▼ロンドンのテロ事件は西側世界に有利▼Fox News' Fox & Friends
July 7, 2005

Fox NewsのBrian Kilmeadeはロンドンの同時多発テロに大はしゃぎ。
G8サミットの近くで起きたロンドンテロ事件は、「人々がこのような
ことを共に経験するとして、西側世界の有利(好都合な要因)に働く」

7月4日の Fox News' Fox & Friends の番組でのロンドンの地下鉄と
バス攻撃に関するブレイキングニュース報道の間に、Fox News の
ホストであるBrian KilmeadeとFox News の出資者で代役ホストの
Stuart Varneyとのあいだで次のようなやりとりが生じる。

KILMEADE: そして彼(英国の首相トニー・ブレア)は、はっきり声を震
わせ、ともかくはっきり決意して声明を行った。これは2度目の声明で
ある。最初のはロンドン市民に向けたもの、今回のはG8サミットでの声
明だ。サミットの一番の話題は、本当とは思えないかもしれないが地球
温暖化だった。二番目の話題はアフリカ支援。911でわかってしかる
べきだった、彼らはテロリズムが一番の話題だと今やっとわかる。だが、
大事なのはみながまとまることだ。人々がこのようなことを共に経験す
るとして、テロ攻撃はわれわれの強みに働くと思う、西側世界の有利に
働くと思う。攻撃が起こったところからちょうど500マイルだ。

VARNEY: テロ攻撃は、G8という世界の指導者が集まっている場所での
最優先課題にナンバーワンの問題を戻す。地球温暖化を最優先課題から
外す。アフリカ支援を最優先課題から外す。テロリズムとテロとの戦い
をもう一度最優先課題に立てる。

KILMEADE: そうだとも。

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▼イラン戦争はすでに始まっている▼アルジャジーラ 20 June 2005
by スコット・リッター

ブッシュ大統領が、イラクに侵略する口実だった大量破壊兵器のことで
ウソをついただけでなく、戦争につながる過程そのものについてもウソ
をついていたという不愉快な事実に、アメリカ人はようやく気づき始め
ている。

2002年10月16日、ブッシュ大統領は「軍事力を行使する命令を
まだ私は出していない。軍隊を使わないですむことを私は願っている」
と国民に向かって述べた。

私たちは今ではこの大統領の言葉そのものがウソだとわかっている。実
際には大統領は、2002年8月末には米軍にイラク国内で軍事作戦を
展開する権限を与える遂行命令に署名をしていた。

2002年の春遅く、サダム・フセインを権力から引きずりおろす目的
でCIAや米軍特殊部隊に秘密部隊を急派する権限を与える内密の指令
に大統領は署名していた。
だからイラク戦争は遅くとも2002年の初夏には始まっていたという
のが事実なのだ。

イラクの場合がそうだったように、ブッシュ政権はイラン問題に対して
も、外交努力による平和的解決を望んでいると公表している。

現実は米国によるイランとの戦争はすでに始まっている。私たちがこう
して話している間にも、米軍のイラン国土上空への飛行が無人飛行機や
他のもっと高度な軍事力で実施されている。

独立国への領空侵犯は、ただそれだけでも戦争行為である。だが、米国
によるイランとの戦争はすでに諜報収集の段階をはるかに越えている。

ブッシュ大統領は911の結果与えられた圧倒的な権力を利用して世界
規模のテロとの戦いを押し進め、イラン国内でいくつかの秘密攻撃作戦
を実行した。

これらの攻撃作戦のうち最も目立っているのが、最近、CIAの援護を
受けて活動を活発化しているMEK(ムジャヘディーン・エル・カルク)
というイランの反体制派グループだろう。MEKは、かつてサダム・フ
セインの恐怖の諜報機関によって操られていたものの、今ではもっぱら
CIA作戦本部のために働いている。

旧サダム・フセイン体制の同じ諜報機関によって爆弾を使う暗殺の訓練
を受け、現在イラクで米国兵士を殺戮しており、いまだにテロリスト組
織と呼ばれているグループをCIAが使って、ブッシュ政権がイラクで
非難しているのと同じような遠隔爆撃をイランでさせているのだから、
相当な皮肉である。

だが、CIAが後ろで操るMEKによるイラン国内での爆弾攻撃だけが
イランに対して進行中の敵対行為ではない。

イランの北に隣接するアゼルバイジャンではテヘラン攻略をめざす大々
的な陸上作戦の先触れとなる大規模軍事展開のための作戦基地を米軍が
着々と準備している。

視野のせまい欧米のメディアはラムズフェルド国防長官がアゼルバイジ
ャンに示した関心を見逃したかもしれないが、ロシアやコーカサスの国
々は、きたるべきイラン戦争でアゼルバイジャンが米軍のために果たす
役割はもはや変えようがないことを、痛いほどよく理解している。

イラン北部のアゼリ人とアゼルバイジャンの国民との民族的なつながり
は冷戦時代、ソ連によって長期に及び利用された。CIAの準軍事作戦
部隊と米軍特殊部隊はこの敵国の内部操作に役立つ手段を抜け目なく利
用し、アゼルバイジャン軍とともに訓練を行なってイラン国内での諜報
収集や直接行動、テヘランの現地反政府グループの動員のためにイラン
国内で動くことのできる特殊部隊を作っている。

だが、それらは米国が計画しているアゼルバイジャン利用法のひとつに
すぎない。米軍用機がアゼルバイジャンの前線基地から作戦行動をとれ
ば、テヘラン市内やその周辺の攻撃目標にはこれまでよりずっと短距離
を飛ぶだけですむ。

実際にひとたび戦闘が始まったら、米空軍はテヘランの制空権をほぼす
べての時間帯において掌握できるだろう。

今ではテヘランまでかなり短距離で行ける侵攻ルートが存在する。
アゼルバイジャンからカスピ海に沿ってテヘランまで続いている海岸ハ
イウェーを利用すればよいのだ。

米軍の作戦立案者たちは、すでに多数の師団をアゼルバイジャンに配置
すたるめの机上戦争を始めている。アゼルバイジャン国内の基地に米空
軍や地上部隊を展開させるための兵站計画はすでに進められている。  

イラクに米軍が大規模駐留しているおかげで、イランとの戦争を遂行す
るために必要な兵站と指揮統制能力の大半がすでにこの地域に前方展開
されていることを考えれば、イランとの戦争を準備する期間は2002
年から2003年にかけてのイラク戦争の準備が速かったことに比べて
も、かなり短くてすむはずである。

欧米諸国は相変わらずイラクで進行中の悲劇に目を奪われている。
イラク戦争の本当の理由や占領政策の失敗についてぜひとも必要だった
議論は米国内や他の国々でようやく持ち上がり始めたところだ。

ほとんどの米国民はアメリカの主流メディアとともに戦争の隠しようも
ない兆候を見ることができないまま、2003年3月19日に見られた
ようなテレビ映りがよいように仕立てられた正式な宣戦布告の瞬間を待
っている。

だが、今の私たちはイラク戦争が実はずっと早い時期に始まっていたこ
とを知っている。同じように、米軍主導のイラン戦争もブッシュ政権が
正式の声明を出してから始まったのではなく、すでにCIAがイランで
MEKの実行する爆弾攻撃の計画に着手した2005年6月から始まっ
ていたのだということを、歴史が示すことになる。

▲スコット・リッターはイラク戦争が始まる半年以上も前に「サダム・
フセインと911は関係ない」、「イラクに大量破壊兵器などない」と
世界中に訴えた、元国連査察団員だ。

http://english.aljazeera.net/NR/exeres/7896BBD4-28AB-48BA-
A949- 2096A02F864D.htm