アメリカのメディアは考えもしなかっただろうが、国際社会の目に映る
イラク駐留の連合軍は、かなり大世帯のイギリス軍部隊は別にして、そ
もそもブラックユーモア以外のなにものでもなかった。占領地に展開す
る奇妙な帝国軍戦力に加算されるのは、27人のカザフ軍、46人のエ
ストニア軍、96人のフィリピン軍、130人のモンゴル軍、150人
のアゼルバイジャン軍、451人のタイ軍、1300人のスペイン軍、
2500人のポーランド軍、2950人のイタリア軍、その他である。
象徴的なのは、このミクロ規模の兵力のほとんどすべてが、イラクには
まったく無関係であるばかりか、新時代の中東建設に寄せる貢献として
も無意味そのものであり、もっぱら各国の利害関係を背負っているだけ
のことだった。
ただ単に帝国からの無理強いで、また賄賂で釣られて駐留軍に加わった
部隊もある。あるいは、超大国アメリカのご機嫌を取りたいがために。
それにもちろん、ハリバートン社、ベクテル社、その他同類の帝国国籍
の豪華クルーズ船団が大金の流れに乗るのを目にして、政府資金を大企
業に投入すれば景気を刺激して経済全体を潤すという経済理論を標榜す
るイラク再建事業、並びに将来の石油関連契約のおこぼれで、めでたく
海に漕ぎだせるボートも少しはあるかもしれぬと、哀れな望みを託して
兵を差し出した「二流国」の二流指導者もいた。
この「有志連合」のもっとも際だった特徴は、開戦前の様々な世論調査
結果を見ると、例外なくと言っていいほど全ての参加国で、アメリカの
戦争と占領を支持する国民が過半数に届いていないという事実だった。
開戦直前に数百万の人波が街頭デモを繰りひろげた、あの光景を思い出
してみてくれ。特にスペイン国民の熱狂と団結は群を抜いていた。世論
調査によれば、スペイン人の91%が戦争に反対していた。考えてもみ
てくれ。戦争に賛成のスペイン人は9%しかいなかった。
(TomDispatch.com 16 March 2004 )

▼連合軍がイラクの抵抗勢力との戦闘を拒否▼14 April 2004

米軍が訓練した新設イラク軍にファルージャでの戦闘に加わるのを拒否
する部隊が現れるなど、米軍に衝撃を与える事件が続発するなか、米国
主導の連合軍がイラクの抵抗勢力との戦闘参加を拒否する事態が発生し
ていた。
フランスの左翼系週刊誌、カナール・アンシェネがフランス外務省が諜
報機関から入手した"驚き"の情報として伝えた。
これによれば、連合軍に派兵している多数の国が、イラクで現在進行し
ている戦闘に自国の兵士がアメリカ占領軍側に参加するのを拒否してい
る。
「多数の連合国占領軍は、基地の防備を固め、イラクで進行中の戦闘に
おいて、アメリカ占領軍に参加しないことを決定した」
これらの参戦拒否軍は、「我々のイラクでの任務は平和維持とイラクの
復興に限定されており、イラクの治安維持ではない」として参戦拒否を
正当化している。
この情報はスペインのミハイル・モラチノス新外相の声明とも一致して
いる。外相は最近、フランスのフィガロ紙に、「イラクに派遣されてい
るスペイン軍の半分は、残り半分の軍の警備に携わっており、本来の任
務であるべきの、イラク人を守ったりイラクの復興事業はしていない」
と語った。
また同誌は、一方で、リチャード・マイヤーズ米参謀総長がフランスの
高官たちに、「西側国家がイラクの"テロリズム"との戦争で中立的姿勢
をとることは許されない」と強調したことも報じている。   http://www.islamicnews.net/Document/ShowDoc01.asp?Job=&TabIndex=
1&DocID=66802&TypeID=1&SubjectID=0&ParentID=4226

ファルージャの大量虐殺は、ベトナム戦争のソンミ村の大虐殺にも例え
られるほど、世界中に衝撃を投げかけている。
米軍はファルージャでクラスター爆弾や大砲を使って、罪もない女性や
子供をすでに数百人殺したと現地の目撃者は告発している。その残虐さ
は、イスラエル軍によるジェニンの難民キャンプで起きた大量虐殺より
ひどいと描写する人々がいるくらいだ。
どこかで聞いた話ではないか。まるでデジャブだ。アメリカ軍は忠実に
イスラエルの教える通りをなぞっている。

▼唯一の解決策はファルージャを地図から抹消▼15 April 2004

4月15日付、中東バーレーンのアラビア語新聞、アハバール・アルハ
リージは、イラク駐留米軍士官に同行するイラク人通訳の話として、米
軍士官が「唯一の解決策はファルージャを地図から抹消することだ」と
語ったのを報じている。
イラクのファルージャを包囲する、第4連隊に所属するフランク・ドル
ベク少尉は、「ファルージャでのジレンマを平和的に解決しようと目指
すのは結構なことだが、選択肢は一つしかない。ファルージャを平らに
して(爆撃で叩いて)、地図から抹消することだ」と言い放った。
「抵抗勢力は停戦を利用して米軍陣地の近くに防塁を築き、我々に向け
て迫撃砲を昼夜を問わず浴びせ始めた。やつらは手強い敵だ」
一方、14日付のイスラム通信は、アメリカ海兵隊将校の軍務を捨てて
帰国を決意した将校、ジェームス・マーシーが、「イラクの子供も含め
民間人を殺害する命令を訓練中に受けている」と明かしたのを報じた。
「バグダッド近郊の村落の包囲と検問所を監視する任務遂行中に、私と
私の部隊は、1ヶ月間で約30人のイラクの民間人を殺害した」と語っ
た。
フランスの新聞ロマニテによれば、ジェームス・マーシーは、「検問所
で停止しないクルマはどんなクルマだろうと、我々はいささかの躊躇も
なしに発砲したものだ」と明かした。
米軍がイラクで犯している犯罪的行為を認める理由として、「イラクで
犯した犯罪を恥ずかしく感じている」と説明し、「民間のイラク人の血
や死体が目に浮かんで眠れなかった」と述べている。
http://www.akhbar-alkhaleej.com/Articles.asp?Article=87754&Sn=WORL