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今年3月、カリフォルニア州メンドシノ郡を拠点に、食の安全を求めて活動する草の根運動「GMO(遺伝子組み換え作物)フリーメンドシノ」が、遺伝子操作を施した作物の栽培と家畜の飼育を禁ずる条例を可決させた。これは10倍の予算を注いで反対運動の先頭に立った農業関連の業界団体、巨人ゴリアテを打ち負かすダビデのような快挙だった。フリーメンドシノにはドキュメンタリー映画「ザ・フューチャー・オブ・フード」という、マイケル・ムーアの「華氏911」のような働きをする秘密兵器があった。

これまでの記録フィルムと農家や農学専門家へのインタヴューで構成される映画は、遺伝子組み換え作物が過去10年足らずのうちに私たちの食糧供給を汚染し、何千年もかけて培われてきた耕作法を蝕んでいると訴える。食の安全を守るはずのずさんな法律、特許を巡る論争、畑の汚染の実態、そして「自殺種子」と呼ばれ、ターミネーターテクノロジーによって発芽と同時に自ら死ぬようプログラムされた遺伝子組み換え作物の問題がある。

監督、脚本、共同製作を兼ねるデボラ・クーンズ・ガルシアは、語り継がれるロックバンド、グレイトフルデッドを率いたジェリー・ガルシアの最後の妻だ。彼女は幼少の頃から植物に起きる人為的な突然変異に関心を持ち、15歳で放射線を浴びた植物の実験で科学コンクールに入賞する。以来、ずっと、遺伝子工学の展開に注目してきた。

▲参考資料:WIRED NEWS 08 July 2004