PROFIT & POWER

重い社会的責任を残らず利益に置き換えるのは?何よりも世界でのさばっている政治的文化的勢力、その名も「企業」だ。

サンダンス映画祭、トロント映画祭、バンクーバー映画祭で観客賞を受賞。ドキュメンタリー映画としてカナダで史上最高の興行収益をあげているのが、米国のダウケミカル社やコカコーラ社を、連続殺人鬼ジョン・ゲイシーやジェフリー・ダーマーと一緒にして告発する、「The Corporation 」。

映画監督マイケル・ムーアや作家ナオミ・クライン、歴史学者ハワード・ジン、言語学者ノーム・チョムスキーといった面々が登場するからといって、映画は左派の声高な批判というより、丹念な調査に基づく、非常にクールな作品だ。大企業による環境破壊やモラルを無視した行為、搾取を糾弾することで、企業権力を理路整然と告発している。

精神医学のチェックリストを使ったFBI の心理学者による診断では、企業は「精神を病んでいる」との結果が出ている。

映画には、企業が人間や環境への負担を無視して冨を生み出すマシーンになった実例が数多く示される。ナイジェリアのロイヤルダッチ・シェルグループの石油掘削事業。幼い子供への製品の売り込み。フォックスニュースがそのスポンサー企業が関与する事件のニュース報道をもみ消したこと。米国IBM 社がナチと手を組んでいたこと。

監督のマーク・アクバーとジェニファー・アボット、脚本のジョエル・ベイカンの3人は消費者の蓄積した不満が巨大な多国籍企業と肩を並べるのもそう遠くはないと示唆する。 また、映画には幾つかの企業の代表者も登場する。年商14億ドルのカーペットメーカーだった米国インターフェース社を環境に配慮した事業運営の会社に変身させたレイ・アンダーソン会長の発言はパワフルだ。会長は、現在の標準的企業の商業行為は後世、「忌まわしい犯罪行為」として語られるようになると述べている。

▲参考資料:WIRED NEWS 04 June 2004