▼談合は慣習、一気になくすのは難しい▼奥田経団連会長

日本経団連の奥田会長は、11日の定例記者会見で談合問題について、
「全国津々浦々に行きわたっている慣習のようなもので、地方では仕事
を回し合っているワークシェアリング。本当にフェアな戦いをすれば、
力の強いところが勝ち、弱いところは沈んでしまう」と述べ、一気に談
合をなくすのは難しいとの考えを示した。

また、談合が納税者や消費者からみれば落札価格の高値維持を招きマイ
ナスになるとの問いに対して、奥田会長は「経済的な影響がどう出るか
はそう簡単にはわからない」と述べた。

一方、一部の報道で経団連が会員企業に対して、天下り受け入れの自粛
を要請すると伝えられたことについて「そういうことはございません」
と否定した。そのうえで、「天下りと官製談合との間にどのような関係
があるのかわからない。この問題については時間をかけて検討してみた
い」と述べ、天下り問題について慎重に対応する考えを示した。
(Asahi.com 2005年 7月11日 )

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▼日本の憲法を変えると儲かる会社▼ピースチョイス29 July 2005

イラク戦争初期の頃に、ソニーの子会社であるソニー・コンピュータ・
エンターテイメントのヨーロッパ支社はよくできた反戦CMを放映して
いた。確か、「鉄拳」や「GTA 3」や「ラチェット&クランク」のキャ
ラクターが殴り合うのをやめたり、武器をしまうシーンのあとに静かに
「NO WAR」と画面に現れる内容だったように思う。

一方で同じソニー・コンピュータ・エンターテイメントが、米国が命名
したイラク戦争の作戦名「衝撃と畏怖」(Shock and Awe)
を米国の特許当局に商標登録申請したことが明らかになり、社会的反響
に慌ててこれを取り消すということがあった。

ソニーという会社がイラク戦争をどう考えていたか、この件だけではわ
からない。アメリカがイラク戦争を始めようとしていた時期、企業はそ
れぞれに対応を迫られていたはずである。

また、経営者としてイラク戦争や自衛隊派遣を明確に支持していた企業
があり、憲法改正や武器輸出の緩和を明らかにプッシュしている企業が
ある。

こうした会社や経営者は何を考えているのか、そしてそのうまみ、見返
りは何であるか、考えてみようと思う。

現在も米軍らによるイラク戦争と占領が続くなか、日米政府は北朝鮮や
中国の脅威をあおりたてながら、米軍と自衛隊を一体化させようとして
いる。

武器輸出三原則の見直し、憲法改悪、ミサイル防衛システムの配備など
はその一連の流れである。

日本の経済界のリーダーたちが、こぞってイラク戦争への自衛隊派遣に
も改憲にも前向きなのは、なぜなのか。

航空機や造船のみならず、ハイテク化された戦争では、コンピュータや
ソフト、携帯電話にいたるまで、戦争とその準備は新たな市場である。
また一般市民に広がる不安は、防犯、ウィルス対策、テロ対策という商
売の種になる。

■ パナソニック(松下電器産業)のノートパソコン「タフブック」:
過酷な気候に強く、普通のノートパソならすぐ壊れてしまうような衝撃
にも耐えられるよう設計された「タフブック」は、イラク駐留の米兵に
配布されて、戦地での情報収集や後方支援を受ける際に使われている。

■JR東海の会長、三菱重工業の会長、東芝の社長:
日本経済調査協議会の「憲法問題を考える調査専門委員会」において、
改憲をめざした提言をする。

東京三菱銀行会長の「集団的自衛権や武器輸出三原則などのあり方も見
直す必要がある」との発言もある。

三菱グループには、日本の軍需産業界でトップの三菱重工が含まれる。
三菱グループはこのように、日本の「戦争ができる国づくり」に熱心な
のであるが、以下のような成果となって表れていた。

■大野防衛庁長官は、ミサイル防衛システムのうち、陸上に配備予定の
パトリオット3(PAC3)ミサイルについては国内でライセンス生産
することを正式発表した。 これを担うのが三菱重工業であった。

さらに根深い問題は、アメリカ経済との関係である。アメリカ市場への
輸出でもうけている企業はこのままアメリカの反感を買わずに日米同盟
を強化していくことが得策だと考えている。

■奥田経団連会長(トヨタ自動車会長):
対イラク戦争について、小泉首相がアメリカ支持を明言していることで、
「小泉首相と同じで、アメリカをサポートすべき」
「(日本がリーダーシップをとるためには)軍事力充実も必要」と述べ
た。

■ 荒木浩(東京電力顧問)、張富士夫(トヨタ自動車社長):
小泉首相の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」の座長として、
ミサイル防衛(MD)システム配備を念頭に、武器輸出3原則の緩和を
提言した。

トヨタは昨年、アメリカの新車販売台数で200万台に乗せ、GM、フ
ォードといったいわゆるビッグスリーに近づきつつある。またトヨタは
営業利益の6〜7割は北米で稼ぐとされている。

奥田会長が、イラク戦争を支持する発言を繰り返していた背景には、ア
メリカで売上を伸ばすにはアメリカに反対してはならないと考えたから
に違いない。その発言の効果は、アメリカ市場でのシェア拡大となって
表れているのである。

▲ピースチョイスとは、戦争中毒のブッシュ政権を支持する大企業の製
品を選ばない、買わないことにより、アメリカの暴走に歯止めをかけ、
平和で公正な地球と社会を目指す活動のことです。
http://www.3chan.net/~peacechoice/