イラクの若者たちが競って抵抗勢力の戦列に志願するよ
うになった」

「現在、抵抗勢力を名乗る多くの抵抗組織は、イッザト・イブラーヒム
・ドーリー元イラク副大統領が率いるバース党諸組織の別の顔に他なら
ない」

「武装活動は毎日200件を超えている。今後はさらに悪化する。同盟
軍とイラク国家警備隊、イラク警察の犠牲者は数十人になるだろう」

「米国とイラクの多くの報告書を読んだが、イラクの治安状況は悪化、
兵士の士気は後退し、軍の人的、物的被害は増加している。米軍は毎週
少なくとも30の軍用車両、航空機などを失っており、兵器の損失は甚
大だ」

「抵抗勢力は最近、大砲や爆弾、砲台、地対空ロケット(ミサイル)など
の新鋭兵器の複数の倉庫を押収した。米軍司令官たちはこれらの兵器が
暴力行為や抵抗活動を活発化させることを危惧している」

ラムズフェルドは、「サダム・フセインとその支持者らと我々双方が出
し合うすべての条件を協議するために一時的に停戦期間を設け、合意文
書に到達するまでサダムらと協議を続ける必要性」を求めて報告書を終
えている。

なお、突然の訪問客がラムズフェルドと知って驚いたにせよ、サダム・
フセイン元大統領は落ち着いており、緊張した様子は見られなかったと
のことである。

http://www.elosboa.com/elosboa/issues/423/0401.asp
(記事より一部抜粋)
http://arabvoice.blog7.fc2.com/blog-entry-24.html
(アラブの声ブログ)